おひとりさま終活~その2 | シニアド

おひとりさま終活~その2

昨今、人生100年時代と呼ばれている中、終活のあり方が問われています。定年退職後の熟年離婚や生涯独身である人が増え、「おひとりさま」での終活を考える重要性が高くなってきています。

厚生労働省が出しているデータによれば、2035年頃には、50歳の段階での未婚率が男性で3割、女性で2割に及ぶとされ、これに熟年離婚された方の数を含めると、かなりの割合が「おひとりさま」での終活をされることが予想されます。

今回は、「おひとりさま終活」をしていく上で、やるべき事と注意点について解説していきます。この記事を読んで頂きますと、「おひとりさま終活」でやるべきことが理解できます。

それでは、一緒に「おひとりさま終活」について見ていきましょう。

 

「おひとりさま終活」の必要性

よく聞かれる質問として、「おひとりさま」なら終活の必要が無いのではないかと思われている方がいらっしゃいます。そういった方の頭の中には、「終活は遺産相続のためにするもので、身寄りがいなく、独身の人には関係無い」という考えがあるようです。

しかし、「終活」という言葉には、「自分らしく、幸せな最期を向かえるための活動」という意味があります。たとえ独身の方であっても、自分のためのふさわしい最期を見つけたい、悔いの無い最期を迎えたいと思われている方は多いはずです。

そういった、おひとりさまが「理想の最期」を見つけるための終活のことを「おひとりさま終活」といいます。

 

 

一般的な終活でやるべきこと

終活にも様々な種類がありますが、終活全般に共通するポイントがあります。

・遺書を作る

・身辺整理を行う

・財産整理を行う

以下、それぞれの点について解説していきます。終活で基本的な必要事項について知りたい方は、是非参考になさってください。

 

遺書を作る

遺書を生前に準備しておくことは、相続問題を円滑に行うための必須事項です。生前に明確に「誰に」、「どれだけ」相続するかということを遺書に残しておけば、遺産相続を巡る親族同士の争いを防ぐことができますし、なによりご自身の意思で相続問題を決定することができます。

また、ご自身が孤独であっても、遺書を書いて遺産の処分の方法を明記することで、後に残された遺族の方の負担が少なく済みます。

 

身辺整理を行う

生前に身辺整理しておくことは、怪我や事故を避けるためにも、自分の亡くなった後に残された遺族に負担をかけないためにも重要です。

また、身辺整理することは自分の中で気持ちの整理をつけることに繋がります。身体がまだ元気で、きちんと動くうちに身辺整理しておきましょう。

 

財産整理を行う

老後の生活にはお金がかかります。生活費や葬式、お墓の購入代金など、終活に関する費用を挙げれば枚挙にいとまがありません。ですので、生前に財産整理をしておくことが必要です。事前に終活にかかるお金や生活費を逆算して、財産管理をご自身の習慣にすると良いでしょう。

 

 

「おひとりさま終活」でやるべきこと

次に、「おひとりさま終活」でやるべきことについてまとめていきます。

・任意後見人制度の利用

・訪問サービスの利用

・コミュニティへの積極的な参加

以下、それぞれの点について解説していきます。「おひとりさま終活」でやるべきことについて知りたい方は、是非参考になさってください。

 

 

任意後見人制度の利用

任意後見人制度とは国の制度の1つで、ご自身の判断能力に心配があり、財産管理や医療サービスに伴う各種の手続きを代行してくれる契約です。一般的な法定後見制度では、判断力がなくなってしまった後に、家庭裁判所によって青年後見人が選ばれます。

一方で、任意後見人制度を利用すれば、任意の人間を後見人として指定でき、判断能力がまだ健全なうちに決めることができます。ご自分の健康状態が健全な時に「おひとりさま終活」備えておくためには、任意後見人制度を利用することをおすすめします。

 

訪問サービスの利用

インターネットが普及した現代では、多様な訪問型のビジネスがあります。食べ物を食べたくなったのなら、わざわざスーパーへ買い出しに行く必要はありません。Uber Eats(ウーバーイーツ)や出前館などの宅配サービスを利用すればよいのです。

また、高齢社会を背景として、訪問介護や訪問医療なども社会で一般的になりつつあるので、診察やお薬のために病院に通院しなくても良くなっています。身体が弱くなり、外出するのが厳しい状況であれば、そういった訪問・宅配サービスなどを利用しながら「おひとりさま終活」をしていくのも一つの方法です。

 

コミュニティへの積極的な参加

「おひとりさま終活」の一番の問題点は、常に孤独になってしまうことです。家族や近しい友人が周りにいないと、認知症などの精神疾患を患ってしまう可能性があります。ですので、積極的に地域の集まりやサークルなどに参加して、他人との関わりを持つことが重要です。他人との関わりを持っていると、「もしも」のことがあった場合に、気づいてもらえる可能性があります。「孤独に過ごす時間が多い」と感じられている方は、積極的に他の人と交流してみることをおすすめします。

 

 

もしもの時に備えた行動

もしものことがあったときに、何も準備していないと残された遺族に迷惑をかけることになってしまいます。そういったことを避けるためにも、適切な行動をとる必要があります。

・死後事務委任契約を結ぶ

・緊急連絡先を伝えておく

以下、それぞれの点について解説していきます。もしものことがあった場合に備えた行動について知りたい方は、是非参考になさってください。

 

死後事務委任契約を結ぶ

死後事務委任契約とは、依頼者にもしものことがあった場合に、葬儀や遺産相続などを代行するという契約です。信頼できる友人や行政書士、司法書士などの法律の専門家と契約を結びます。この契約を結ぶことで、定期的に自分の状態を確認し、もしものことがあった場合にすぐに駆けつけてくれます。

 

緊急連絡先を伝えておく

もしものことがあった場合に備えて、自分の緊急連絡先を周りの人間に伝えておくのも重要です。真っ先に自分の異変に気づいてくれるのは、日常的に交流のある人たちです。緊急連絡先を事前に伝えておけば、親族や友人にすぐに連絡してもらうことができます。

 

 

「おひとりさま終活」向けのその他の事業

例えば、神奈川県横須賀市では、低所得の「おひとりさま終活」に向けて開始された「エンディング・プランサポート事業」があります。この事業では、低所得(月収18万円以下)、低資産(預貯金が250万円以下)、身を寄せる親族がいないという方に向けて、葬儀会社と生前契約(26万円)を結べるというものです。事業開始からわずか3か月ほどで40件ほどの相談が寄せられたといいます。

今後、このような事業やサービスが全国的に広まっていけば、終活を巡るトラブルも少なくなっていくのではないでしょうか。

 

 

まとめ

今回は、一般的な終活でやるべきことと、「おひとりさま終活」でやるべきことについて解説しました。まとめますと、終活においては他人の力に頼るしかありません。もし、友人や親族がまわりにいるなら事前にご自身の意思を伝え、遺書を残しておくべきでしょう。周りに頼れる方がいないようなら、業者に依頼するようにしましょう。

また、生前に任意後見人制度を利用したり、死後事務委任契約を結んだりすることも重要です。もしもの場合に備えて、今のうちから行動しましょう。

おしるこ」には、おひとりさまの方々の良き理解者がいるかもしれません。これを機会に、「おしるこ」の利用を、ぜひご検討くださいませ。

 

【出典】

・平成29年版厚生労働白書 50歳時の未婚割合の推移

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/17/backdata/02-01-01-02.html

・ACP人生会議

https://www.med.kobe-u.ac.jp/jinsei/about/index.html

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