一生学ぶ時代の到来 〜「学び」は幸福感をも生み出す?
めまぐるしく情報が行き交う現代。
インターネットやスマートフォンの普及で情報が動くスピードが段違いに速くなりました。
それに伴って、一生学び続ける時代がやってきたのではないでしょうか?
今回は、情報スピードの変化から、学び続ける意味について考えてみたいと思います。
10年前には想像できなかったことがたくさんある
みなさん、10年前に今の時代を想像できていましたか?
10年前といえば、iPhoneをはじめとするスマートフォンが少しずつ普及し始めた時期。
そんな筆者も、当時はいわゆるガラケーをまだ使っていました。かろうじて携帯電話でもニュースは見ることができましたが、メインの情報源はTV、パソコンでのインターネットだったと思います。
スマートフォン向けサイトが少ない、スマートフォンがガラケーより大きい、といった問題から、スマートフォンは果たして普及するのか? という予想に反して、ここ20年でスマートフォンの普及率はなんと20倍に。
参考:20年で20倍に!スマホとPCの普及率がどこまで伸びたか調べてみた(@DIME)
スマートフォンでTVも映画も本も見られる時代になり、TVや新聞といったメディア離れも進んでいます。
スマートフォン1つでできることも増えました。電車にも乗れる。買い物もできる。音楽もサブスクリプションやYouTubeで楽しめるようになりました。LINEやSNSも普及していつでも誰とでも繋がれる時代が到来していますね。
こんな情報飽和時代が来るなんて誰が想像できたでしょうか?
現代はどんどん目まぐるしく変わる時代になってきています。だからこそ、過去の知識をアップデートして、一生学ぶ姿勢が大事だと感じています。
年齢を重ねても人間は成長し続ける
高齢期になると、情報の処理スピードやひらめきが衰えてくる一方で、言語能力や洞察力は延びていくというデータがあり、人間は大人になっても成長を続けているといえます。
参考:高齢期における知能の加齢変化 (健康長寿ネット)
また、発達心理学という分野では、エリクソンやハヴィガーストなど様々な学者が「人間は生涯、発達し続ける」と提唱しています。
このことに加え、高齢化で寿命が延びたことや新しい情報が入ってくるスピードが早くなったことで、「学ぶこと」の重要性が増してきていると思っています。
昔以上に、情報のアップデートを重ねていく必要があるのです。
情報格差で、揉めていませんか?
例えば、子育て世代でよく言われるのが、お母さんとおばあちゃんの間で子育ての知識が違いすぎて揉める、というケース。
昔はよく「泣き癖がつくから、赤ちゃんが泣いても抱っこばかりしない」と言われていましたが、今は「泣いたら、赤ちゃんを抱っこすることで赤ちゃんが心理的安心感を獲得する」というのが一般的。
また、40年ほど前には「ミルク育児がいい」と言われていましたが、今は突然死症候群のリスクが下がるという研究など、様々な理由から「なるべく母乳の方がいい」と全く逆のことが言われていたりするんです。
20〜30年もたてば、子育ての常識とは全く変わっているもので、おばあちゃんがお母さんに昔のやり方を押し付けてしまうことがあるそうです……
これは一例ですが、常識と思われていたことがどんどん変わるのが今の時代なのです。
情報格差を埋めていくために
高齢者の方は昔の常識にとらわれず、新しい知識を獲得していく柔軟な姿勢が大事だと思います。とはいっても今までの知識を捨てて、新しい知識を獲得することに抵抗がある方がいることも事実。若い世代とのかかわりで困った、正しい情報を得られずデマや詐欺に踊らされてしまったなど、なんらかのきっかけがないと難しいことでもあると感じます。
逆に生活の中で、なんだか違和感を感じるならそれがチャンスかもしれません。
年齢を重ねると情報の処理スピードはたしかに落ちますが、知識力や理解力は高い水準にあるので、一度学び始めれば、知識を増やして学ぶ楽しさを感じられる方も多いのではないでしょうか。
一方で、若い世代は、高齢者からの意見と自分の意見の違いに反発するのではなく、「意見を受け入れ、丁寧に知識を伝えること」で揉めることは少なくなりそうです。
同時に、高齢者の情報源が依然としてTV、新聞が多いというデータを受け、情報格差(デジテルデバイド)を埋めていくために行政も動き出しています。
端末を無償貸与することを検討している自治体も。
参考:高齢者デジタルデバイド解消に向けた実証事業(スマートフォン貸与)|渋谷区
スマートフォンを使えるようになったからといって情報格差が縮まるとも限らないですが、情報社会において高齢者を取り残さないためには大きな一歩かもしれません。
学ぶことで幸福度が上がる、かもしれない
若い世代との関係性の構築や情報格差の解消以外にも「学び」で得られるものがあります。「学び」「関わり」に意義を見出している高齢者の方が「幸福感が高い」というデータがあるそうです。せっかくの人生、幸福な気持ちを大事にしたいですよね。学ぶことで新しい刺激を得られることが充実感につながるのでしょうか。
さらに、長寿の要因の一つに「学び」「読書傾向」「刺激的な生活」もあるそうです。
「学ぶ」ことで幸福感も得られて、寿命にも影響するなんて驚きです。
ちなみに「人との関わり」というのも、幸福感や高寿命には重要なのだそうです。
参考:第16回 高齢者の学習活動:学習行動へのモチベーション | 日本教育クリエイト
「学び」「関わり」を大切にしていこう
今回は、情報格差という切り口から「学び」について考えてみました。
人間関係を円滑にしたり、幸福度にまで影響したり、「学び」の姿勢は大切にしていきたいですね。