子育ての方針が食い違う?世代間ギャップを埋めるために
最近は不景気の影響もあり、共働きの家庭も増えました。昭和の「男は外で仕事、女は家で家事」そんなスタイルの家庭はだんだん減ってきています。家事や育児に参加する男性も珍しくなくなりました。
けれど、高齢者の方の中には、そういった社会の変化についていけてない方もちらほら……。
特に子育てにおいては、意見が食い違ってシニア世代と子育て世代で揉めてしまう、なんて話も。子育て経験があるシニア世代は、本来味方にもなりうる存在のはず。なぜこんなに意見が食い違ってしまうのでしょう?
目次
子育ての常識が変化した!?
実は、医学の進歩や生活の変化、育児環境の変化で、昔の子育ての常識の多くが覆されているんです。シニア世代の考える常識と、子育て世代の常識はそもそも全然違うものなのですね。
では、どのくらい常識が変化しているかを見てみましょう。
抱っこ
昔は、「抱き癖がつくから、赤ちゃんが泣いていてもあまり抱かないように」という考えがありました。現在では、親との愛着関係が、その後の成長の土台として大切なことであるとの認識。たくさん抱いて愛着関係を育てることが推奨されています。
断乳から卒乳へ
昔は、虫歯の心配もあり「1歳までに断乳をしましょう」と言われていました。ですが、今は「無理せずお子さんのペースで卒乳しましょう」と言われています。大体1〜2歳で卒乳する子が多いですが、気持ちの安定を求めて、3歳くらいまでおっぱいを飲んでいる子もときどきいます。
おむつ
昔は、「おむつは早めに取れるのが良い」と言われていました。紙おむつより布おむつの方が、濡れた感覚がわかるから早く取れるという意見もあったようです。
紙おむつか布おむつか、これは親の方針もありますし、保育園で布おむつを指定してくる園も稀にありますが、現在は紙おむつの方が普及していますね。
医学的観点でいうと、膀胱が発達するのは2歳前後です。個人差がありますが、2〜3歳が無理なくおむつを外せるようになるタイミングといわれています。
寝かせ方
うつ伏せ寝が推奨されていた昔。現在は正反対で、うつ伏せ寝はNGとされています。乳幼児突然死症候群のリスクが高まるという研究結果があるためです。窒息死を防ぐためにも仰向け寝が推奨されています。
離乳食
昔は、生後3〜4カ月ごろから果汁を与えるようにと言われていました。白湯を与えるのも一般的でした。ですが、現在は母乳で十分だというのが定説です。スプーンや食器類の共有も、虫歯の原因になるのでやめた方がよいそうです。
母乳・ミルク
粉ミルクが普及し始めた頃には、「ミルクの方が栄養がある」と言われていて、完全に粉ミルクで育てる方もいました。近年は逆に完全に母乳で育てる方、母乳とミルクを使い分ける方が多いです。母乳には免疫物質が含まれていること、乳幼児突然死症候群のリスクが減少することから母乳育児が見直されています。※もちろんさまざまな理由から完全にミルクで育てる方もいます。
日光浴
日光浴が推奨されていた昔。現在は紫外線対策をするようになりました。赤ちゃん用の日焼け止めも販売されているくらいです。
いくつかピックアップしただけでも、昔と今で常識が変わっていることがわかります。中には、180度覆された常識も。これでは、シニア世代は驚きの連続ですよね……。
ちなみに、食物アレルギーに対して、シニア世代で「甘え」「少しずつ食べていれば耐性がつく」という考えの人がときどきいます。命の危険があるので、食べさせてはいけないという知識不足も気になります。
参考:【教育研究家に聞く】「孫育て」にも必須! 育児の常識、昔と今の12の違い(東京ガスウチコト)
さらに、今はわからないことがあっても、情報をインターネットや本で簡単に手に入れられる時代。気になることがあると、誰かに相談する前に自分で検索する方が多いはず。
住んでいる地域にもよりますが、核家族化が進んだ現代では、困ったとき、近くで相談できる相手は保育士さんや保健師さんなど。
結果、子育てについて子育て世代がシニア世代に相談する機会はますます減り、お互いの意見のすり合わせがなかなかできないんです。
子育ての方針をすり合わせていくために
シニア世代は自分の経験をもとにアドバイスをしているんだと思います。ですが、子育て世代からしてみたら、現代の子育ての常識からずれたアドバイスは、ストレスに感じることもあるかもしれません。
また、お菓子をあげるかどうか、おもちゃを買ってあげるかどうかなど、小さなことでもすれ違いが出てくるかもしれませんね。
ただ、シニア世代も悪意を持っているわけではないですよね……。シニア世代としては、娘・息子に協力してあげたいし、孫がかわいいからつい口を出してしまう、といったところだと思います。円滑な関係を築いて協力体制を作るためにも、子育ての方針は共有しておく必要があります。
ではどうやって考えをすり合わせていくのがよいのでしょうか。
お互いの意見を受け入れる
まずは、お互いの意見を受け入れてみましょう。つい自分の意見を正しいと思い込んで、反論しそうになってしまいますが、一旦飲み込んでそれぞれの意見に耳を傾けてみてください。子育ては正解があるわけではないので、「こんな考え方もあるんだ」と一度受け入れた上で自分の意見も伝えてみましょう。こういったやり取りをしていくうちに、価値観の違いがむしろ面白く感じられるかもしれませんよ。
他の人の意見を参考にする
それでも、納得のいかないときは医師や専門家の意見も仰いでみましょう。子育てについての考え方は日々変わっています。シニア世代にとって、今までの常識を書き換えていくのは抵抗があるかもしれません。ですが、研究に基づいた医師や専門家の意見は、現代の子育てを知る上で重要な指標になると思います。
子どもにとって何が1番良いのか考える
子どもも1人1人個性があります。大人たちの思いを押し付けるのはNG。子どもの個性や思いを見極めた上で、子どもにとって何が1番良いのか考えていく必要があるのではないでしょうか。「子どもにとって良いこと」という視点を忘れないようにしたいものです。
例えば、進学先。シニア世代は「大学なんていかなくていい」という一方で、子育て世代は「大学に行かせたい」と考えているとします。大人たちはさまざまな議論をかわすかもしれません。ですが、子どもの意思が1番大事ですよね。成長してからは特に、子どもの意思を尊重するという姿勢も必要だと思います。
参考:祖父母の口出しがストレス! 6割が悩む「親と祖父母の育児価値観」の実態【パパママの本音調査】 Vol.334(ウーマンエキサイト)
思いや考えを発言し合える環境を
世代間ギャップで悩む子育て世代も多いはず。ですが、思いや考えをすり合わせていけば余計なストレスを感じなくて済みますし、子どもにとってもより良い環境を作ることができます。祖父母だからこそ教えられることもあると思います。
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