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「高齢者がロボットで癒される生活」を一般化するために
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「高齢者がロボットで癒される生活」を一般化するために

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高齢者でも、ペットを飼いたい、飼い続けたい人が多くいらっしゃいます。

参考文献:『「60歳以上でもペットを飼い続けたい人」が9割!新しく犬を迎えられる最後の年齢は?【動物看護師が解説】』(イヌトミィ)

しかし、上記の記事でもあるように、高齢者が犬などの比較的寿命の長い動物を飼い始める最後の年齢は、50歳前後です。50歳を超えると、飼い主の高齢化に伴う病気や入院で、飼育放棄をせざるを得ない状況になりかねません。

ペットは毎日の世話や体調不良、予防接種などで病院へ連れて行くなどの手間がとてもかかります。

そこで、手間がかからず、高齢者に何かあっても、ペットの命に問題が起こらない介護用ロボットは、ペットの代わりになるとても便利な存在です。

ペットではなく、介護用ロボットと共に暮らすライフスタイルのご提案をし、介護用ロボット産業を、現在のペット産業と同じくらい盛り上げてみてはいかがでしょうか。

介護用ロボットを普及させる壁

介護用ロボットは、見た目もとても可愛く、介護施設でも導入され高齢者の癒しに役立っています。一般家庭用のロボットは、値段も高額ではないため、高齢者へのプレゼントの定番商品となっていてもおかしくないでしょう。

しかし、高齢者へのプレゼントランキングでは、スイーツや健康グッズが人気で、介護用ロボットは、まずランクインされておりません。

それは一体なぜでしょうか。

ロボットのプレゼントが一般化しない理由1

おそらく、ロボットをプレゼントすることが、まだ一般的ではないからでしょう。ロボット(特にAI)への抵抗が多い人も、少なくないからではないでしょうか。

AIに、将来仕事を奪われるというニュースを聞けば、人間にとって面白くないと思うでしょう。

しかしネットやロボットなどの新しいテクノロジーが出てきても、あくまで人間がコントロールする側の立場なので、多くの人に受け入れられています。

人間よりロボットの方が優秀だというイメージがあれば、ロボットやAIへの抵抗を生むのは当然でしょう。

ロボットやAIは、あくまで人間がコントロールできるもの、といったイメージ戦略が必要ではないでしょうか。

ロボットのプレゼントが一般化しない理由2

同じように、「ロボットに癒される」イメージも抵抗があるかもしれません。

ロボットのように血の通っていない物体よりは、命あるものに癒されたい、温もりのあるものに触れたいという人の心理があると思われます。

介護用ロボットを一般化させるためのイメージ戦略

介護用ロボットを一般化させるためのイメージ戦略が必要です。
ロボットがあるライフスタイルを送ることで、高齢者の心身が向上するイメージを持ってもらうことです。

ポイントは、二つあると思います。

  • ロボットのいる生活は、ペットのいる暮らしと変わらないぐらい豊かで、かつ手間がかからないライフスタイルであること
  • ロボットはペットと変わらないぐらい、違和感のない存在であること

上記二つのイメージを持ってもらうことです。

では、どんなイメージ戦略がよいのでしょうか。

YouTubeなどの動画サイトで、ロボットのあるライフスタイル動画を流す

視覚情報は、人間に大きな影響を与えます。特に動画は、文章や写真よりも、イメージをそのまま伝えられます。

高齢者のYouTube利用率は高く、視聴ジャンルもペット・動物動画が2位となっています。

参考文献:『40代以上はペット・動物動画が好き?世代による視聴傾向をチェック!』(電通博)

ペット・動物動画を見ている高齢者向けに、ロボットのある暮らしのイメージ動画を訴求してみてはいかがでしょうか。

短いドラマ仕立てでもよいでしょう。

介護用ロボットは動物タイプだけでなく、人形タイプもあります。
人形は、女性だけでなく、男性でも好きな方は結構いらっしゃいます。(著者は、渋めのカフェで、人形を孫のように抱いてコーヒーを飲むおじいさんを幾度か見かけたことがあります)

人形タイプのロボットとの共同生活を、視聴者が肯定的に捉えられるよう、作成してみてはいかがでしょうか。

高齢の親を持つ世代には、ネット記事で訴求も

介護用ロボットが高齢者の手に渡るまでには、高齢者が「ロボットを欲しい」という気持ちになるだけでなく、誰かが「ロボットをあげたい」という気持ちになってもらうことも大事なポイントです。

40代以降の世代にも、介護用ロボットを高齢の親にプレゼントをしたくなるような広告・宣伝が必要でしょう。40代以降であれば、イメージ戦略を動画だけでなく、ネット記事で宣伝していくのもよいでしょう。

ロボットのある暮らしが、高齢者の心身に良い影響をもたらすものと論理的に説明できます。

ここで、大事なポイントは、

  • ロボットは、高齢者の孤独を癒すこと
  • 高齢者の愛したい(愛でたい)という欲求を、ロボットが叶えられること
  • ペットの飼育は、高齢者にとってもペットにとっても、飼育放棄などで悲しい結果を生み出しかねないこと。その心配がロボットにはないこと。

この3点を捉えていることが大事かと思われます。

また、ロボットが故障したときや、高齢者本人が気に入らなかった場合などに合わせて、修理や返品が可能であれば、より安心して購買につながるでしょう。

汚れたときのクリーニング方法など、高齢者やその家族でもメンテナンスができる情報を載せていると、「長く使える商品」として、商品価値がさらに上がるのではないでしょうか。

高齢者も愛したい。

高齢者も、愛したいという欲求があることも一般化させることも大事でしょう。

高齢者というと、どうしても「弱いもの=社会が守ってあげなくてはいけない存在」という面が強調されてしまいます。

しかし、高齢者も「可愛いものを愛でて癒されたい、可愛いものの世話をしたい、愛したい」という能動的欲求を持っているのです。

幸福ホルモンといわれるオキシトシンは精神的、身体的ストレスを緩和し、心身ともに良好な状態を保つ大事なホルモン。高齢者のアルツハイマーの改善にも有効なホルモンとされています。

参考文献:『オキシトシンがアルツハイマー型認知症に関連する神経活性の障害を改善』(東京理科大)

オキシトシンは、人間関係などの交流だけでなく、ペットやロボットとの交流でも分泌されるホルモンです。

高齢者の愛したい欲求を叶えてあげることも、ひとつの高齢者支援であり、親孝行にもなるイメージを社会が持つことも大事かと思われます。

ぜひ、介護用ロボットの普及をお考えの企業様は、ご検討してみてはいかがでしょうか。

(荒川あい子)

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