セカンドライフを支える住宅|シニアの住まい選びのポイントや困りごとを解説

セカンドライフを支える住宅|シニアの住まい選びのポイントや困りごとを解説
シニアのインサイト 投稿日: 更新日:

セカンドライフを支える住宅|シニアの住まい選びのポイントや困りごとを解説

シニア層が新しい住まいを選ぶ際には、さまざまな不安が伴います。住まい選びの相談を受ける窓口や専門家は、シニアの不安を解消し、適切な選択をサポートする重要な役割を担っていると言えるでしょう。

本記事では、シニア層の住まい選びに置ける課題や、相談を受ける窓口や専門家に求められるサービスについて解説していきます。

目次

  1. 高齢者住宅の種類や選ぶポイント
  2. シニアが実際に選んでいる住まいの状況
  3. 増えるアクティブシニアに向けて、シニア向け賃貸住宅も増えている
  4. シニアの住まい選びにおける困りごと
  5. まとめ|シニアは安心して住まい選びができる相談先を探している

1.高齢者住宅の種類や選ぶポイント

土地と街

シニア向けの住宅には多くの選択肢があり、それぞれの特徴を理解し、セカンドライフに合う住宅を選ぶことが大切です。

現在シニアがセカンドライフに住み替えの住宅として選べるものは、公的な住宅と民間が運営している住宅の2つの大きなカテゴリーがあります。

それぞれを解説します。

公的なシニア向け住宅

公的なシニア向け住宅には、自治体が運営している「高齢者住宅」や「特別養護老人ホーム」があります。これらは家賃や利用料などが所得に応じて決まることが多く、民間の住宅に比べ比較的低価格です。

また、国や自治体からの補助が適用になるケースもあり、出費を控えたいと考えているシニアにとっては、魅力的な選択肢だと言えるでしょう。

介護サービスにおいても、公的機関が運営している住宅であるため、一定の品質が保たれていることが期待できます。

民間のシニア向け住宅

民間の高齢者住宅には「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」などがあります。これらは入居者が快適に過ごせるよう、さまざまなサービス提供を行います。

ホーム施設

例えば「有料老人ホーム」では、24時間体制の介護サービスや、医療支援などが受けられる場合が多く、介護を必要とする入居者にとっては安心できるポイントです。

「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」では、自立した生活を送ることを重視しつつも、必要に応じて介護サービスを利用できる柔軟な形態となっています。

家賃や利用料は、手頃な価格の住宅から高級志向の高額な住宅まで幅広く、自身の経済状況や生活スタイルから合うものを検討することが可能です。

参考:ベネッセスタイルケア 高齢者施設・住宅の種類と特徴

シニア向けシェアハウスという選択肢も

近年では、シニア向けのシェアハウスも注目されています。

シニア向けシェアハウスは、自立した生活を送ることができる高齢者が、共同で生活するスタイルです。

アパート型で個室がある場合や、一軒家をシェアする場合など、暮らし方には住宅ごとの違いがありますが、日常的に他者との交流が生まれるため、孤独感を軽減します。

また、敷金や礼金が不要なケースがあったり、複数人で家賃や光熱費などを負担するケースでは、生活費を節約することができたりします。

シニア向けシェアハウスについては、下記の記事でも解説しています。

シニア向けシェアハウスのメリットやデメリットを詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

2.シニアが実際に選んでいる住まいの状況

セカンドライフのための住み替えや、終の棲家として選べる住宅の選択肢が多数ある現代で、シニアが実際に選ぶ住まいの状況はどのようになっているのでしょうか。

シニアが住宅選びを行う中で、重視しているポイントなども合わせて解説します。

住み替えの住宅には「コンパクト」「生活の利便性」を重視

2019年に実施された、45歳以上のシニアの住宅に関する実態調査では、老後の住まいで重視するポイントとして「多少部屋が狭くても、手元に資金を残しておきたい」(66.8%)、「老後はできるだけコンパクトなサイズの方が良い」(66.5%)の回答が1位と2位になりました。

