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アフターコロナ時代でシニアは本当に働きたいのか?
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アフターコロナ時代でシニアは本当に働きたいのか?

新型コロナウイルスの蔓延によって、人々の生活や働き方は大きく変化しました。リモートワークやオンラインミーティングなど、今まではあまり考えられなかった働き方を導入する企業も多くありました。この働き方の変化はシニア世代だけではなく、多くの世代に影響を与えました。

また高齢化が進む日本において、シニア世代が働ける環境づくりが進められています。しかし、本当にシニア世代は働きたいと思っているのでしょうか?今までは、定年を迎えたら静かに暮らすという生活のスタイルが主流でしたが、それも徐々に変化し始めています。

本記事ではシニア世代が働くための制度や、高齢になってからも働くことに対しての考えに注目していきます。

参照 アフタコロナ時代に向けたシニア世代の意識・行動と今後の就労拡大に向けた提言(NRI社会情報システム株式会社)

目次

  1. シニアが働きやすくなっている?
  2. 実際にシニアは70歳まで働きたいと考えているのか?
  3. 制度ができても実際に活用されるのは難しそう

シニアが働きやすくなっている?

高齢化が進む中で、シニア世代が働きやすい環境は整備されているのでしょうか?まずは、制度面や環境についてみていきます。

高年齢者雇用安定法(高齢法)の改正

令和3年4月に高年齢者雇用安定法(高齢法)の改正が行われ、企業に対する 「70歳までの就業機会確保」の努力義務化が適用されました。これによって、60代後半でも働きやすくなることが想定されています。

しかしこの改正は、定年を70歳まで引き上げることを義務付けるというものではありません。シニア世代の労働者の特性やニーズをふまえて、70歳まで就業機会を確保できるように努力しましょうというものです。そのため、強制力はなく、70歳まで働けるという選択肢を努力して作ろうという意味合いが強くなっています。

多くの企業が在宅勤務を導入

新型コロナウイルスの蔓延によって、多くの企業が在宅勤務を導入しました。企業によっては一時的な導入となっていますが、働き方の選択肢を広げるきっかけとなっています。

その一方で在宅勤務の増加はシニア世代の健康面に影響しています。特に「足腰が弱くなった」「体力が低下した」という回答が多く、外出機会の減少による影響は大きいことがわかります。

実際にシニアは70歳まで働きたいと考えているのか?

制度面や環境面ではシニア世代の雇用機会を生み出そうとしていますが、実際にシニア世代は70歳まで働きたいと思っているのでしょうか?ここからは、シニア世代の意見に目を向けていきたいと思います。

70歳雇用延長制度はプラスに評価されている

高年齢者雇用安定法(高齢法)の改正により、企業に対して「70歳までの就業機会確保」が努力義務化されたことに対して、全体の約60%がプラスに評価しています。また、2021年の結果は、2020年と比較してプラス評価をする人の割合が増加しています。

雇用機会が延長されるということに対しては、シニア世代は肯定的であることがわかります。一方で約15%の人がわからないと回答していることから、この法改正がどのように働き方に影響してくるのかが具体的にわからない人も一定数いるのではないかと想定されます。

60代前半までの人は70歳まで働きたいと考えていない

法改正によって企業に対して「70歳までの就業機会確保」が努力義務化されたことには、多くのシニア世代がプラスに評価していましたが、実際に70歳まで働きたいかと言われるとそうでもないようです。

60代前半までの人は70歳まで働きたいと考えていないのです。しかし、年を重ねるとともに何歳まで働きたいという年齢も上昇する傾向がみられました。65歳以上のシニアの結果を見てみると、70歳以上まで働きたいと考える人が多い結果となります。若いうちは長く働くことに不安感があっても、年齢とともに70歳まで働くということが現実的になってくるのかもしれません。

制度ができても実際に活用されるのは難しそう

制度や環境は整いつつあるようですが、実際にうまく活用されるまでには時間がかかりそうだと考えます。

そもそも70歳まで働けるのか?

70歳まで働きたい・働きたくないというシニア世代の意思とは別に、そもそも70歳まで働くことは現実的なのでしょうか?

多くの60代前半までの人が70歳まで働きたいとは考えていないという結果からもわかる通り、70歳まで働くことは体力的に難しいという場合も多くあると考えられます。特に働きたくても体力面の問題で働けないという場合も想定されます。

しかし、体力面が心配だからという理由だけで、就業を諦めるのではなく、体力面に不安があっても健康であれば、働けるような環境づくりができるのが理想であると考えます。

例えば、シニア世代へのリモートワークの導入や就業時間の柔軟性などです。体力面に不安があっても働くという選択肢がある世の中になれば、シニア世代もより働きやすくなるでしょう。また、企業側は多様な世代が働くことで、それぞれの個性を引き出し、相乗効果を生み出すことができるかもしれません。

育休や産休がしっかりと活用されることも難しかった

働き方の支援で代表的な育休や産休を見てみると、しっかりと活用されるまでには、かなりの時間を要しています。最近では、女性の育休・産休の取得は理解が進み、当たり前のものとなってきましたが、男性の取得はなかなか進んでいません。

いくら制度面が整っても周りの理解や支援がないと、それが活用されないことになってしまいます。近年、男性の育休取得促進が行われ、企業の代表や政治家が取得をするようになりました。それでもなお十分に活用されるまでには、長い道のりとなることが予想されます。

70歳雇用延長制度は休暇取得ではないものの、新しい制度です。過去の制度導入事例からも、この制度がしっかりと活用されるまでには多くの課題があり、長い道のりとなるのではないかと考えられます。

制度の確立だけではなく、今後どのように活用されるのかがポイントになりそう

令和3年4月に高年齢者雇用安定法(高齢法)が行われ、企業に対する 「70歳までの就業機会確保」の努力義務化が適用となり、シニア世代が働くための制度づくりが進んでいます。

しかしその一方で、周りの理解や企業がしっかりと活用するための社内制度づくりには、まだまだ多くの課題があることが想定されます。働きたいと思うシニア世代がスムーズに働けるような世の中となれば、多くの人がより豊かな人生を送れるようになると考えられます。

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