どうせ使いこなせない!?高齢者こそスマホやインターネットを活用するべき
私は普段、インテリアショップの電話窓口で仕事をしています。商品の不具合から営業時間など一般のお客さんからの意見や質問に答えています。
年齢層も幅広く、日々いろいろな方と電話で話をしています。
先日高齢者のお客さんからの入電があり、とても印象に残っている出来事があります。電話の内容は、お店の営業時間の確認でした。コロナの影響もるのでお店は営業しているのか、また営業時間は変わっているのか、という内容でした。
その日は休日ということもあり、待ち時間も長くなってしまっていた日でした。お電話の高齢者の方は、営業時間の確認だけでなぜ数十分も待たなくてはいけないのか、とクレームの言葉もありました。
営業時間については、お店のHPに案内があるのでHPのご案内もしましたが、「インターネットはあるけどあまり使っていない。一回検索したけど、営業時間は書いてなかった」と言われてしまいました。しっかりとインターネットを活用できていれば、わざわざ電話を待たなくても解決できたはずです。
HPにいくら記載していたとしても、見つけられなければ意味がない。
高齢者の方の中には、インターネットを上手く活用できていない人がいること、また高齢者やインターネットの苦手な人でも分かりやすいHPづくりができていないことが分かった出来事でした。
身の回りで起こっている、このデジタル格差。日々進化しているデジタル技術に取り残されやすい高齢者の問題について考えてみました。
高齢者にデジタル・ディバイド(情報格差)が広がるのはなぜ?
高齢者や低所得世帯に広がっているという、デジタル・ディバイド(情報格差)について調べてみました。
デジタル・ディバイド(情報格差)って何?
デジタル・ディバイド(情報格差)とは、インターネットや通信技術を使える人と使えない人との間に生まれる差のことです。
この差は、年齢・所得・住む場所の違いで発生するといわれており、個人間だけでなく先進国と途上国、教育の違いでも生まれます。
他国と日本の高齢者デジタル・ディバイドの現状
デジタル技術はもちろん、時代の先端に常にいるイメージのあるアメリカのインターネット事情について調べました。
アメリカでさえ、65歳以上の高齢者の1/3がインターネットを使った経験がないのです。半数は自宅にインターネット接続のための設備がないともいわれています。
参考:高齢者をデジタル世界から置き去りにしてはいけない|TC HUB
日本の年代別のインターネットの利用状況も65歳以上から減少しています。
引用:国内的なデジタル・ディバイドの現状|総務省
総務相でも高齢者・障害者向けの新しいサービスの研究開発に対する補助金「デジタル・ディバイド解消に向けた技術等研究開発」の事業公募を行うなど、格差を減らすための対策を始めています。
知らないだけで損してる!まずは学ぶ意欲が必要
インターネットの普及率は低いようですが、高齢者のスマホの所持率は高いという報告があります。
私が一緒に暮らしている、祖父母もシニア向けのスマホを所持していますが、ほぼ使用していません。使用していないというよりかは、活用できていない、といった方が正しいです。家族への急な連絡のための携帯電話の役割しかしておらず、機能も何があるのか把握できていないようです。
本人たちも使いこなす気はなかったのですが、毎日通っているフィットネスジムの入館証明にスマホでの会員証の提示が必要になったとのことで、スマホを少しずつ使い始めました。
デジタル技術の活用は、ちゃんとした知識がないと個人情報の漏洩や悪質なサイトや業者に狙われる危険があります。しっかりとした周りのサポートが必要です。
ですが、いくら周りが使い方を教えたとしても本人に学びたいという意欲や興味がなければ、意味がないと思います。
私の祖父母のように、高齢者の口から「スマホやインターネットは難しくてよく分からない」とう言葉をよく聞きます。まずはこのハードルを下げることと、本人たちも使いこなしたくなるようなサービスや環境づくりが大切なように感じます。
スマホやインターネットでより便利で快適な生活を送るために
高齢者こそ、スマホやインターネットを活用するべきです。今より社会との繋がりを感じたり快適な毎日が送れたりするはずです。スマホやインターネットが活用できたら、より毎日が楽しくなりそうなアイデアを紹介します。
待ち時間や空き時間を楽しい娯楽の時間に!
高齢者の中には、仕事も辞め比較的時間にゆとりをもって生活している人が多いと思います。趣味や習い事で忙しくしている人ももちろんいますが、このご時世でなかなか外出ができず、家で過ごしている人が大半ではないでしょうか。
日常の空き時間をどのように過ごしていますか?
今までは何となくテレビを見ていた時間も、インターネットやスマホを活用すれば動画の配信アプリや提供サービスを使って好きな時間に好きな作品を見ることができるようになります。
ただダラっと過ごしていた時間も楽しい娯楽の時間に変えることができます。
社会と繋がりをつくることができる
新しいことができるようになると、何歳になっても嬉しいですよね。
スマホやインターネットがあれば、知りたいことは大概調べることができます。正しい情報の見極めが大切ですが、得られる情報は無限大です。
さまざまなニュースやブログ、メールやコミュニケーションツールを使えば、昔のように出歩くことが困難になった人でも、社会やコミュニティと繋がることができます。
家族から離れて暮らす高齢者や閉鎖的な環境にいる高齢者にとって、友人や家族と繋がることができる場があることは、精神的にも大きな影響を与えます。
デジタルは難しいという偏見をなくそう!
高齢者が使いやすいツールやアプリを開発するのはもちろん大切ですが、高齢者も自ら学びたい、活用したい!という気持ちが何より重要です。
スマホやインターネットは難しくてどうせ使いこなせない、そんな偏見を持っている高齢者は多いと思います。高齢者こそスマホやインターネットで楽しく過ごすべきではないでしょうか。