なぜ、何も決められない高齢者が生まれてしまうのか | シニアド

なぜ、何も決められない高齢者が生まれてしまうのか

私たちは、意思決定をする権利を持っている。何を食べるか、どんな仕事をするのか、どんな服を着るのかなど、ルールこそあるかもしれないが、多くは自分の意思によって決めることができる。

しかし、次のコラムを見てほしい。

高齢者「うつ」の原因は?|国立長寿医療研究センター

高齢者のうつ病の症状の中に「物事を決められない」というものがあるのだ。私はこの記事を読んで、共感する部分が多いと感じた。

私は祖母と一緒に暮らしている。祖母はうつ病でもなんでもなく、はつらつとしており元気だ。

しかし、今日食べるものや着る服などの意思決定を人に任せる節がある。なぜ、自分で決めないのだろうと私は感じていた。このコラムを読んで、私は高齢者の特有の症状なのかもしれないと思ったのだ。

つまり裏を返せば、自分で意思決定ができる高齢者になれば、それだけで人生が少し明るくなるということにも繋がる。高齢者うつの対策にもなるだろう。

だが、次のコラムを見てほしい。

介護の教科書 第130回目 認知症|みんなの介護

これは認知症の高齢者に対して、介護職員が服を決めてしまう問題点を指摘したコラムである。

このように、高齢者の意思決定を奪う環境も生まれているのだ。この記事では、高齢者の意思決定について考えていこうと思う。

まず、自分で意思決定ができない高齢者が生まれてしまう原因について考えていこう。そして、そのような高齢者を生まないための周りができる対策について考察していく。

意思決定ができない高齢者が生まれる原因

意思決定できない高齢者が生まれる理由はいくつか考えられる。それぞれについて確認していこう。

そもそもの先入観に問題がある

事実として、高齢者の身体能力は若者より低い。誰にだって衰えはくるし、できることも限られてくるだろう。

しかし、だからといって何もできないわけでないのである。「高齢者=何もできない」と決め付けている人は多いのではないだろうか。

そういった人たちが、親切心で高齢者に指示を与えるのだ。何を食べるか、どんな服を決めるか、決められないと思っているから周りが決めてしまう。

そもそも、その思考自体が間違っているのである。高齢者は身体能力という面において、できることが限られている可能性はある。認知症が進行していたら、考えることも難しいかもしれない。

ただ、何もできないわけではないのだ。そこを勘違いしてはいけない。周りの人たちのそういった思い込みが、高齢者から意思決定の機会を奪い、結果的に何も決められない高齢者を生んでいるのではないかと思う。

高齢者側が気をつかっている

高齢者側が下の世代に気をつかってしまうケースもあるだろう。自分が「何を食べたい」という主張をすること自体が、わがままと捉えられないか危惧しているのだ。

しかし、食べたいものを主張することや、着たい服を着ることがわがままだろうか。もちろん、限度はあるだろう。いつだって食べたいものが食べられるわけではない。

ただ、だからといってすべてを我慢して飲み込むのことを良しとしていいのか。誰だって、適度なわがままを主張する自由はあるだろう。

どうすれば解決できるか

この問題については、高齢者側と周囲の人たちとで解決方法を探していかなくてはいけない。

高齢者側の意識の改革が必要な側面も間違いなく存在する。

わがままと意思決定は違う

この違いを理解していない人が多すぎると私は思う。高齢者は厄介者として世間から扱われている一面もある。それは事実だろう。

しかし、すべての高齢者がそうではないのは確かだ。わがままを言ったら、自分も厄介者の高齢者として扱われるのではないか。そう考える人もいるかもしれない。

そう思ってしまう方には、ぜひ考えを改めてほしい。無理なわがままを述べるのは迷惑にも繋がるだろう。ただ、意思決定をするのは個人の権利である。

高齢者だからといって、周囲の指示に従って生きなくてはいけないわけではない。自分で判断し、決定権を持つことは許されているのだ。

考えを伺うようにする

高齢者が自分で物事を決定できない、決定するのが苦手という場合は、周りの人が何を考えているのかをうまく聞き出してあげよう。

そうすることで、自分の意思を主張するようになる。「意思を決定することは悪いことでもなんでもない」と伝えなくてはいけない。

特に、介護職に従事している職員は考え直してほしい。確かに、着ていく服や食べるものなどを高齢者に決めさせるよりも、自分で決めた方が楽だし早いだろう。

ただ、その行為自体が高齢者の人権を踏みにじっていることを自覚しなくてはいけない。それは親切でもなんでもなく、ただ高齢者が人間として生きる権利を奪っているだけなのだ。

まとめ

高齢者は何もできないわけでもなく、ちゃんと意思を持っている。認知症だろうと、体に不自由があろうとそれは変わらないだろう。

私たちは高齢者と接する中で、高齢者が何を考え、何を思って生きているのかを知らなくてはいけない。それが高齢者に対して変なレッテルを貼り、先入観で行動してしまう状況を防ぐことに繋がるのだ。

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