高齢者の夫婦関係について | シニアド

高齢者の夫婦関係について

定年後の夫婦関係について気になったことはありませんか?定年を迎え、夫婦で過ごす時間が長くなると、夫婦関係はどのような感じになるのでしょうか?長年一緒に生活してきていても、生活スタイルが変化すると自然と夫婦関係も変化してきそうです。

本記事では、高齢者の夫婦関係について深掘ります。あまり意識することのない高齢者の夫婦関係はどのようになっているのでしょうか?また、老後も良好な夫婦関係を築いている夫婦の特徴についてもご紹介します。

目次

  1. 高齢者の夫婦関係の現状とは?
  2. 夫婦間ではどのような不満が多いの?
  3. 高齢になっても良好な夫婦関係を築くためには?
  4. お互いを思いやることが良好な夫婦関係につながる

高齢者の夫婦関係の現状とは?

高齢者は自身の夫婦関係についてどのように考えているのでしょうか?まずは高齢者の夫婦関係の現状について解説します。

参照:シニア男女に聞いた「夫婦関係と生活に関する意識調査」(株式会社ハルメク)

約7割の高齢者が夫婦関係に満足している

株式会社ハルメクの調査(2020年)によると、高齢者の約7割が夫婦関係に満足していることがわかりました。残りは17.7%が「どちらともいえない」、11.5%が「満足していない」と回答しました。

男女別で見てみると、男性は76.0%、女性は65.7%が「満足している」と回答しています。女性よりも男性の方が夫婦関係に満足している場合が多いことがわかります。

2018年とデータと比較してみると、夫婦関係に「満足している」と回答した人は女性が3.1%減少、男性が15%増加と男女でギャップあります。2018年から2020年の2年間で、男性の夫婦関係への満足度は大幅に向上しています。

新型コロナウイルスの影響は夫婦関係にまで及んでいる

外出自粛によって、最近では自宅で過ごす時間が長くなりました。それによって、夫婦関係にも変化が見られました。コロナ騒動後の夫婦関係についての調査では、夫婦関係が「悪くなった」と回答した仲良し夫婦の割合は0.9%、一方、不仲夫婦は18.8%となりました。夫婦関係が「良くなった」と回答した仲良し夫婦は9.0%、不仲夫婦は0%という結果でした。仲良し夫婦と不仲夫婦では、大きな開きが明らかになりました。

仲良し夫婦の場合は、自宅で過ごす時間が増加したことで夫婦関係へ好影響を与えたようですが、不仲夫婦の場合は溝が深まったと考えられます。

夫婦間ではどのような不満が多いの?

夫婦関係が良好ではない場合、夫婦間ではどのような不満があるのでしょうか?夫婦間での不満は男女に差が見られたので、どのような部分に差があるのかをご紹介します。

家事分担に不満を持っている人が多い

高齢夫婦間では「家事」に対する不満度が高くなっています。「現在の家事分担に不満がある」と回答した人(全体)は、男性3.0%に対し女性26.0%でした。一方で不仲夫婦の場合は、男性6.5%に対し女性47.4%という結果となりました。

家事に対する不満度は女性の方がかなり高く、特に不仲夫婦の場合は約半数が家事に対して不満を抱えています。家事は女性がやるものと考える人は未だに一定数いるため、この固定概念が女性への不満度を高めている可能性があると考えられます。

男女間で不満や不快感を覚えることは異なる

女性の多くは家事に対する不満が多くなっていますが、男女間の不満や不快感を覚えることを見てみると様々なものがあります。例えば、「夫婦のコミュニケーション」「生活習慣(風呂・トイレの使い方など)」「食事に関する習慣(食べ方、音など)」です。

「夫婦のコミュニケーション」については、男性が55.6%、女性が34.0%と男性の方が不満に感じている場合が多いようです。そのほかの2つについては女性の方が不満に感じている傾向にありました。

お互いを思いやりながら生活することは当たり前ですが、男女間で不満や不快感を覚えることは異なるようです。相手の不満に気づくことも大切ですが、自らの不満について相手に共有することも大切です。「言わなくてもわかるだろう」という考えは、思わぬ喧嘩や言い合いの原因となることもあります。

高齢になっても良好な夫婦関係を築くためには?

高齢になっても良好な夫婦関係を築いている夫婦が多いことはわかりましたが、どのようにして良好な夫婦関係を築き、維持しているのでしょうか?

参照:60歳すぎても「仲良し夫婦」の秘訣とは(朝日新聞Reライフnet)

心の余裕を持つこと

定年を迎えると、今まで仕事で忙しくしていた人も比較的時間に余裕が持てるようになります。それに伴い、心にも余裕が出てくるようです。時間や心の余裕が持てるようになると、お互いを思いやれるようになったり、相手の話により耳を傾けられるようになったりします。不満を持つことが多い家事についても、助け合いの心を持つことでどちらか一方に負担をかけすぎてしまうということが減ります。

今までよりも少し相手の立場になって接することができるようになることで、お互いの人格を認め合い、より充実した夫婦生活ができるようになる場合も多いようです。

共通の話題を持つこと

高齢になるとそれぞれ好きなことができる時間が増えます。その時に共通の趣味や好きなことがあると、自然と会話が生まれ、良好な夫婦関係が築けるようです。とにかく共通の話題作りが夫婦関係のキーポイントになります。

今までは必要最低限しか会話をしていなかった夫婦も、共通の話題を持つことでそこから新たな行動(福祉活動・地域活動への参加、旅行など)のきっかけとなる可能性もあります。高齢者の多くは社会との関わり合いが薄くなってしまう傾向にあるため、夫婦の会話から外に出るきっかけが作れることは、非常に良いことです。

お互いを思いやることが良好な夫婦関係につながる

比較的多くの夫婦が高齢になっても良好な夫婦関係を築いている場合が多いようです。しかし、その良好な夫婦関係を継続していくためには、必ずお互いを思いやる気持ちが不可欠であることがわかります。

相手のことを思いやりすぎて逆に負担となってしまうことは良くありませんが、少し相手のことを気にしてあげることが必要です。特に家事は男女間での認識の差があることが伺えます。家事はやってもらって当たり前と思わずに、手伝ったり、感謝の気持ちを伝えたりすることが大切でしょう。

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