ケアシニアとは?特徴・おすすめ訴求・アプローチ方法を解説
高齢化社会が進み、「シニア」と呼ばれる層が年々増加している現代日本。この記事では、シニアマーケティングにおける4分類のひとつ「ケアシニア」について解説します。
ケアシニアの特徴や置かれている環境、おすすめのアプローチ方法、訴求内容などについて解説しています。ケアシニアを対象としたビジネスやアプローチを検討している方はぜひ参考にしてください。
なお、シニアを対象としたマーケティングについての基本を把握しておきたい方には、以下の記事がおすすめです。ペルソナ設定・プロモーション設計・成功事例などを詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
- ケアシニアとは?
- マーケティングにおける4つの「シニア」
- ケアシニアの特徴
- ケアシニアにおすすめのアプローチ方法
- ケアシニアにおすすめの媒体
- アナログ媒体
- デジタル媒体
- ケアシニアにおすすめの訴求内容
- ケアシニアにおすすめの商品カテゴリ
- ケアシニアにおすすめの媒体
- ケアシニアを理解したマーケティングを行おう
1. ケアシニアとは?
ケアシニアとは、要介護状態のシニア層を指す言葉です。身体的な障害などを持ち、日常生活を送るうえで介護や支援を必要としているシニアを指します。
生活を送るうえで、ケアシニア自身が積極的な消費活動を行うことはあまりありません。身の回りに必要なものを購入することや、ケアサービスなどを受けることはあっても、それらの製品やサービスに対して金銭を払うのは家族や介護者であることがほとんどです。
「ケア(care)」には「注意・心遣い」といった意味のほかに「他者の世話・介護・看護」といった意味があります。ケアシニアは主にシニアマーケティングにおいて使われている言葉で、「ケア(介護)を必要としているシニア=ケアシニア」という意味を持っています。
マーケティングにおける4つの「シニア」
現代のシニアマーケティングにおいては、ケアシニアを含めシニアを4つの分類に分けたうえでマーケティングを実施することが主流となっています。
高齢化社会が進行している現代日本では、「シニア」と呼ばれる人が多く存在しています。生まれた年代や置かれている環境によってそれぞれ異なる特徴を持っているため、大まかな特徴に沿ってマーケティング対象を分類しているというわけです。
シニアマーケティングにおける、シニアを分類する4つのカテゴリは以下のとおりです。
- アクティブシニア:意欲的かつ活動的で金銭面に余裕があるシニア層
- ディフェンシブシニア:健康に問題はないが消費活動に消極的な傾向のあるシニア層
- ギャップシニア:やりたいこととできることにギャップを感じるなど余生に不安を持つシニア層
- ケアシニア:介護を必要としており収入は年金のみであることが多いシニア層
アクティブシニア・ディフェンシブシニア・ギャップシニアに関しては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
それぞれの特徴を把握しておくことで、自社のマーケティング対象を絞り込むことができます。マーケティング対象を絞り込むことは、効率的かつ効果的なマーケティング施策の考案につながるでしょう。ケアシニアを含め、それぞれのシニアの特徴を掴んだうえで自社のサービスや製品がターゲットとしている層と照らし合わせ、マーケティングを行っていきましょう。
2. ケアシニアの特徴
ここからは、ケアシニアの特徴について解説します。ケアシニアに分類されるシニアに多く見られる特徴は、以下のとおりです。
- 身体的な障害を有しており、自治体などから「要支援」または「要介護」の認定を受けている
- 日常生活を送るうえで家族・ヘルパー・医療従事者などの介護・介助・サポートを必要としている
- 製品・サービスの利用者ではあるものの、金銭の支払いなどは家族やケアマネージャーなどの支援者である場合が多い
- 要支援または要介護の認定を受けているため、法改正や行政の制度改正などの影響を受けやすい存在である
- 収入は年金のみであることが多い
- 消費の内容は食事、衛生用品などの生活必需品がメイン
ケアシニアはもっとも消費活動に対して消極的なシニア層です。自身で消費活動を行うことはあまりなく、必要なものを購入「してもらう」といったことが多い層です。収入が年金のみであることがほとんどのため自由に使えるお金が少ないということに加え、要支援または要介護の状態にあるため自由な行動が難しい場合も多いためでしょう。
金銭の使い道は食事、日用品など生活を送るうえで必要となる商品がほとんどであることが多いです。ケアシニア本人の積極的な消費活動は見込めませんが、今後さらなる人口の高齢化が進むことで、ケアシニアの割合は増加していくことが予想されます。
ケアシニアの消費活動においては、前述したとおり金銭の支払い(最終的な購買行動)を行う人が家族や介護者であることが多いです。そのため、ケアシニア層へのアプローチは、ケアシニア本人だけではなく、決済者まで意識したマーケティング活動を行うことが重要なポイントだといえるでしょう。
