片付けができない高齢者!?買うよりも捨てる方が大変
最近、千葉の房総半島にある親戚のお家に遊びに行きました。
畑や田んぼが広がり、のどかで人通りも少ないところです。かなり高齢化も進んでいて、お隣さんは空き家に変わっていました。
鍵もかけず、インターホンは使わずに玄関の扉を開けて挨拶するような、セキュリティゆるゆるな地域です。
せっかくなので、近所周りを散歩してみました。
家の窓から、部屋の様子が丸見えのお宅も多くありました。そんな家々の様子を眺めていて、ふと気になったことがありました。
まず、家の中に物が溢れている!
捨てられずに放置されているゴミと思われるものが多い!
高齢者だけで生活している家庭が多い地域で、こんなに物は必要なのでしょうか。
捨てられずにそのままになっているものがほとんどなのではないか、と考え高齢者とゴミ問題の関係について調べてみました。
ゴミ屋敷と認知症には関係があった!
高齢化が進む今、65歳以上の7人に1人が発症するともいわれている「認知症」。ゴミ屋敷化してしまう原因として、高齢者の認知症が要因となっているケースが増えています。
ゴミ屋敷と認知症にまつわるアンケートによると、清掃業者や介護サービス従事者の方の半数以上が認知症の方の家は片付いていない、と思っていることが分かりました。
ゴミ屋敷化にはどんな危険が潜んでる!?
ゴミが捨てられずに溜まってしまうと、どんな危険が生まれるのでしょうか?
掃除せずに放置した汚れやゴミが腐敗すると、雑菌や害虫が発生してしまいます。害虫だけでなく、ネズミが住み着く原因にも繋がります。
こうした悪環境だと、細菌やアレルギーを発症しやすく衛生的にも体にもよくありません。悪臭は隣近所にも迷惑になりますので、ご近所トラブルに繋がってしまいます。
また、電化製品のコンセント付近にホコリが溜まると、引火してしまい火災が起こる危険性も高くなります。
ゴミ屋敷での生活には上記のような危険がたくさん潜んでいるのです。
ゴミが捨てられない理由とは?
認知症の高齢者だけではなく、高齢者が片付けすることができない・ゴミを捨てられない理由には何があるのでしょうか。
「もったいない」精神
戦争中や戦後の時代を生きてきた高齢者の方の中には、物が少なかった生活の経験から物を捨てることに罪悪感を感じる人がいます。
物を捨ててはいけない、もったいないという価値観や、物への執着心から捨てずに溜め込んでしまう傾向があります。
分別が出来ない
ゴミか必要なものなのかの区別ができない高齢者もいます。
特に認知症を発症した高齢者の場合、認知機能が低下してしまいゴミがゴミであるという判断が難しくなっている可能性があります。
ゴミの中には大型で、解体が必要なものや分別が複雑なものもあります。こういった手間のかかるゴミは捨てられずに放置されてしまうことが多いです。
セルフネグレクトとためこみ症
認知症とは別に、自己放任「セルフネグレクト」という精神疾患が原因でゴミ屋敷化してしまうこともあります。セルフネグレクトに陥ると自分自身に関心がなくなり、生活への気力や能力が極端に衰えてしまいます。
食事やトイレなどといった生活において当然行うべき行為ですら、まともにできなくなってしまうケースもあります。
そんな状態では、片付けやゴミ捨ては大変困難です。
また、ためこみ症というものも存在します。
ためこみ症とは、物が捨てられない、物を必要以上に購入してしまう、物を集めすぎてしまうという行動障害で、認知症や精神疾患とはまた別です。
参考:親の家がゴミ屋敷に!? 高齢者の“セルフネグレクト(生活衰退)”との向き合い方|週間女性PRIME
シニア世代へ断捨離のすすめ
とはいえ、年齢とともに物は増えていきますよね。
家中に物が溢れていると、それだけで掃除が一苦労です。ましてや年齢とともに体力が落ちていくので、気がついたら手遅れな状態になるのは避けたいです。
自分が元気なうちに、要るものと捨てるものをきっちり分けて処分しておくことで後々の自分が楽になります。
「断捨離」という言葉も最近では浸透しており、実践している方も多いのではないでしょうか。
若い人だけではなく、シニア世代にも断捨離は必要です。
もったいないという物への執着を捨て、掃除やお手入れしやすくすることで老後生活をより充実させることができます。
片付けは体力も使うし、大変な作業です。
自分の老後を楽にするだけでなく、万一自分に何かあった時に遺品整理や引っ越し作業で家族にかける負担を軽くすることができます。
物を減らす工夫とコツ
物を捨てる、処分することにどうしても罪悪感があるのであれば、リサイクルショップや家族に譲るのがおすすめです。
最近ではフリマアプリもありますし、ちょっとしたおこづかい稼ぎになります。
操作が難しいようであれば家族に相談して、出品のお手伝いをしてもらうのもいいですね。家族のコミュニケーションの新しい話題に繋がるかもしれません。
溜まりがちな写真や資料は、デジタル化して保存することもできます。
物の保存方法から変えてみることも物を減らす時に必要な考え方です。
捨てる労力も考えて買うか決めてみる!
自分も引っ越しで荷造りをする時、物の多さに愕然としました。
物は買うよりも捨てる方がはるかに労力が必要です。
ものを買うときは、本当に必要なものなのか、永く使えるかを考えた方が良いという話はよく聞きますが、ここに一つ加えたいと思います。
「物を買うときは手放す時の労力も考えてみる!」
身の回りをすっきりとして、身軽に毎日を楽しく過ごしていきたいですね。