シニアのペルソナ設定例を3種類紹介!3ステップで簡単アレンジ!
自社商品やサービスを提供したいのに、どうやって宣伝すれば良いのかわからないと悩んでいませんか?そんなとき、まず考えなければならないのが「ペルソナ」です。
「ペルソナ」は元々ラテン語で「仮面」という意味ですが、マーケティングの現場では「表面上の人格」という意味で使われています。つまり、あなたが商品やサービスを提供したい人の人格です。
誰もが自社商品やサービスを多くの人に利用してもらいたいと思うのは当然でしょう。しかし、多くの人に商品やサービスの良さを伝えようとしても、残念ながら誰の心にも刺さりません。なぜなら、本当に伝えたいことがぼやけてしまうからです。
そこでペルソナ設定が必要となります。実は、特定の一人を想定して訴求する方が多くの人に伝わります。その人物像が「ペルソナ」です。
しかし、シニア層向けの商品やサービスの場合には、どのような人に向けて訴求していけば良いのか絞りきれないという場合もあります。つまり、ペルソナ設定がうまくできないという状態です。
そこで、本記事では
- 何のためにペルソナを設定するのか
- シニア層向けの商品・サービスのペルソナ設定の具体例
ということについて詳しく記載しました。
具体的な例を紹介しているので、実際の広告運用で今すぐにでも応用可能です。御社の商品やサービスの素晴らしさをより多くの方に知ってもらうチャンスなので、ぜひ記事を最後まで御覧ください。
目次
- ペルソナはターゲットとどう違う?
- シニア層のペルソナ設定における3つのメリット
- ペルソナ設定3つの手順!シニア層向け商品の例!
- シニアのペルソナ設定!3つの例を具体的に紹介!
- シニアのペルソナ設定は例を参考にアレンジ!
1.ペルソナはターゲットとどう違う?
マーケティングでは「ペルソナ」と「ターゲット」という2つの言葉を聞くことがあります。ペルソナとターゲットは商品やサービスを利用する人を想定しているという点では同様のものです。
多くの人は「ペルソナはターゲットの延長線上にある」というイメージをされているのではないでしょうか。しかし、実際はペルソナとターゲットには大きな違いがあります。
ペルソナとターゲットの大きな違いは次の2点です。
一つ目の違いは「団体」を指すか「個人」を指すかという点。ターゲットは団体や集団を指すのに対して、ペルソナは個人を指します。
二つ目の違いは実在するかしないかという点です。ターゲットは実在する団体を指します。しかし、ペルソナは実在しなくても良いものです。つまり、架空の人物を想定して作り上げていくと言っても良いでしょう。
ペルソナの良いところは、実在しなくても良いので、その人物像を作り上げ、生活形態や趣味にまで入り込むことが可能です。そして、その人物像の悩みを想定することで、商品やサービスのマーケティングのコスト削減と売り上げ向上が期待できます。
シニアのターゲティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
2.シニア層のペルソナ設定における3つのメリット
ペルソナを設定することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
一般的なペルソナ設定では、ユーザー目線での商品やサービスの企画・開発が可能になります。ユーザーの悩みを確実に解決できる商品やサービスを提供できれば、設定したペルソナに近い人の心に刺さるでしょう。
それでは、シニア層のペルソナ設定で得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
考えられるメリットは主に次の3点です。
- シニア層のニーズを理解できる
- 主観を無くすことが可能
- 担当者間の共通認識を持てる
それぞれについて詳しく解説していきましょう。
2-1.シニア層のニーズを理解できる
ペルソナ設定によってユーザーニーズの認識が可能です。実はニーズの中にはユーザー自身も気が付いていない「潜在ニーズ」というものがあります。そして、ペルソナ設定は潜在ニーズを認識するときには大変便利です。
それでは、シニア層のニーズについて、旅行関連の例を見ていきましょう。ただし、シニア層と言っても様々な方がおられます。たとえば、次のような分類が可能です。
- アクティブシニア(意欲的・活動的な前期の高齢者)
- 要介護者
- 介護施設利用者
それぞれのターゲットによって旅行のニーズも異なってくるということがイメージできるでしょう。その中でもアクティブシニアについて、下記のように簡単なペルソナ設定例を考えてみました。
- 年齢:70歳
- 性別:男性
- 長距離を歩くのは同年代にしては得意な方
- バス移動でのトイレ休憩に不安を感じている
- 荷物を持って移動するのが苦手(時間がかかる)
- 食べることに喜びを感じている(特に鮮魚が好き)
本来のペルソナ設定例としてはもっと詳しく考えるべきですが、上記のような簡単なペルソナ設定でもある程度のニーズが掴めます。たとえば、以下のようなニーズが予想できるでしょう。
- 食べ歩きバスツアー(トイレ付きバス)
- 鮮魚列車貸し切りツアー
また、ペルソナの例がアクティブシニアではなく要介護者だった場合には、ニーズは次のように異なってくるでしょう。
- 車椅子・新幹線で行くバリアフリー海鮮ツアー
