サクセスフルエイジングとは?シニアマーケティングへの活かし方を解説
年齢を重ねるごとに、自分の生き方・人生に充実感を持てるような考え方のことを「サクセスフルエイジング」といいます。
今後もシニアの割合は増えていくと考えられる今日、シニア世代にとって、日常が充実し、サクセスフルに生きられるような商品・サービスは今後も需要を増していくでしょう。
この記事では、シニア向けの商品・サービスを開発するうえで、鍵となり得る「サクセスフルエイジング」の概念について解説していきます。シニアマーケティングをするうえで、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- サクセスフルエイジングとは
- サクセスフルエイジングのための3つの条件
- サクセスフルエイジングのための商品・サービスとは
- サクセスフルエイジングのためのマーケティングとは
- シニアマーケティングにはおしるこの活用を
1.サクセスフルエイジングとは
超高齢化社会に突入し20年近くが経とうとしている日本。「歳を取る」という語感からは、どのような印象を受けるでしょうか。
年齢を重ねることは、若さを失うこととイコールで繋がることばかりではありません。医療の発達と社会の成熟によって平均寿命が伸びていき、人々が年齢を重ねることで可能性が広がることもあるでしょう。
「サクセスフルエイジング」は「成功した老化」と直訳できますが、「成功した」という言葉に含まれる意味は様々です。ここでの「サクセスフル」には、「理想の老い方」「歳を重ねるごとに人生の充実感が上がる」というような意味が含まれており、年齢を重ねることについてポジティブに捉える考え方だといえます。「老化」という言葉からくるネガティブなイメージはありません。
意訳すると「生きがいのある人生を生きること」という言葉が当てはまるかもしれませんね。
高齢化が進み、平均寿命も伸びている昨今において、シニア世代のサクセスフルエイジングを達成するためのサポートは、今後も需要を増していくと考えられます。
参考:植木理恵|『サクセスフル・エイジング 幸せな老いを迎えるための心理学』|PHP研究所
2.サクセスフルエイジングのための3つの条件
1987年、アメリカの医学者ジョン・ローと社会学者ロバート・カーンは、サクセスフルエイジングの条件として次の3つを挙げました。
①疾患や障害がないこと
②高い認知機能や身体機能を維持していること
➂社会参加していること
つまり、健康に過ごし、社会とコミュニケーションを取りながら日常を過ごしていること、と言い換えることができるでしょう。
しかし、加齢に伴い、身体に何らかの不調を自覚するシニア世代も少なくないと考えられます。認知機能や身体機能がどの程度で高いと判断できるかを定義することは難しく、また自分の身体の疾患や障害を理解し、それらと上手く付き合いながら日常を過ごすシニア世代もいるでしょう。
現代社会においてのサクセスフルエイジングを考える際、身体機能に着目するばかりでなく、シニア世代個人がどのようなライフスタイルを望んでおり、それがどのように、どの程度叶えられているか、という点が重要になってくるのかもしれません。
参考:公益社団法人日本心理学会|サクセスフル・エイジングとオプティマル・エイジング|京都女子大学発達教育学部教育学科 教授 岩原 昭彦
3.サクセスフルエイジングのための商品・サービスとは
では、シニア世代のサクセスフルエイジングを提供できる商品・サービスとはどのようなものなのでしょうか。
シニア世代のライフスタイルを考える際、シニア世代が生きがいを感じるシーンを捉えることは重要です。内閣府のアンケートによると、シニア世代が生きがいを感じるのは次のようなシーンだといいます。
参照:令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果 8.世代間の交流・生きがい
①孫などとの家族団らんの時間 55.3%
②おいしい物を食べている時 54.8%
➂趣味やスポーツに熱中している時 53.5%
➃友人や知人と食事、雑談している時 52.6%
⑤テレビを見たり、ラジオを聞いている時 43.2%
⑥旅行に行っている時 39.8%
