コロナ禍でじわじわ広がる「ガーデニング・園芸」に期待できることとは?
コロナ禍の影響もあり、じわじわと人気が広がる「ガーデニング・園芸」。
ドイツでは園芸ブームが起きているそう。日本でも、種苗・園芸用品の売り上げが増えているとのことです。過去に内閣府が行った調査でも、高齢者の人気の趣味として挙がっており、今後も注目していきたい分野の1つです。
今回は、ガーデニング・園芸がなぜ人気なのか、期待できる効果、これからの楽しみ方について触れていきたいと思います。当メディアでは、これからシニアビジネスを検討されている方へヒントになる内容をお届けします。
参照:コロナ禍のドイツは園芸がブームに。農園でつながりづくり進む (スーモジャーナル)
参照:巣ごもり需要で家庭菜園人気 種苗園芸用品の売り上げ増加|【西日本新聞me】参照:平成8年度高齢者の健康に関する意識調査の結果について 概要版(内閣府)
目次
そもそもガーデニング・園芸がなぜ人気?
ガーデニング・園芸といっても、楽しみ方は人それぞれです。庭でたくさんの種類の野菜を育てて楽しむ方もいれば、自宅の一室で観葉植物を育てて楽しむ方もいらっしゃいます。本腰を入れて家庭菜園を作るケースもあるでしょう。
そのように、自分のペースにあった楽しみ方ができるのが、ガーデニング・園芸の魅力です。
人気の理由は他にもあります。
自然の美しさを自宅で楽しめる
季節の移ろいを身近で感じられるのは、ガーデニング・園芸の醍醐味です。家庭菜園であれば、旬の野菜を収穫できます。成長の過程を楽しむこともできます。自然を楽しむためにわざわざ外出しなくても良いのは、高齢者には嬉しいところです。
費用や時間をあまりかけなくて済む
栽培する品種にもよりますが、費用や時間をあまりかけなくても良いところもメリットです。毎日継続して植物をチェックする必要がありますが、始めようと思ったときに数百円からできる手軽さはガーデニング・園芸の強みです。
安心・安全な食べ物を食べられる
普段、スーパーで買っている野菜。どんなふうに栽培されているのか、わからないものがほとんどなのではないでしょうか。家庭菜園なら、農薬の有無や育て方を自分で選択できるので、安心して食べられます。
適度な運動になる
さすがに本格的な運動とまではいきませんが、適度な運動効果も期待できます。ガーデニング・園芸では、土を掘り起こしたり、鉢を動かしたり、なにかと動くシーンが多いです。
ガーデニング・園芸は健康維持にも効果的
医学的な面からも、ガーデニング・園芸の持つ効果が注目されています。
園芸療法とは、「医療や福祉分野をはじめ、多様な領域で支援を必要とする人たち(療法的かかわりを要する人々)の幸福を、園芸を通して支援する活動」のことを指します。
海外では以前から行われていましたが、日本には1990年代に取り入れられるようになりました。
園芸療法には、次のような効果があると言われています。
ストレスの軽減
自然や植物に触れ、心地良さを感じることでストレスの軽減が期待できます。没頭して作業を行えば、スッキリした気持ちになれるかもしれません。
意欲の回復・生活改善
植物の栽培や植物を用いた創造活動によって、意欲の回復・生活改善が期待できます。毎日、同じ時間に植物の様子を確認すれば、生活リズムの改善にもつながります。野菜を収穫・調理したり、花を飾ったり、そういった作業も意欲回復に一役買ってくれるでしょう。
社会的健康の増進
ガーデニング・園芸は1人でやるものなのでは?と考えがちですが、植物を通して、周りの人との交流の広がりも期待できます。例えば、東京都小平市では、個人の庭を「オープンガーデン」として公開する取り組みがあるそうです。
参照:「私の庭に寄ってって」! 個人宅の『秘密の花園』を自由に楽しむ「こだいらオープンガーデン」(スーモジャーナル)
近所の方と一緒に作業をする、収穫した野菜のおすそわけなど、ちょっとしたやりとりで社会とのつながりを感じられるのではないでしょうか。
参照:日本園芸療法学会HP
ガーデニング・園芸をもっと楽しめるサービスを
健康維持の点からも、高齢者の趣味におすすめのガーデニング・園芸。気軽に始められる一方で、これまでは庭で植物・野菜を栽培するイメージがあり、アパートやマンションに住んでいる方にとっては少し敷居が高いものだったかもしれません。
ですが、近年では、ガーデニング・園芸関係のサービスも増え、「植物に詳しくない」「庭がない」そんな方でもガーデニング・園芸を楽しめるようになりました。少しずつガーデニング・園芸のあり方が変わってきているようです。
どのようなサービスがあるのか、いくつか例をご紹介したいと思います。
市民農園・シェア農園を借りる
自治体から畑を借りられることはご存知ですか?自治体にもよりますが、市民農園として畑を貸し出している自治体が多くあります。人気のため、畑を借りたい人が集まり、抽選になってしまうこともあるのだそうです。
また、「シェア農園」のサービスを提供している企業も増えてきました。企業が運営している農園では、苗や道具がすべて用意されていて、手ぶらで行けるところもあります。
庭がないけれど、家庭菜園をしたい方に人気のサービスです。
植物のサブスクリプションを利用する
「毎日の生活に癒しが欲しい」、そんな人たちから注目されているサービスが「サブスクリプション」。 サブスクリプションといえば音楽や映画を毎月定額で聞き放題、といったものが代表的ですが、植物が毎月届くサブスプリクションもあります。
栽培に必要なものがすべてセットになっているので、植物の栽培が初めての方も気軽に楽しめます。毎月、季節の花が届くサービスもあり、季節の移ろいも感じられそうです。
参照:Monthly plan 毎月楽しむお花のある暮らし特集(日比谷花壇)
アプリで栽培記録をつける
栽培記録をノートに残すのはなかなか手間がかかります。そんな悩みを解消する、ささっと気軽に栽培記録をつけられる、スマートフォンアプリが登場しています。
写真で残せるものから栽培方法を調べられるものまで、それぞれ特徴があります。継続して記録をつけることで、植物の成長をより感じられるでしょう。
ガーデニング・園芸はまだまだ可能性を秘めている
高齢者に人気の趣味の1つである「ガーデニング・園芸」。庭で植物を育てる、といった従来の楽しみ方だけにとどまらず、さまざまな展開を見せています。
ガーデニング・園芸は、季節を感じたり、おいしい食べ物を食べられたり、メリットがたくさんあります。また、心身の健康へ良い影響があることも嬉しいポイントです。
今後も新たなサービスの登場に注目していきたいところです。