65歳以上の回答に絞ると、「老後はできるだけコンパクトなサイズの方が良い」(74.3%)が1位となり、2位は「多少部屋が狭くても利便性の高い場所が良い」(73.5%)の回答となります。

また、「多少部屋が狭くても、バリアフリー対応など設備が充実している方が良い」(67.6%)、との回答も、全体の割合(56.5%)より10ポイント以上高い結果となりました。

年齢が上がるにつれ、部屋のコンパクトさや生活の利便性を重視する傾向があることが分かります。

セカンドライフに合わせて住宅を小さくすることは、生活にかかる費用や設備を維持する手間などを抑えて自身の状況に最適化することが可能です。

こうしたシニアのダウンサイジングは住宅に留まらず、他の分野においても検討されます。

シニアがどのようなダウンサイジングをおこなっているか、詳細を知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

参考:一般社団法人不動産流通経営協会 シニアの住宅に関する実態調査

住み替えのきっかけ

2023年に民間のシニア向け住宅や分譲マンションへ住み替えを行ったシニアに対して、アンケート調査が実施されています。

その結果では、「住みかえた時の年齢と住みかえたきっかけ」の問いに、60歳までは「特にない」「その他」の回答が1位となっています。

しかし、65歳以上になると「日常生活になんとなく不安を感じた」「単身になった」の回答が上位にくるようになります。

また、「住み替えた時の年齢」の回答では、「80歳〜85歳」(22.6%)、「75歳〜79歳」(22.3%)が1位2位です。

年を重ね、健康や生活を送る上での不安・不便さを実感した時に、行動を起こす人が多いようです。

住宅を選んだ決め手は「利便性」

先述した、住み替えをおこなったシニアに対するアンケートで、「現在の住宅を選んだ理由」の問いに対して、「見守り等の生活支援サービスがある」(39.0%)の回答が、1位となっています。

次いで「公共交通機関が利用しやすい場所」(38.2%)、「スーパーマーケット等日用品の買い物に便利な場所」(30.0%)と続きます。

シニアは住み替えの住宅を選ぶ検討材料として、「コンパクトな住宅」の他に「生活の利便性」を重視すると述べましたが、実際に住み替えをおこなった方も「利便性」は決め手になっているようです。

また、「医療機関・介護施設が充実している場所」(20.8%)の回答は、高齢者向け賃貸住宅・有料老人ホームを選んだ方の割合が高いです。

「介護・医療サービス事業所を併設している」(15.7%)の回答は、サービス付き高齢者向け住宅・有料老人ホームを選んだ方の割合が多くなっています。

医療や介護施設が近隣に無くとも、生活支援サービスがあれば安心して生活できると考えているシニアが多いことが伺えます。

参考:一般財団法人高齢者住宅財団 高齢者の住宅資産の循環活用に関する検討調査 実施報告

3.増えるアクティブシニアに向けて、シニア向け賃貸住宅も増えている

60代のシニア層でも、仕事や趣味に意欲的に取り組み介護を必要としない「アクティブシニア」が増えています。

2023年の日本の人口のうち、65歳以上は3622万7千人で29.1%を占めています。

年齢区分別人口
参考:総務省統計局 人口推計(2023年(令和5年)10月1日現在)

また、2023年の65歳以上の労働者は930万人で、65歳以上の人口の約26%です。この65歳以上の労働者人口は2013年から毎年増加しており、今後も働くアクティブシニアが増え続けることが予想されます。