- 介護付き食べ歩きツアー
このように、ペルソナがほんの少し異なるだけで、ニーズも大きく異ります。
2-2.主観を無くすことが可能
ペルソナ設定を行うことで、ユーザーに対する主観を無くすことが可能です。
ペルソナは実在する人物とは限りません。しかし、実在していなくても想定するターゲット層の中心的存在であることが重要です。
ターゲット層を決め、そのターゲットの中心となる特徴を具体的に考えることで、客観的に人物像を設定することが可能となります。つまり、商品やサービスを主にしないことで、主観を排除することが可能です。
主観を無くすことで軸がぶれなくなり、商品やサービスについても無駄を省いて効果的なマーケティングが行えます。
2-3.担当者間の共通認識を持てる
商品やサービスを市場に広めようと考えた場合、複数のメンバーで商品やサービスのマーケティング戦略を考えることになります。その場合のデメリットは、どのような人物に対して販売していくのかという認識のズレです。
しかし、チームの中でペルソナを共有することができれば、狙うべきペルソナを共通認識できます。結果的に、マーケティング戦略で道に迷うようなことが少なくなるでしょう。
また、チームで意見を出し合うことで、多角的な視点でペルソナ設定を行うことができるというのも大きなメリットです。ただし、商品やサービスに都合の良いペルソナを設定してしまうと、発想が広がらなくなるので注意しましょう。
それでは、続いてペルソナの具体的な設定方法について解説します。
ペルソナの具体的な方法を知る前に、シニアマーケティングの全体像をおさらいしたい方はこちらも併せてお読みください。
3.ペルソナ設定3つの手順!シニア層向け商品の販売編
ペルソナの設定方法は、次の3つの手順になります。
- ペルソナのデータ収集
- ペルソナの基本情報を設定
- ペルソナのストーリー設定
今回は特にシニア層向けのペルソナ設定に限定して、具体的な例を示しながら詳しく解説していきましょう。
3-1.ペルソナのデータ収集を行う
ペルソナ設定にはデータ収集が必要です。データ収集を行う具体的な例は次のようになります。
- 顧客へのアンケート調査またはインタビュー
- 営業担当のインタビュー
- 政府関係のデータ調査
- 社内に蓄積されたデータ
- SNSやQ&Aサイトの調査
上記のデータを分析し、総合的にどのような人物かということを設定していくことになります。特に、先程も紹介したように下記のようなQ&Aサイトでは多くのデータを得ることが可能です。
- Yahoo!知恵袋
- 教えて!goo
- 発言小町
また、SNSの場合には、シニア層向けのSNSで利用者の動向や興味などを知ることができます。
顧客の生の声をペルソナ設定に反映させたいという場合には、アンケートやインタビューを利用するのが良いでしょう。また、SNSなどを利用してオンライン上でアンケートを取ることも可能です。
3-2.シニアペルソナの基本情報を設定する
ペルソナ設定用のデータ収集を終えたら、次にデータを分析して下記のように基本情報を設定します。例としてシニア層向けゴルフ用品販売企業のペルソナ設定を考えてみましょう。
3-1で解説したようなデータ収集を行ったところ、
- 自社商品の購入客層で最も多いのが65歳の男性
- 65歳以上の購入者を調査したところ年収が380万円前後の人が多い
- ゴルフ用品の情報をSNSから得ている
ということがわかりました。これらの情報から想定したペルソナ設定が以下になります。
- 年齢:65歳
- 性別:男性
- 職業:シルバー人材派遣
- 年収:年金と合わせて380万
- 趣味:グランドゴルフ
- 特技:ブログ作成
- 住んでいる地域:千葉県
- 同居家族:妻・息子夫婦・孫2人と同居
- スマホの使用頻度:毎日使用する
- 利用しているSNS:おしるこ(ほぼ毎日投稿)
- 現在の悩み事:膝の痛み
- 休日の過ごし方:グランドゴルフやSNS
例としては少ない項目となっていますが、必要に応じて更に項目を増やしてください。集まったデータの中から取捨選択をしたり組み合わせて、実在しそうな人物像を設定します。
また、前述したようにペルソナが偏ってしまうことを防ぐ為に、複数人でペルソナ設定を行うのがおすすめです。ペルソナ設定は商品やサービスを利用する理想像を作り上げることではないので、偏らないことが重要です。
3-3.ペルソナのストーリーを設定する
ここまでで、ペルソナ設定の素材が集まった状態です。後はこれらの素材を組み立ててストーリーを設定することになります。ストーリーを設定することで、ペルソナの人物像がよりくっきりとイメージできるようになるでしょう。
また、ストーリー設定にはエピソードを盛り込むことも有効です。
たとえば、上記のペルソナ設定の例ではグランドゴルフが趣味のシニア男性でした。この男性像をよりイメージしやすいように、グランドゴルフでの失敗例なども面白おかしく考えてみるのが良いでしょう。
そうすることで、設定したペルソナの顔が見えるようになります。
スーパーで野菜を購入するときに誰が作っているのかということが気になったことはないでしょうか。それと同じように、ペルソナ設定も人物像を明確にすることで、商品やサービスの利用方法もイメージしやすくなります。
4.シニアのペルソナ設定!3つの例を具体的に紹介!
