最近では多くの家庭が飼ってるペット。しかし高齢者の家では、なかなか飼うことができないのが現状です。ペットを飼うと世話が必要になります。また、ペットも病気やワクチンなど最初の費用以外にも様々なところでお金がかかり、あまり現実的ではないのです。
一方で動物との触れ合いが高齢者へ与える良い効果が注目され、アニマルセラピーが話題になっています。いくら高齢者がペットと触れ合うことに良い効果があると言っても、高齢者がペットを飼うということは現実的ではありません。では、どうしたら高齢者がペットと触れ合える機会を作れるのでしょうか。
高齢者がアニマルセラピーを受けることや、ペットを飼うことについて少し考えてみましょう。
アニマルセラピーを老人ホームに導入することは難しい
アニマルセラピーとは、動物と触れ合うことで人の心に癒しを与えるものです。
最近では、アニマルセラピーを導入している老人ホームも増えています。しかし、アニマルセラピーを老人ホームに導入することは容易ではありません。入居者のアレルギーの有無や動物に対する苦手意識などを把握、また入居者家族から理解を得る必要があります。そして、当日の入居者の健康状態によって、動物に触れ合うことができる状態なのかを判断する必要があるのです。
このようにアニマルセラピーを導入するまでには様々な壁が立ちはだかるのです。そのため、アニマルセラピーの効果が分かっていても導入は一筋縄ではいかないようです。
アニマルセラピーの効果
介護メディアであるLIFULL介護によると、アニマルセラピーは高齢者に、多くの良い効果を与えるそうです。動物と触れ合うことはそこまで珍しいことではないようにも感じますが、どのような効果があるのでしょうか?
参照:【専門家が回答】老人ホーム|アニマルセラピーの効果とは?(LIFULL介護)
情緒安定
動物と触れ合うことで気持ちがリラックスします。気持ちがリラックスすることで、身体もリラックスし、情緒安定につながります。情緒が安定することによって、感情表現が豊かになったり、物事に対して意欲的に取り組めるようになります。つまり動物と触れ合い、リラックスすることでたくさんの良いことが起こるのです。
リハビリの補助
アニマルセラピーはリハビリの補助にも効果があると言われています。高齢になるとついつい動くことが億劫になってしまいがちですが、目の前に動物が現れると自然と撫でたり、近づいたりしたくなります。この気持ちがリハビリの補助となるのです。
ただのリハビリの場合、意欲的に取り組むことは難しいかもしれません。しかし、犬と一緒にお散歩をするためであれば、無理なく楽しくリハビリをすることができます。このように普段はなかなか動かない手や足も、動物を撫でる・お散歩をするという目的があれば自然と動き、それがリハビリにつながるのです。
社会的効果
動物と触れ合うことで会話の話題が生まれ、コミュニケーションが自然と活発になります。また動物と一緒にいることによって、動物に頼られている感覚を覚え、責任感も生まれます。誰かに頼られると人間は自然と意欲が湧くものです。動物と触れ合うことについて少し考えてみると、たくさんの効果があるということが分かってきます。
高齢者が自宅でペットを飼うことは難しい
高齢者が動物と触れ合うことで得られる効果がよく分かったと思います。しかし自宅でペットを飼うということは簡単ではありません。
私も室内で小型犬を飼っていますが、やることは多いです。どんなに手がかからない犬であったとしても、お散歩に餌やり、トイレの交換、毎年のワクチンと薬など、とにかくやることがたくさんあります。健康で身体が自由に動くうちは良いかもしれませんが、だんだんと自分のことで精一杯になってしまった時にペットはかなりの負担となってしまうでしょう。
仮に犬であった場合、飼い始める前に自分の寿命と犬の寿命についても考えなくてはなりません。犬種にもよりますが、ほとんどの犬は10年以上生きます。長い子であれば、20年弱生きる場合もあります。「その間あなたは責任を持って面倒を見ることができますか?」この質問を高齢者にした場合、おそらく答えは「いいえ」でしょう。それほど高齢になってからペットを飼うということはハードルが高いのです。
子どもや孫にペットと一緒に来てもらう
近年、多くの核家族はペットを飼っています。そのペットとアニマルセラピーに近いことをするのはどうでしょうか?子どもや孫があなたの家を訪問する際に、時々ペットも一緒に連れて来てもらうです。その時にペットにお菓子をあげたり、少し散歩に行ったりするなど動物との触れ合いの時間を作ってみましょう。
子どもや孫の家が遠方の場合は少し難しいかもしれませんが、近くに住んでいる場合は割と気軽にできることなのではないでしょうか?私も自宅で犬を飼っており、祖父母宅を訪れる際は、時々犬も連れて行きます。犬を連れて行くことで自然と会話の話題となり、コミュニケーションが活発になります。また、我が家の愛犬は小型犬のなので、膝の上に抱っこをして、撫でることで手のリハビリにもつながっていると感じています。高齢者は自分たちでペットを飼うことは難しいかもしれませんが、周りの行動でペットと触れ合う機会を作ることはできます。
ペットと触れ合える機会作りから始めよう
高齢者にとってもアニマルセラピーは、たくさんの効果があるとされています。しかし、老人ホームでの導入や、高齢者がペットを飼うということはハードルが高く、難しいのが現状です。しかし、周りが手助けをすることで高齢者は動物を触れ合う機会を得ることができます。
自宅のペットはセラピードッグではないため、アニマルセラピーと同様の効果が得られるわけではありませんが、動物との触れ合いは貴重な時間です。もし家族にペットを飼っている人がいたら、「ペットも一緒に連れておいで」と声を掛けてみませんか?また新たな楽しみができるかもしれません。
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