【シニアの終活】意識調査まとめとインサイトを紹介!
「シニア世代は終活にどれだけ興味あるの?」「シニアの興味やインサイトはどこに向いているのだろう?」
「終活」の言葉が広く知られるようになりましたが、シニアにはどこまで浸透しているか、または実践しているか、インサイトを知りたいマーケティング担当者は気になることでしょう。
そこで本記事では、「終活」を中心にシニアの意識調査のまとめやインサイト、興味あることについて、紹介します。
目次
1. 終活とは?定義と活動内容
ここでは、「終活」の定義と行われるようになった背景や理由、活動の内容などについて紹介します。
終活の定義
まずは、終活の定義から見ていきましょう。
終活とは「人生の終わりのための活動」の略語です。
人間が自らの死に向き合って人生を総括することを意味し、人生最期を迎えるための必要な準備を手掛ける活動とされています。
この言葉は2009年に初めて使われ、当初は「葬儀や墓などの人生の終わりに向けた事前準備」などを指していました。
その後、世間に認知されるようになったことで、単なるエンディング活動から自分らしい最期を迎えるための準備活動として、今では広く受け入れられています。
なぜ終活を行うのか?背景と理由
なぜ終活が注目され、行われるようになったのか、公益社団法人シニアサポートセンターによると、その理由は以下の2つが挙げられます。
- 家族関係の変化
自分の死後の始末について、家族や残された人に迷惑をかけたくない。
- 価値観の多様化
団塊の世代は個性を重んじる傾向にあり、自分らしいエンディングにしたいと願っている。
背景には、現代日本の少子高齢化社会があります。
一昔前は、家族の人数が多かったことで分担して支えあっていましたが、一人っ子や子供がいなかったりなどで、家族の負担が大幅に増えてしまいました。
家族関係や社会の環境が大きく変化したことにより、周囲に及ぼす影響を少しでも少なくして、自分らしい最期を迎えたいと願うようになっているのです。
終活の活動内容トップ5
では、終活とは具体的にどのような活動をするのでしょうか。
燦ホールディングス株式会社が実施したインターネット調査(40~70代の男女1,000名を対象に実施)の結果は、以下の通りです。
「終活を知っている」と答えた人が考える活動内容は次の5つです。
- 持ち物の整理(生前整理)
- エンディングノート
- 遺言作成
- 財産の把握
- 葬儀関連
5つ以外にも、「お墓などの準備」「自分のライフプランを考えること」や「ライフエンディングに対する考えを信頼できる人に伝える」などの回答が数多く寄せられていました。
2. シニア終活の意識調査まとめ
ここでは終活に対する意識の調査をまとめた内容について、終活の現状や始めるきっかけなどを解説します。
終活に対する意識「知っているけどやっていない」
まず、「終活」の言葉を知っているか、または実践しているかの意識調査をまとめました。
「終活」を知っていると答えたのは全体の95%でした。言葉そのものはすでに認知されているとみなしてよいでしょう。
しかしながら、「終活をしたことがありますか?」の問いに対しては、「したことがある」と答えたのはわずか7%でした。
広く知られているにもかかわらず、実際に行っている人はほんの一部といって間違いはありません。
「したいと思っている」人は57%いますが、現状では着手していない人が多く見受けられました。
終活は必要だけどやっていない理由は?
