選択的夫婦別姓のこと。どう考えていますか?
2021年6月、選択的夫婦別姓についての裁判が行われたのは記憶に新しいのではないでしょうか。
家事審判を申し立てたのは、18年に別々の姓で婚姻届を役所に出して不受理となった東京都内の3組の事実婚カップル。論点は、『夫婦同姓しか選択できない現在の民法は、憲法の「法の下(もと)の平等」を保障する14条と「婚姻の自由」を定めた24条に反するのでは』というところでした。
しかし、最高裁判所が出した判決は、夫婦同姓は「合憲」。要するに、夫婦別姓は認められないという結果だったのです。
参考:夫婦同姓の規定は「合憲」 最高裁大法廷、6年前と同様(朝日新聞デジタル)
若者に比べて高齢者は「選択的夫婦別姓制度に消極的」なのだとか。
どうして夫婦別性を望む声があるのか、いまいちわからない高齢者も多いのではないでしょうか。今まで「結婚したらどちらかの姓を名乗る」のは当たり前で、わざわざその当たり前を変えなきゃいけないの?そう考える方もいるはず。
今回は、若者世代が夫婦別姓を望む理由や高齢者の選択的夫婦別姓に対する意見に迫っていきたいと思います。
目次
どうして夫婦別姓にしたいのか?
私自身、夫婦別姓にできるのなら別姓にしたい派です。実は、冒頭の裁判の結果には少し気になるところがありました。
裁判官の方々を見ると、15人の裁判官のうち女性はたった2人。しかも、全員が60代のシニア世代だったのです。
参考:最高裁、夫婦同姓は「合憲」。各裁判官の判断は?4人は「違憲」とした【一覧表】(HUFFPOST)
もちろん年齢や性別ではなく法に基づいた判断とは思っていますが、男女の割合や年代が違えばなにか違ったのでは?と思ってしまうところでもありました。
最近では、結婚して夫の姓を名乗ることに違和感を感じ、ペーパー離婚をする女性もいます。雑誌VERYのモデル、牧野紗弥さんもその1人。今年、離婚届を提出し事実婚を選択するという思い切った選択が話題となっていました。
参考:【事実婚へ】VERYモデル牧野紗弥さん「夫婦別姓でもっといい家族の形を見つけたい」 (VERY公式サイト)
結婚の際に、別姓にしたいという理由から事実婚を選ぶ方もいます。
ここからは、どうして夫婦別姓にしたいと考える若者が多いのか、私の意見も交えつつ理由をお話ししていきます。
珍しい姓を継いでいきたいから
私の場合は、今まで同じ姓の人に親戚以外で出会ったことがありません。そのくらい珍しい姓を名乗っています。結婚したときのことを想像すると、姓が変わることに少し寂しさを覚えるのも事実です。この姓を継ぐ人がいないのもなんとなく気になります。
だからと言って、パートナーに「姓を変えて」とも言えません。もしかしたらパートナーも同じ状況かもしれませんし、もし長男だったら、親たちは姓を継いで欲しいと思うのではないでしょうか。
実際、一人っ子の友人(女性)は「親から姓を継いでほしいと言われ、女性側の姓を名乗ることにした」と話していました。
仕事に支障が出るから
仕事に支障が出る、という理由もよく聞きます。
姓が変わってしまうと、名義変更の手続きをしなければなりません。例えば、社長さんやフリーランスでお仕事をしている場合だと、手続きが増えてかなり大変だそう。
資格を持っている方ですと、その資格の書き換えも行わなければなりません。
営業職など社外の方と関わるような職種の方は、姓が変わったことをたくさんの人にお伝えしなければなりません。そのため、仕事では旧姓を使い続ける人もいます。ですが、会社によっては旧姓を名乗るのはNGというところもあるので、希望したからといって旧姓を使い続けられるかというと難しいところでもあります。
事実婚を選択して別姓を名乗るのはダメなのか?
夫婦で別姓を名乗りたいなら、事実婚でいいのでは?
そんな考えもあります。
ですが、日本での事実婚は少々ハードルが高いのも事実。「税金控除が受けられない」「万が一のとき家族として認められない」「財産の相続権がない」「子どもの親権は自動的に母親になる」など、法的にパートナーと認めてもらえないのです。これらのことをデメリットと捉える人もいるはずです。
もし選択的夫婦別姓が実現すれば、別姓を名乗りながら法的に婚姻関係を認められることになり、デメリットのある選択をしなくても良くなるのです。
高齢者の半分は選択的夫婦別姓に消極的な姿勢
実は選択的夫婦別姓に消極的な人の多くは高齢者です。世論調査の結果によると、「現在の姓を名乗るべきであり、法律を改める必要はない」と考える人の割合が、10〜50代では20%弱にとどまっているのに対し、60代では33%、70代以上では52.3%となっているんです。
世代間で大きなギャップがあることがうかがえます。
引用:平成29年度世論調査 家族の法制に関する世論調査(内閣府)
消極的な方の意見も見てみましょう。
子どもがいると不都合なことも多い
子どもがどちらの姓を名乗るか困るのでは?という意見です。たしかに、両親の姓が異なると、子どもが混乱しそうではあります。子どもの姓について夫婦で話し合う、子どもたちに説明をするといった必要がでてきますね。
結婚の実感がない
姓を変えることが「けじめ」「結婚の実感」につながる人もいるよう。周囲に自分の覚悟を伝えるという意味でも姓を変えた方がいいという意見もあります。
家族の一体感が失われる
冒頭の裁判でも言われていたのが「家族の一体感が失われる」ということ。姓がバラバラだと家族の一体感が失われるんじゃないか?という危惧です。高齢者の中には、伝統的な家族のあり方を踏まえて消極的な姿勢を取る方も多そうです。
参考:「女性100人にアンケート!夫婦別姓に賛成ですか?反対ですか?理由も聞いてみました (Domani公式HP)
自分たちが結婚して姓を変えてやってきた経験から、選択的夫婦別姓は必要がないと感じる方もいるでしょう。
かつては不満があった方もいるかもれません。ですが、長い間、夫の姓を名乗ってきて、今さら姓を変えたいと思う人は少ないのではないでしょうか。別姓を「自分事」としては捉えられないと思います。
けれど、ご紹介した反対意見を見てみると、意識の問題のような気もします。
実際のところ、姓を変えても結婚の実感が湧かない人もいるでしょう。子どもの問題についても、別姓が珍しくなくなれば子どもも夫婦別姓を当たり前のこととして捉えるかもしれません。結婚しても離婚するのも珍しくない今、姓で家族の一体感が左右されるのか?と思ってしまいます。
姓を「選択」できる世の中に
ここで注目してほしいのはあくまで「選択的」という部分。選択的夫婦別姓が認められたとしても、別姓にしなければいけないわけではないんです。自分の感覚と違う、姓を変えることに大きな意味を感じている、と思うのなら、従来のように夫婦同姓を選ぶこともできるんですよね。
結局は多様性を認めるか認めないか、というところなのでは?と思っています。
伝統的な家族のあり方を重視したいのなら夫婦同姓にすればいいですし、仕事への支障が大きいのなら夫婦別姓を選べばいい。そんなふうに選択ができればもっとみんなが自分なりの幸せを見つけられるのに、と思っています。
シニア世代の選択的夫婦別姓制度に対する理解は、どのようにすれば得られるのでしょうか。
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