3. ケアシニアにおすすめのアプローチ方法
以下からは、ケアシニア層にアプローチする際におすすめの方法を解説します。
何度もお伝えしているとおり、ケアシニアは、シニア本人ではなく介護者などが決済者となるケースが多く見られます。決済者に向けたアプローチも必要となることを覚えておきましょう。
ケアシニアにおすすめの媒体
ケアシニアを対象としたマーケティングにおいておすすめの媒体は以下のとおりです。
- マス広告(テレビCM・ラジオCM・新聞広告・雑誌広告)
- チラシ広告・フリーペーパー
- インターネット広告(ディスプレイ広告)
ケアシニアへのアプローチは、アナログ媒体・デジタル媒体を併用して行うことがおすすめです。以下からそれぞれ詳しく解説します。
アナログ媒体
ケアシニアは頻繁に外出する層とは言えないため、自宅からも簡単にアクセスできる受動的な媒体を通してアプローチすることをおすすめします。具体的には、テレビ・ラジオなどのマス広告がおすすめです。
新聞や雑誌に目を通すことが楽しみになっているシニアも多いため、こちらへの広告出稿もおすすめです。新聞に折り込まれるチラシや、郵便受けを確認することで一度は目に入る投函型のフリーペーパーによるアプローチもおすすめです。
デジタル媒体
デジタル媒体に関しては、家族や介護者へのアプローチを行う媒体として活用するとよいでしょう。「老老介護」という言葉ができるほど、ケアシニアの介護を行う人も高齢者である可能性はありますが、近年ではスマートフォンやPCなどのIT機器を使いこなす「デジタルシニア」も増加しています。
インターネットには介護者向けの情報も多くあるため、情報収集を行っている介護者も多いでしょう。このため、インターネット広告もケアシニア層、そしてその家族や介護者にとって有効な媒体といえます。
特に、おすすめなのは、ディスプレイ広告です。画像や動画などで閲覧者にアプローチできるディスプレイ広告は、Webサイトを閲覧しているだけで表示されます。閲覧者にとって受動的な広告でありながらも、色や動きを持った印象に残りやすいインパクトのある訴求が可能です。
なお、デジタルシニアについては以下の記事で詳しく解説しています。デジタルシニアへの具体的なアプローチ方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ケアシニアにおすすめの訴求内容
ケアシニアに対しては
- 食事をとるのが楽になる
- 置くだけ・取り付けるだけ・コンセントをつなぐだけ
- 毎日の負担が驚くほど軽くなります
など、健康や介護に関するサービスの便利さ・導入ハードルの低さを訴えかける内容がおすすめです。
ケアシニアは、能動的に何かをしよう・楽しもうと思うよりも、日々の生活を送りやすくすることに対して意識が向きやすい層です。このため、ケアシニア自身が簡単に使用できるものや、日々の生活が楽になると感じられる点を重視した訴求を行うとよいでしょう。
このほか、家族や介護者の負担が軽減される訴求を行い、決済者にもアプローチすることがおすすめです。ケアシニア自身の収入は多くないため、コストパフォーマンスを意識した訴求も効果的でしょう。
ケアシニアにおすすめの商品カテゴリ
前述のとおりケアシニアには、日々の生活をより楽に、スムーズに送ることができる商品やサービスを用いてのアプローチがおすすめです。
ケアシニア自身が使用する商品やサービスはもちろん、ケアシニアのサポートを行う人がサポートを楽に行える商品やサービスも「ケアシニアにおすすめの商品」として取り扱うとよいでしょう。
このほか、身の回りの整理や葬儀の希望をまとめるなど、いわゆる終活を行っていないケアシニアに対しては、そのようなサービスを用いたアプローチも効果的でしょう。
ディフェンシブシニア同様、「今よりも生活が楽になる」「今後の不安が解消される」といったベネフィット(利益)が得られる商品・サービスであれば興味を持ってもらえる可能性が高いです。
4. ケアシニアを理解したマーケティングを行おう
積極的な消費活動は見込めない可能性が高いケアシニア。ケアシニア自身が消費活動を行うようにアプローチすることは難しいかもしれませんが、ケアシニア本人が意識せずに利用しているケアシニア向けのサービスや商品は多くあります。
その多くは、介護者や決済者(最終的に購買行動を行う人)が選んでいる場合が多いです。介護者や決済者に向けたアプローチも意識して、アナログ・デジタルの広告媒体を併用しつつ、自社商品・サービスに合ったマーケティングを行っていきましょう。
なお、本文中で触れた「デジタルシニア」の中には、SNSを楽しんでいる方も多く見られます。SNSを楽しむシニアの中には、自身がケアシニア層になった際のことを考えている人も多いと考えられます。また、介護者としての側面を持つシニアも多く存在するでしょう。
このため、SNSを通じたアプローチも、現代のシニアへのマーケティング方法として有効な手段です。
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