コロナ禍で増えたシニア世代のEC利用
コロナウイルスによって、私たちの生活は大きく変化しました。シニア世代の生活様式の変化も例外ではありません。本記事ではコロナ禍での高齢者のショッピングに焦点をあて、どのように変化したのかについて考えていきます。
コロナ禍でシニア世代のEC利用が増加しましたが、より普及させるためにはどのような弊害があるのかなどについても合わせて考えていきたいと思います。
目次
3.シニア世代が自分で購入していなくて周りの人に購入してもらっていることが考えられる
4.シニア世代のEC利用はきっかけづくりがポイントとなってきそう
1.シニア世代のEC利用の現状
シニア世代のEC利用はあまりイメージがありませんでしたが、コロナウイルスによって変化したものの1つです。まずはコロナ前と後のデータを比較しながら、現状を把握しましょう。
参照:【シニアDX調査】EC利用から癒しの手段まで、オンライン行動がコロナ禍の1年で多様化 2021年と2020年を比較(ECのミカタ)
コロナによってシニア世代のEC利用が増加している
シニア世代のEC利用は、コロナウイルスによる生活様式の変化で増加しています。SNSコミュニティサイト「趣味人倶楽部」の会員(60~94歳)を対象にした調査で買い物頻度の変化についての質問した結果から解説します。

引用:博報堂シニアビジネスフォース×趣味人倶楽部シニアコミュニティラボ
2021年「アクティブシニア」調査 ①オンライン行動編
「コロナ前に比べネットショッピングでの買い物が増えた」と回答した人が、2020年は9.6%だったのに対し、2021年は30.5%となりました。シニア世代のEC利用はこの1年で約3倍にもなり、買い物のスタイルが大きく変化したことがわかります。
オンライン購入で多かったものは、「衛生用品(マスクなど)」「趣味関連商品」「食品」でした。食品の購入が2020年では9.9%、2021年では15.2%に増えていることから、シニア世代はなるべく人との接触を減らしながら生活しようとしていることが予測できます。
シニア世代のオンライン活用の多様化がEC利用につながっていると考えられる
コロナ禍で自宅にいることが多くなったシニア世代はオンライン活動が多様化しています。シニア世代のコロナウイルス流行後のオンライン活動についての質問では、「動画投稿サイトの視聴」「ネットショッピング」「web会議」が、2020年と比較して2021年は増加傾向にあったと回答しています。2020年時点では、「ネットニュースを読む」と回答していた人が約60%だったのに対し、2021年は約50%になっていることから、オンライン活動の多様化が読み取れます。
「ネットニュースを読む」と答えたシニアは減少していますが、他のオンライン活動が活発化したことから、動画の視聴でネットニュースに触れているのではないかということも考えられます。
コロナ禍での生活の変化は、シニア世代のオンライン活動にも変化を及ぼしていることがよくわかります。
2.EC利用の壁”クレジットカード”
EC利用の際にどうしても必要になってくるのが、クレジットカードです。代引きやコンビニ決済などもできますが、やはり使い勝手がよいのはクレジットカードです。
そこでシニア世代のクレジットカード事情について調べてみました。
参照:70代女性の5人に1人は依然100%現金払い(株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント)
クレジットカードの所有率
クレジットカードの所有率は男女ともに18歳~24歳は低く、25歳〜69歳はどの世代も85%〜90%がクレジットカードを所有しています。しかし、70歳〜79歳になると男女ともに所有率は約80%程度と低下します。
約80%というのはクレジットカードの所有率となっているため、実際の使用率はもう少し低いことが想定されます。また、クレジットカードを使用しているシニア世代でも日常的にクレジットカードを使用しているとは考えにくく、EC利用時やどうしてもクレジットカードが必要な時にだけ、クレジットカードを使っているのではないかと考えられます。
立ちはだかる現金派の意見
クレジットカードを持っていても、現金派の人は多くいます。現金払いの割合は、100%現金払いが全体で8.8%という結果になっています。70代の女性だけをみると100%現金払いと回答した人は20%にもなり、5人に1人が現金のみで支払いを行っているということです。
スーパーへの買い物や日用品の購入は多くの場合、女性が行っていることからもシニア世代でのクレジットカードへのハードルは高いことがわかります。
またクレジットカード決済以外にも最近では、電子マネーでの支払いが主流となってきていますが、シニア世代の利用はかなり低くなっています。
おそらく昔から使っている現金が使いやすく、安心感があるからこそ、現金派が多いと考えられます。
3.シニア世代が自分で購入していなくて周りの人に購入してもらっていることが考えられる
実際にシニア世代のEC利用に目を向けてみると、興味を持ったものを自分で直接購入するというよりは、同居の家族にお願いして代理で購入してもらっている人も多いように感じます。実際に私の周りのシニア世代も、自分でECを利用するのではなく、家族に頼んで代理で購入してもらう人が多いです。
スマホは持っているけど、自分でEC利用をするのは少し難しい方や抵抗感も持っている人が多いようです。また、買いたいけどクレジットカードがないといった問題も発生していると予測できます。そのため、間接的なEC利用がシニア世代の間で増加していると考えられます。
可視化できるデータではないかもしれませんが、高齢者が利用するサイトでの広告出稿やPR活動は間接的に売上に貢献しているかもしれないということです。間接的な売上の部分に注目してみることで、さらにシニア世代のEC利用を促進できるかもしれません。
4.シニア世代のEC利用はきっかけづくりがポイントとなってきそう
コロナ禍という生活様式の変化によって、シニア世代のEC利用は増加しました。しかし、自分でインターネットで物を購入することへ抵抗や不安を感じている人は一定数いると考えられます。
そのため、同居家族が頼まれて代理で購入するシニア世代の間接的な売上貢献も大きいことが想定できます。シニア世代の間でもスマホが普及してきている今だからこそ、可視化できるデータを見るだけではなく、間接的効果にも目を向けることで、今まで以上にシニア世代のEC利用を促進させることができるかもしれません。
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