様々な年齢層や、商品ジャンルのペルソナ設定方法をより具体的にイメージしやすくするために、ここでは3つのペルソナ設定例を紹介します。
例として取り上げるのは、50代~70代の3つの年齢層です。それぞれの最終的な目的を設定して、ストーリー展開しました。
4-1.50代男性のペルソナ設定例
50代男性のペルソナ設定例を考えてみましょう。最終的な目的としては、サプリメントの紹介とします。
プロフィールは以下のように設定しました。
- 名前:斉藤和夫
- 年齢:55歳
- 性別:男性
- 職業:会社員(金属部品製造業)
- 年収:600万
- 趣味:読書・DIY
- 性格:家族思い・真面目
- 特技:DIYで家具を作る
- 住んでいる地域:静岡県
- 同居家族:妻・子供2人(高校生と大学生)
- スマホの使用頻度:毎日使用する
- 利用しているSNS:Twitter(毎日投稿)
- 現在の悩み事:老眼で文字が読みにくくなってきた
- 休日の過ごし方:妻と買い物・DIY・読書
休日は読書をしたり、DIYで本棚や机などを作って過ごしています。お気に入りはDIYで作ったハンモックに揺られてのんびり読書をすることです。最近の悩みは文字が読みにくくなってきたこと。数年前から、読書やDIY用の図面が見づらくなってきて困っています。
老眼なのかもしれないがまだ認めたくないので、できることならサプリメントなどを利用してみたいと考え中です。
4-2.60代女性のペルソナ設定例
続いて60代女性のペルソナ設定例を紹介します。最終的な目的はオンラインのヨガ教室への誘導です。
プロフィールの例として下記のように考えました。
- 名前:川崎美恵子
- 年齢:62歳
- 性別:女性
- 職業:清掃業(派遣)
- 年収:130万
- 趣味:手芸・お菓子作り
- 性格:おっとり
- 特技:生け花
- 住んでいる地域:福岡県
- 同居家族:夫・義母
- スマホの使用頻度:ほぼ毎日使用
- 利用しているSNS:Facebook
- 現在の悩み事:体力が低下してきたことを実感している
- 休日の過ごし方:お菓子作り・掃除
週に3回程度、仕事として施設の清掃作業を行っていますが、年々体力が衰えてきたことを実感しています。日頃運動不足なので、何かスポーツをしてみたいと考え中。しかし、元々スポーツなどに取り組んだことがなく、年齢的なことも考慮すると激しいスポーツは難しいと思っています。手軽に取り組めるようなものがあれば参加したいのですが、ジムなどには抵抗があり通うことができません。
4-3.70代女性のペルソナ設定例
最後に70代女性のペルソナ設定例を紹介しましょう。最終目的はサプリメントの紹介とします。
プロフィールの例は下記の通りです。
- 名前:山下明子
- 年齢:77歳
- 性別:女性
- 職業:無職
- 年収:年金50万
- 趣味:畑仕事
- 性格:明るい
- 特技:手芸
- 住んでいる地域:北海道
- 同居家族:夫・息子夫妻・孫3人
- スマホの使用頻度:必要な時だけ使用
- 利用しているSNS:おしるこ
- 現在の悩み事:関節の痛み
- 休日の過ごし方:畑仕事
畑仕事が趣味で、季節の野菜などを栽培しているという山下さん。収穫できた野菜は食べきれないので、近所の人に配ることが多いそうです。しかし、最近膝や腰などの関節の痛みが酷くなり、畑仕事に支障を来している状況。少しでもラクになる方法が無いかと色々な方に相談していますが、なかなか良い方法が見付かりません。
以上、3つのペルソナ設定例を紹介しました。実際に商品やサービスのマーケティング戦略を考える際には、これらの例を参考にしてアレンジしましょう。
5.シニアのペルソナ設定は例を参考にアレンジ!
本記事ではペルソナ設定の方法について、シニア層の例を用いながら詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
ペルソナ設定は、商品やサービスの企画・開発やマーケティングを行う場合に有効です。特にシニア層のペルソナ設定では、次のような3つのメリットが考えられます。
- シニア層のニーズを理解できる
- 主観を無くすことが可能
- 担当者間の共通認識を持てる
また、ペルソナは次の3つの手順で簡単に設定が可能です。
- ペルソナのデータ収集
- ペルソナの基本情報を設定
- ペルソナのストーリー設定
上記の手順に基づき、必要な項目を埋めていくことでよりリアリティのあるペルソナ設定ができるでしょう。具体的なペルソナ設定は、前述した例を参考にアレンジすることで、作成の大幅な時間短縮が図れます。
商品やサービスの良さを的確に伝えるにはペルソナ設定は欠かせません。商品やサービスの企画・開発や広告出稿が必要な場合には、例に従ってペルソナ設定を行ってみてください。