「ネットでも安心して買いたい!」高齢者心理を読み解け!
コロナ禍での「巣ごもり需要」の拡大により、高まりを見せる高齢者のネットショッピング需要。しかし、高齢者のネットショッピングへの不安は、まだあるようです。
本記事では、高齢者の消費心理を読み解きながらそのシニア層への購入購買を促進するプロモーション手法を探ります。
目次
1. 65歳以上人口世界一!中国ネットショップの「シニアフレンドリー化」

コロナ禍での「巣ごもり需要」もあり、ネットショッピングの支出額は今も増加傾向にあります。2020年の世帯主の年齢階級別ネットショッピング支出金額では、前年と比べ全ての年齢階級で増加となり、特に高齢者層70 歳以上が23.4%の増加と最も増加率が高くなっています。
出典:(2020年)世帯主の年齢階級別ネットショッピング支出金額
中国でも「デジタル経済の急速な発展と新型コロナウイルス感染症の流行の中」で、ネットショッピングアプリ「タオバオ」のシニアユーザーの利用が他の年齢層よりも大幅に増加している結果が出ています。
アリババ総研は、シニア世代の理想的なデジタルライフの実現には「より安全に、より便利に」などのキーワ―ドが不可欠であるとしています。
出典:アリババ総研:ECサービスのタオバオでシニアユーザーの利用が急増、シニア向けサービスの改善が必須に
日本の高齢者向けネットショッピングで「より安全に、より便利に」を実現するサービスはあるのでしょうか?
2. 高齢者はネットショッピングに不安

年代別でのインターネット利用上の不安有無を見ると、40代までは6〜7割、50〜70代は8割超が「不安がある」と回答しています。若年層よりも高齢者層はインターネット利用への不安を感じています。
出典:年代別「インターネット利用上の不安の有無」 総務省「通信利用動向調査」(令和03.06.18公表)
前述の中国では、ネットショッピングアプリ「タオバオ」に「シニアモード」が実装されテスト運用されています。高齢者でも見やすく使いやすいように開発され「シンプルなインターフェイス」「大きなフォント」「音声アシスタント」という3つの特長を持ち、困った時にはお客さまセンターの担当者へ連絡することもできます。
出典:高齢者も簡単にネットショッピング、アリババのデジタル・デバイド対策が登場
3. 高齢者はまだまだネット広告に抵抗が
ニュースサイトやECサイトでのディスプレイ広告、SNS等タイムラインで表示されるバナー広告についても、高齢者は抵抗があるようです。
ワンクリック詐欺や悪徳商法に関係する広告も多く、画面に広告が表示され何も知らずタッチして知らない間に課金システムにつながるということもあります。
2020年度は消費生活センター等に寄せられた相談のうち、60歳以上からの相談件数は約34万件。相談の内容をみると、コロナ禍で通信販売の利用機会が増えた影響での「通信販売に関する相談」が増加、過去最高の相談件数となっています。
出典:2020年度にみる60歳以上の消費者トラブル-コロナ禍で、通信販売の相談件数は過去最高に-
ターゲットにアプローチできる広告手法としては、かつての通販メディア(カタログ、DM等紙媒体)とコールセンター対応が主流でした。コールセンターでの1to1というコミュニケーションが、高齢者層には安心だったのかもしれません。
4. 高齢者層の消費(購入購買)心理を理解してターゲティング

シニア層は「話題性があっても、品質の裏打ちがなければ買わない」「ものを買うときは価格に見合う価値があるか吟味する」など、インターネット上で話題になっているものや口コミへの関心は低く、『実際に自分で試してより良いものを自分で選んで発見していきたい』という意識が強い、という調査結果があります。
出典:「ネットの口コミはあまり参考にしない」シニア層の消費意識 インテージ調べ
前述の通販メディア(カタログ、DM等紙媒体とコールセンター対応/1to1というコミュニケーション)での接触が多かったシニア層は、ネット広告での情報発信やSNSでの拡散よりも彼らの従来接触メディアに対する信頼性を活かしたアプローチのほうが、効果がありそうです。
5. まとめ
高齢者層のネットショッピング利用が高まるなか、キーワード広告や広告メディアサイトでの集客が頭打ちになり、シニア層へのアプローチが上手くいかない、そんなマーケティング課題を抱えている事業者も多いと思います。
シニア層のネットショッピングに対する不安を払拭する「1to1でのコミュニケーション」による信頼性を担保した販促やプロモーション方法を導入してみてはいかがでしょうか。
シニア向けに1to1でターゲティングするアプリ
シニアが大手ECサイト等で購入購買を行う場合、個人情報の入力や決済ページで戸惑うという話はよく聞きます。その際、仲介者として存在する「コンシェルジュ」をコミュニケーションツールとして実装しているアプリがあります。
アプリ名:シニア向けSNS「おしるこ」
機能:コンシェルジュ機能
・1対1のチャット形式でアプリについての不明点や疑問点を解消
・チャット対応はAIに頼らず、一つひとつ手動で行なっていることが特長
アプリ内で提供する商品情報・ポイントでの購入購買を案内し、販促やプロモーションに活用できる。