シニア世代のフェムケア市場の現状は?男女別の意識や開発ポイントを紹介
近年、急速に市場を伸ばしているフェムケア市場。その波はシニア世代にも拡大しています。
しかし、「シニア向けの市場規模や求められるサービスが分からない」という悩みを抱いていませんか。
この記事では、シニア世代をターゲットとしたフェムケア市場について解説します。
シニア向けのフェムケア商品を売りたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
- フェムケア/フェムテックの市場規模は拡大している
- シニア女性の更年期に関するフェムケア市場
- シニア世代のフェムケア開発で気をつけたいポイント
- まとめ|フェムケア市場のリサーチにおしるこを活用して効率的に
1. フェムケア/フェムテックの市場規模は拡大している
高齢化が進み、日本の総人口に占める65歳以上人口の割合は29.0%と、約3人に1人は高齢者の時代。
シニア世代を対象とした市場規模は年々拡大しています。
市場規模の拡大に伴い、フェムケア/フェムテックの市場規模も拡大しています。
ここでは、フェムケア/フェムテックの市場規模について詳しく解説します。
健康への関心の高まりから、フェムケア市場は年々伸びている
シニア世代に関わらず、フェムケアの市場規模は年々伸びています。
株式会社矢野経済研究所は、2022年のフェムケア&フェムテック市場は前年と比較して107.8%、約695億の市場規模だったと報告しました。
フェムケア&フェムテック市場が伸びた原因として、一昔前は公に話題にされなかった生理や不妊、女性の更年期障害などが広く認知、話題になったことが考えられます。
健康意識の高まりも功を奏して、フェムケア&フェムテックは男女ともに関心のある分野となっています。
2022年4月から不妊治療の保険適用が拡大されたことや女性活躍推進法が改正されたことから、今後も女性の身体や健康問題への関心は高まると予想されます。
ヘルスケア関心の高まりと、シニア世代の増加により、フェムケア市場の中でも、特にシニア世代のフェムケアに関心を集める企業が増えています。
フェムケアとフェムテックの違いとは
フェムケアについて調べると「フェムケア」に加えて「フェムテック」という言葉が出てきます。
ここでは「フェムケア」と「フェムテック」の違いについて解説します。
「フェムケア」とは「Female(女性)」と「care(ケア)」を組み合わせた造語です。女性特有の身体の悩みを解決するためのケア(商品やサービス)を指します。その中でも、フェムゾーン(デリケートゾーン)のケアを指す場合が多くあります。
一方「フェムテック」とは「Female(女性)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語です。フェムケアの中でも科学技術(Technology)を駆使した商品やサービスを意味します。
生理周期を管理するアプリや更年期をケアするアプリなどがフェムテックに該当します。
フェムケアの中で、テクノロジーを利用しているものがフェムテックと考えてください。
参考:内閣府令和5年版高齢社会白書第1章 株式会社矢野経済研究所
2. シニア女性の更年期に関するフェムケア市場
ここでは、シニア世代を対象にしたフェムケア市場について解説します。
前述の通り、シニア世代の人口増加とフェムケア市場の拡大にともない、特にシニア世代に特化したフェムケアの市場は、今後ますます拡大すると見込まれます。
フェムケアの中でも、どのような分野が関心を集めているのか、また男女別の意識のあり方についてお伝えします。
シニア女性の更年期に関する意識
株式会社ハルメクホールディングスが40〜79歳を対象におこなった「中高年世代の身体の患いや不調」に関する調査によると、男性は具体的な疾病が目立った一方、女性は「なんとなく」の不調が多いことが明らかになりました。
シニア女性は、更年期障害の「なんとなく」の不調に悩まされることが多くあります。
そもそも更年期とは、閉経(月経が永久に停止した状態)の前後5年を指します。閉経にともなうホルモンバランスの乱れから、ほてりやのぼせ、めまい、不眠、憂うつ、肩こり、疲労感など多岐に渡る症状が現れます。症状には個人差が大きく、人によって症状や程度は異なります。
子育てや親の介護、仕事など私生活に影響を与え、更年期障害との向き合い方に悩む女性が多くいます。
更年期障害を迎える年代の女性も、仕事をしているケースが増えていることから「仕事に影響を及ぼさないようにしたい」と対策を考える女性も増えています。
シニア世代を対象としたフェムケア市場において、更年期障害は重要なキーワードになっています。
男性の認知度は低く、相談しにくいケースも
更年期障害に悩む女性が多い一方で、男性の理解や認知度は高くないのが現状です。
厚生労働省が20歳から64歳を対象におこなった調査(2022年)によると、女性の更年期について「よく知っている」と回答した40代の女性は38%を超えています。そして、年代が上がるにつれて「よく知っている」と答えた割合も増えています。
一方で男性は、年代が上がっても2割近くの男性しか「よく知っている」と答えない結果となり、男女の認知の差が顕著に現れました。
更年期障害に対する男女の理解の差から「話しても分かってもらえない」「男性には理解されないだろう」と、更年期障害についてパートナーに相談できない場合もあります。
今後は、性別問わず、更年期障害についての認知度や理解度を高める必要があります。
フェムケア市場においても、女性に寄り添うだけでなく、男性の理解を深めるような施策もポイントになってくるでしょう。
3. シニア世代のフェムケア開発で気をつけたいポイント
ここでは、シニア世代を対象としたフェムケア開発のポイントを解説します。ほかの年代とは違った視点もありますので、ぜひ参考にしてください。
高齢者向けのサービスと思わせない
シニア世代向けのフェムケア商品では、シニア世代向けのサービスと思わせないことが重要です。「シニア」という言葉は使わないことをおすすめします。
近年「シニア」という言葉を見聞きしますが、シニア世代の年齢はさまざま。人によって、シニアと呼ばれたくないと不快に感じる方もいます。
また、更年期障害においては、多くの場合40〜60代の女性に現れる症状です。「シニア世代」という言葉は不快感を覚えるだけでなく、対象の年代に響かない可能性もあります。
ターゲットとしたい年代に届け、嫌悪感を感じさせないことは、開発の第一段階です。
「シニア」の言い換えやポイントについては、以下の記事も参考にしてください。
使いやすい/わかりやすいを大事に
フェムケアという造語をはじめ、フェムケアやフェムテックに関する商材に使われる言葉には、新しい言葉や馴染みのないものが多くあります。
シニア世代に限った話ではありませんが、対象のユーザーが使いやすい、分かりやすい言葉選びを意識してください。
シニア向けのコピーについては、以下の記事も参考にしてください。
4. まとめ|フェムケア市場のリサーチにおしるこを活用して効率的に
高齢化とフェムケアへの関心の高まりから、シニア世代のフェムケア市場は、今後ますます伸びる分野であると予想されます。
年代別の女性特有の不調や悩みを理解することが、シニア世代のフェムケア市場で活躍する第一歩です。
シニア世代の理解やアプローチに悩んでいる方は、シニアコミュニティアプリ「おしるこ」をぜひご活用ください。