50%を超える数値となっている上位4つのうち、①孫などとの家族団らんの時間➃友人や知人と食事、雑談している時がランクインしていることを考えると、シニア世代は他者との交流を楽しんでいると言えます。
また、②おいしい物を食べている時➂趣味やスポーツに熱中している時も過半数を占める人が生きがいを感じるシーンとして選択していますが、おいしい物を食べている時間、趣味やスポーツに熱中している時間そのものを楽しいと捉える人と、おいしい物を食べる時間や趣味・スポーツの時間を誰かと共有することを楽しいと捉える人がいるでしょう。
シニア世代がサクセスフルなライフスタイルを実現できるような商品・サービスを考える際、商品・サービスそのもののクオリティだけでなく、それらを通してシニアが誰と、どのような時間を共有するか、という点がポイントになってくるでしょう。
4.サクセスフルエイジングのためのマーケティングとは
では、シニア世代がサクセスフルエイジングを実現できるような商品・サービスを提供するには、どのようなマーケティング戦略が必要になるのでしょうか。
シニアマーケティングにおいて、抑えておきたい3つのポイントを紹介します。
①ペルソナ設定
シニアマーケティングにおいて、ポイントとなる事柄の1つに、ペルソナ設定があります。一括りにシニア世代と言っても、アクティブシニアといわれるような、健康的で経済的に自立している世代から、介護や医療的ケアを日常的に必要としているケアシニアなど、ライフスタイルや価値観は大きく異なります。
どのような年齢層で、どのような地域に住み、どのような価値観を持っているのか、など、その特徴を詳細に捉えていくことはシニアマーケティング成功のために重要なポイントの1つだといえます。
②広告戦略
シニア世代への広告戦略では、SNSなどを使ったデジタル広告も有効です。
シニア世代は新聞折込やテレビCMなど、アナログな手法を好むイメージを持たれやすいですが、デジタルデバイスを活用するシニア世代は少なくありません。
設定したペルソナに合わせてピンポイントで広告を配信できることも、デジタル広告のメリットです。新聞折込やテレビCMと組み合わせることも効果的だといえます。
➂販売方法
商品・サービスによって、効果的な販売方法も異なります。
新しいモノ・コトを購入するまでに慎重な傾向のあるシニア世代には、実際に使って試せることは購入のハードルを下げることに繋がります。例えば、料理器具やマッサージチェアなどの日常的に使う商品を販売する場合、店頭に置き、シニア世代が実際に目にしたり、手に取ったりすることで購買意欲を促進することができるでしょう。
旅行などのサービスを提供する場合は、オンラインで観光地などの映像を配信し、どんな体験ができるかを視覚的にアピールすることは有効であるといえます。デジタルシニアも増えつつあることを考慮すると、デジタル広告で集客し、そのままサービスの購入に繋げられるような販売経路は、より効果的な集客に繋がると考えられます。
シニア世代が望むライフスタイルや、サクセスフルエイジングをどう捉えるかを考えていくことは、シニアマーケティングに必要な視点です。
5.シニアマーケティングには「おしるこ」の活用を
「おしるこ」とは、次世代アクティブシニアが集まっているシニア限定コミュニティアプリです。50歳以上のシニア世代がSNSとして利用しており、日常をシェアしたり、コミュニティ参加のためのツールとして運営されています。
「おしるこ」ユーザーの投稿をペルソナ設定に活用しマーケティング戦略の参考にしたり、動画コンテンツを出稿し広告媒体としても活用できます。利用者が商品・サービスを体験し、日記にシェアする機能もあるため、マーケティングを検証したり、シニア世代への訴求を促したりすることができますよ。
また、口コミはシニア世代にとって商品・サービスを購入する上で重要な情報の1つです。商品・サービスを体験した利用者の口コミによって、さらなる購入に繋げていくことができるでしょう。
誰かの「良かった」を参考に、自分自身の生活を豊かにしていくヒントを得ていくシニア世代。どう生きるか、どのような価値観を持って日常を過ごしていくかが、シニア世代にとってのサクセスフルエイジングに繋がっていきます。
「おしるこ」を活用し、シニア世代に向けて商品・サービスをアプローチしませんか?