参考:総務省統計局 労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果

自立した生活を送り、仕事をすることで金銭的な余裕もあるアクティブシニアは、生活の自由度が高い「シニア向け賃貸住宅」も住み替えの住宅として検討することが可能です。

シニア向け賃貸住宅は、介護を必要としない60歳以上のシニアを対象としていますが、室内はバリアフリー化され、シニアが生活しやすい構造です。

年齢が不利になりやすい賃貸契約も、シニア向け賃貸住宅は契約がしやすいよう配慮された制度になっています。

物件によっては、緊急通報システムや健康相談サービスなどを実施している場合もあり、安心感が感じられるでしょう。

施設よりも自由度が高く、分譲住宅よりも初期費用が安いシニア向け賃貸住宅は、自立度の高いアクティブシニアの人口増加とともに需要が伸びていくと考えられます。

4.シニアの住まい選びにおける困りごと

シニアが住み替えを検討したとき、住宅が自身の生活に合っているかだけでなく、考えなければいけないポイントは多岐にわたります。

シニアが住まい選びをする際の壁となる困りごとについて解説します。

自分に合った住宅を見つけられない

シニアが住まいを選ぶ際に直面する大きな課題は、多数ある住宅や施設から適しているものを選ぶ難しさです。住まい選びは、自身の身体的な衰えや健康状態、経済面などを考慮し、多面的に検討しなければいけません

また近年では、ネットを利用して住宅のさまざまな情報を知ることができる反面、情報過多になりどの情報を信頼して選べばいいか分からず、迷ってしまう場合もあります。

専門家への相談が少ない

適した住宅を選ぶためには、シニア向けの住まい選びを専門に扱う、窓口や専門家のアドバイスが有効だと言えます。

しかし、先述した住み替えをおこなったシニアに対するアンケートで、「住み替えた時の相談相手」の問いに、50歳~74歳までは「配偶者」の回答が約35%~66%を占めて1位、75歳以上は「配偶者」の回答が約43%~64%を占めて1位となっています。

その他の相談相手として「現在お住いの住宅会社・運営事業者」の回答が1割~2割を占めていますが、その他の専門家への相談は全年齢で5%にも満たない少ない結果でした。

家族への相談が安心感があると考えられますが、相談窓口の存在が認知されていない可能性も高いと言えるでしょう。

参考:一般財団法人高齢者住宅財団 高齢者の住宅資産の循環活用に関する検討調査 実施報告

相談窓口や専門家の認知

シニアの住み替えに関しては、介護や医療の利用サービスや費用の面など検討しなければいけない重要なポイントが多岐にわたります。そのため、信頼できる相談窓口や専門家からの助言が不可欠です。

シニアの住まい選びに対する信頼性の高い情報やサポートを提供し、シニア層との信頼関係を築くことが求められます。

また、相談窓口での相談や専門家のアドバイスが受けられることをシニアやその家族に認知してもらうことも大切です。

5.まとめ|シニアは安心して住まい選びができる相談先を探している

シニアが住み替え先の住居として選ぶことができるサービスが多数あり、自分に合うものを選びやすくなっていると言えます。

しかし、シニアの住み替えの相談先は相談窓口や専門家ではなく、身内に頼っている現状が伺えました。

シニアの住まい選びは、人生の重要な決断の1つです。

満足のいく住まいを見つけるために、専門知識や多くの情報から的確なアドバイスを行う相談先が欠かせません。

安心して相談できる相談窓口と認知してもらうためには、シニア向けにターゲティングして情報発信することが大切です。

特に、シニア向けSNSのコミュニティでは、さまざまな情報交換が行われています。

このようなコミュニティの動きを利用して、シニア層にぴったりな住宅情報を発信したり体験サービスを提供したりすることで、コミュニティの利用者たちが、自分に合う住宅を検討できるとともに、シニアの住宅事情のニーズについても知ることが可能です。

そこで、50歳以上限定のSNS「おしるこ」の利用をおすすめします。

「おしるこ」は、8万人以上の利用者を誇り(2024年4月1日時点)、アクティブなシニア層が多いのが特徴です。

この「おしるこ」のコミュニティへ向けた情報発信・サービス提供は、ターゲットとするシニア層へダイレクトに届けることができます。

「シニアのインサイトを知りたい」「シニアへのアプローチは難しい」と課題をお持ちの方へ、有効なシニア向けSNSがあります。詳しくは以下をダウンロードしてみてください。

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