シニア世代が、「終活はしたい」「必要だ」と感じている人が6割ほどいるにもかかわらず、実施に至る人は多くいません。
以下は、MMD研究所による「終活を実施しない理由」についてまとめたものです。
60~80代全てのシニアにおいて、20%以上の回答があったのは「何から準備したらよいか分からない」「面倒に感じるから」となりました。
また、60代においては「まだ終活する年齢ではないから」が31.3%と最も高く、世代によって開きがあることがわかります。
すなわち、興味はあれど始め方が分からない、もしくは面倒や負担を感じる側面があって着手しにくく感じているのでしょう。
終活を始める4つのきっかけ
始め方が分からずハードルの高さを感じる終活ですが、実施している人の多くはきっかけがあって始めています。
以下は、ハルメク 生き方上手研究所による意識調査で、終活を始めたきっかけについてまとめたものです。
概要 | 記述内容の一例 |
親族・ 家族の死 | ・兄弟が亡くなったことで死を身近に感じた(女性、60-64 歳) ・実父の死去に伴う遺産相続(男性、65-69 歳) ・妻が亡くなって取り組んだ(男性、70-74 歳) |
自分・ 配偶者の 健康状態悪化 | ・脳梗塞を発症したから(男性、65-69 歳) ・夫が癌になり、二人ともいつ死んでもおかしくないと自覚したのでなるべく快適に暮らせるようにした。(女性、65-69 歳) ・過労で入院したことで、自身の寿命や余命について考えた。(男性、70-74 歳) |
定年退職 | ・定年退職を機に準備を始めようと思っていた(男性、65-69 歳) ・定年退職と両親の死(男性、65-69 歳) |
コロナ禍 | ・コロナ禍において断捨離をし始めてから(男性、60-64 歳) ・コロナで家にいることが増えたから(女性、70-74 歳) ・コロナ禍で家族が一緒にいる時間が増えて、家のこと(住居)・家計のことをじっくり考えることになった。(女性、65-69 歳) |
終活を始めたきっかけのうち、「親族や家族の死」「自分や配偶者の健康悪化」「定年退職」は三大契機とされています。
そして、ここ最近加わった理由がコロナ禍によるもので、家にいる機会が増えたために断捨離や家のことを考える機会になったとの回答がありました。
上記でなくても、きっかけがあると着手しやすくなるのでしょう。
3. シニアの興味はどこにある?インサイトは?
最後に、シニアの興味あることやインサイトについて紹介します。
現代日本のシニアは、アクティブに活動している人が多く興味あることや良いと思うことに積極的に参加する傾向にあります。
シニアに向けたプロモーションをかけるうえで、欠かすことのできない側面なのでぜひ参考としてください。
自分の趣味や楽しみにお金をかける
シニアは自分の趣味や楽しみにお金をかける傾向にあります。
なぜなら、大方のシニア世代は子育てが一段落し、定年退職などにより余暇の時間と自分のためにかけるお金が増えたからです。
趣味の内容で人気が高いのは、読書や映画鑑賞、インターネットが上位に挙がっていますが、男性はスポーツ観戦、女性はガーデニングなどと好みが分かれることもあります。
シニアの趣味や楽しみに使う時間やお金についての詳細は、次の記事で詳しく解説していますので、こちらを参考としてください。
ブログやSNSへの興味が増加!断捨離や闘病記などさまざま
昨今のシニアは、ITリテラシーを持っておりスマートフォンなどのデジタル機器を使いこなしていますが、SNSやブログを使って自ら配信している人も増えています。
きっかけとなったのはコロナ禍で、家にいる機会が多くなり、家のことや自分のことを見つめなおして、その思いをブログの形に残そうとしているからです。
いわば、エンディングノートの一環と言えるでしょう。
ブログの内容はさまざまありますが、生前整理ともいえる断捨離や自身の闘病記、思い出をつづったものなどがあり、自由に投稿しています。
「しておきたかったこと」や「自分の思い」を証として残したいなどのインサイトが見て取れます。
4. まとめ|シニアの終活への意識とインサイトを理解しよう
ここまで、シニアの終活について、定義と意識調査のまとめ、インサイトについて紹介しました。
シニアにとって終活とは、遺言書の作成や葬儀の準備などの物理的側面のみならず、生き方の振り返りや「やりたいことをする」機会も含まれていると言えるでしょう。
そうした思いを綴る手段として、最近はブログやSNSを気軽に利用し、目にする機会が増えました。
50代以上のシニア専用SNSサービス、コミュニティアプリ「おしるこ」は、全国に6万人以上のユーザーが利用しています。シニアの思いやインサイトを知るうえで大変に役立つので、マーケティング担当者におすすめのSNSです。
サービス事例や広告展開などについては、以下のページで紹介していますので、是非ご覧ください。