家事は女性の仕事?男性の高齢者が家事を全然してない問題について
先日ふとテレビを見ていたときに気になった話題がありました。
最近よく耳にするようになったSDGsの特集です。中でもSDGsの掲げる目標の内の1つである、「ジェンダー平等」に関する内容が頭に残りました。
まだまだ改善点の多い、日本のジェンダー平等ですが身近な例として挙げられていた問題がとても興味深かったです。男女格差や思い込みがあるかを見つける例題が出されていました。
家事育児に悩んでいる共働きの夫婦がいます。職業は保育士と運送ドライバーの2人ですが、子どもの保育園の送り迎えをどうしたら効率良くできるか悩んでいます。あなたならどんなアドバイスをしますか?
といった内容の例題が出されました。
実はこの問題は、解決策に正解があるわけではありません。
この問題を解決するために、皆さんは勝手に「保育士=お母さん、運送ドライバー=お父さん」だと思い込んで解決策を考えていませんでしたか?例題では、一度も保育士がお母さんだとは伝えていません。ですが、私たちは勝手なイメージで職業を決めつけてしまいます。
この例題は、男女の職業をイメージや思い込みで決めつけているかどうかを判断できる引っかけ問題でした。
このように、職業のイメージや「男は仕事、女は家庭」といった思い込みは日常の中に溢れています。高齢者の中には、まだこの「男は仕事、女は家庭」が根強く残っているのではないでしょうか?
今回は中でも夫婦の悩みや不満に多い、家事にフォーカスして調べてみました。
SDGsでも掲げられている「ジェンダー平等」
最近ニュースでも耳にすることが増えたSDGsですが、皆さんはどのようなものか知っていますか?
簡単に説明すると、国連に加盟している193か国が決めた国際的な目標で、2030年までに先進国と発展途上国が一団となって達成すべき17の目標があります。
「誰ひとり取り残さない」ことを目指しており、目標の中には「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」といった生活や健康にまつわるものから、「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」という環境問題に関するものもあります。
引用:SDGsってなに?~世界が目指す持続可か能のうな開発目標~|EduTown SDGs
この17の目標には、「ジェンダー平等」が含まれています。
日本のジェンダー平等はどんな状況?
世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が2021年3月、男女の社会的・文化的な格差を比べた2021年「ジェンダーギャップ指数」を見てみると、日本はなんと194か国中120位でした。
この順位は過去2番目に最低な順位となり、いかに日本の男女格差に問題が残っているかが分かる結果となりました。グラフにある通り、日本は教育・健康の分野では男女に差はありませんが、経済・政治分野では大幅な差がある状況です。
政治家や企業の幹部の男女割合は、世界平均に比べて圧倒的に女性が少ないのが現状です。
引用:男女共同参画の総合情報誌「共同参画」|内閣男女共同参画局
身近に広がる「男だから○○、女だから○○」
世界的にみても、ジェンダー格差に問題の多い日本。
私たちの身近にも「男だから○○、女だから○○」がたくさんあります。先のニュースで見たように、職業や家事は身近な例かと思います。
女性の就業状況は、子どもを産む前は70%であるのに対して、出産後に仕事を続けている割合は30%に減少します。出産後は仕事に就くことが難しい女性が多くいることになります。
女性が働きながら子育てをするために、子どもを預ける保育園の数が足りていないという問題も関係しています。
世界のジェンダー平等のための動き
世界でもこのジェンダー平等のため、あらゆる対策やアイデアを出しています。
アメリカのニューヨーク州では、今後建設される建物や施設には、男性トイレに最低1台のおむつ台の設置を義務付ける法律がつくられました。赤ちゃんのおむつ換え台が女性トイレにしかないことで生まれる、「育児は女性がするものだ」という役割意識を払拭するための素敵なアイデアです。
性別によって家事や子育ての役割分担を決めつけないようなアイデアを施設やまちづくりに生かす方法は、日本でも取り入れていきたいですね。
参考:ニューヨーク、男性トイレにおむつ交換台の設置を義務化。育児負担の軽減に挑戦|IDEAS FOR GOOD
日本家庭の家事分担の実態とは!?
夫婦間でもよく問題に挙がる家事の分担について、日本男女の家事、役割分担について調べました。
女性が家事に要する時間は男性の2倍以上!
家庭の家事について、共働きの夫婦であっても奥さんは家事・育児・介護に4時間以上も時間をかけていることが分かりました。一方旦那さんは、わずか30分程度しか家事や育児に関わっていないのが現状です。
参考:日本企業におけるジェンダーバイアスの現状と施策|男女共同参画局
「男は仕事、女は家庭」といった価値観が根強く残っているのが原因にあります。今や共働きも一般的になり、専業主婦の割合も減ってきてはいますが、いまだに家事や育児の役割は女性の方が多いです。
男性高齢者の家事分担の状況
まだまだ女性が社会進出するのは少なかった、30年前。このころにようやく男女雇用機会均等法ができました。
このころ働き盛りだった今の男性の高齢者は、現在どうしているのでしょうか。
仕事も辞め、家にいる男性も増えた年代だと思いますが家事はしているのでしょうか?
ちなみに、一緒に暮らしている私の祖父母は当時では珍しい共働きで、祖母も祖父と同じくらい稼いでいましたが、祖父は全く料理ができません。できないというより、台所には立たないといった感じです。
かろうじて家の掃除や洗濯は手伝っていますが、負担は祖母の方が大きいです。
私の家に限った話ではなく、男性の高齢者のほとんどが家事を奥さんに頼っているのが現状です。やはりこの割合は他国と比べても顕著です。
「男は仕事、女は家庭」の”仕事”がなくなってしまった時、仕事に変わる役割を見つけられずにいる男性の高齢者が多いのが現状です。
参考:高齢男性で家事をやっている人は、何%? |ITmedia ビジネスオンライン
まだ女性は家庭だなんて思っていませんか?
仕事の仕方も価値観も変化している今、まだ家事や育児は女性の仕事だなんて思っていませんか?
仕事を辞めたあと、家で何もかも奥さんに任せていませんか?
ジェンダー平等には、旦那さんも奥さんもすべてにおいて協力することが大切です。どちらかに負担が大きくならないように役割分担できることが大切です。