親孝行ニーズを活かす!シニア向け市場の新たなPR戦略

親孝行ニーズを活かす!シニア向け市場の新たなPR戦略
シニアのインサイト 投稿日:

親孝行ニーズを活かす!シニア向け市場の新たなPR戦略

「シニア向け市場にチャンスがあることはわかるけど、どうやって訴求しよう……」という悩みをお持ちの方に、本記事ではシニアの子ども世代が持つ「親孝行したい」というニーズに訴求することを提案します。シニア向けの商品やサービスを、実際に購入するのは子ども世代というケースも多々あるからです。

目次

  1. 拡大傾向にあるシニア向け市場
  2. 「親孝行したい!」子ども世代への訴求もPR方法の1つ
  3. 親孝行向きの商品・サービスの実例
  4. 親孝行ビジネスのマーケティング
  5. 「孝行のしたい時分に親はなし」親はいつまで元気でいるかわからない!
  6. 中高年向けSNSの広告で効果的なPRを!

1.拡大傾向にあるシニア向け市場

シニア向け市場は年々拡大傾向にあります。ニッセイ基礎研究所の調べでは、シニア向けの市場の規模は2012年時点で100兆円に達しているとされています。2030年には111兆円になると見込まれており、当面は拡大し続けるでしょう。しかしシニア世代の人口のピークは2045年に訪れる見込みです。それまでに市場でどこまでシェアを獲得できるかが重要になるでしょう。

参考:高齢社会に潜むビジネスチャンス(ニッセイ基礎研究所)

シニア向け市場規模については、こちらの記事も参考にしてください。

2.「親孝行したい!」子ども世代への訴求もPR方法の1つ

シニア向けの市場は既に飽和状態となっていて、マーケティングが難しいともいわれています。しかしシニア向け商品・サービスのマーケティングの方法としてはさまざまなものが考えられ、中には競合相手の少ない方法もあるでしょう。

そこで、シニアの子ども世代への訴求を、選択肢の1つとすることを提案します。

子ども世代の8割近い人は親孝行をしたいと考えている

フェリシモが実施したアンケートでは、回答者の実に8割近くが「親孝行をしたい」と答えています。ところがその一方で、5割近くの人が「親孝行できていない」と答えています。

さらには、セイコーホールディングスが発表した調査結果によると、10~60歳代のおよそ75%が「親と過ごす時間が足りない」と答えています。

「親孝行をしたいのに、親と過ごしたいのに、それができていない」という人がこんなにもいることは、シニア向けビジネスを展開する上で意識するとよいでしょう。

参考:【アンケート結果】「親孝行&母の日について」のアンケート(フェリシモ) 

収入が少ないシニアの場合、購入者は子ども世代

シニアの経済力は人によって大きく変わります。収入が年金のみで生活費は年金と貯金から出しているというシニアがいるとして、その人に商品・サービスの魅力を訴えても、その財布のひもが緩むことは期待できないでしょう。経済力のある子ども世代に訴えかける必要があります。
また、シニア向けサービスや商品の中には、購入を検討したり、実際に代金を支払ったりする人がシニアの子ども世代であるものもあります

このように、売り込みたい対象やPRしたい商品・サービスによっては、子ども世代へのPRが効果的かつ重要になってくるのです。

3.親孝行向きの商品・サービスの実例

旅行

親孝行したい子ども世代へのPRに向いている商品・サービスを、実例を交えていくつか紹介します。

旅行商品

親への贈り物として旅行をプレゼントしたという人は、三井ガーデンホテルズの調査によると、「食事」「食品・飲料」に続いて3番目に多くなっています。それくらい、親孝行の形として旅行は一般的です。

参考:必要な時のみ連絡をする親子関係よりも週に1回以上連絡を取り合う親子関係が主流に!その一方で、親孝行ができていないと感じている人は7割に上ることが判明 | (三井ガーデンホテルズ)

親への旅行のプレゼントの形としては、子ども世代が自分で旅行のプランを考えて、親を連れていくという方法や、旅行会社などで子ども世代がツアーを予約して親に旅行してもらうという方法が考えられます。旅行ギフト券や、ツアー商品がラインナップに含まれるカタログギフトを贈るという方法をとることもあるようです。売り出したい旅行商品の特徴や、対象のシニアに応じたPR方法を検討しましょう。

参考:両親へ旅行のプレゼントがしたい!おすすめの方法や贈る時の予算相場を紹介(東京博善)

見守りサービス

子ども世代と離れて暮らすシニアを、スマートフォンやインターネットに接続できる家電の機能などを通じて見守るサービスの利用も、子ども世代からできる親孝行の1つの形として定評を得ています。

例えばスマートフォンで利用できる「ピースサイン」という見守りサービスがあります。必要な機器はスマートフォンだけ、毎日届く通知は1日1回で無理のない見守りが可能、利用料金は見守る側のみ月額500円といった手軽さがポイントです。毎日つながりを持つことでお互いの存在を身近に感じられる、1日1回でもコミュニケーションをとることが会話につながっていくといった効果がPRされています。

参考:高齢者見守りサービス【ピースサイン】

見守りサービスなどのシニア向けデジタルサービスについては、こちらの記事も参考にしてください。

介護用ロボット

介護が必要なシニアに向けた介護用ロボットのプレゼントも、1つの親孝行の形と考えられるでしょう。

RT.ワークスのロボットアシストウォーカーは、高齢者の歩行をサポートする、手押し車形のロボットです。ハンドル部に設けられたセンサーや、本体に設けられたモーションセンサーで得られた情報をもとに、上り坂での歩行のアシストをしたり、下り坂や転倒しそうになったときにブレーキをかけたりする機能を持っています。歩き疲れたときには、椅子として腰かけて休憩することもできます。また、歩いた距離を知らせる機能もあり、シニアの外出したい、歩きたいという意欲を強く後押ししてくれるのです。

参考:ロボットアシストウォーカー RT.3(RTワークス)

他には、シニアがペットを飼うには世話などの手間がかかって大変ですが、ペットの代わりになるような介護用ロボットも今は出てきています。介護施設でも導入され、シニアの癒しに役立っています。

ただし、介護用ロボットは、シニアへのプレゼントとしては、現時点で決して一般的なものではありません。

背景にはロボットよりも命あるものをかわいがりたいといった心理があるものと考えられ、介護用ロボットが普及していくかどうかは、今後のイメージ戦略などにかかってくるでしょう。

シニア向けのロボットのPRについては、こちらの記事も参考にしてください。

4.親孝行ビジネスのマーケティング

売り込みたい商品・サービスが決まったならば、マーケティングを推進していくことになります。おおまかな手順はシニアを対象にマーケティングする場合と同じです。

まずは「ターゲティング」です。商品・サービスを売る相手を絞り込むことで、今回の場合は、対象はもちろん親孝行したい子ども世代です。

続いて「ペルソナ設定」です。ペルソナは架空のユーザーという意味で、ターゲットをさらに深めることで「具体的でリアリティのある人物像」を作り上げます。この人物像をしっかり作らないと、商品・サービスを誰に対して売り込みたいのかがぼやけて、効果的なPRが行えなくなります。

続いて「カスタマージャーニーマップ策定」です。顧客、つまりは親孝行したい子ども世代が、どのように商品・サービスを認知し、購入に至っていくのかを思い浮かべます。

そして顧客の行動をイメージできたらいよいよ「プロモーション設計」に入ります。広告をどのような媒体で、どのようなメッセージで訴求するのか、ここまでに検討した内容に沿って考えましょう。

マーケティングの手順やペルソナの設定については、こちらの記事を参考にしてください。

さて、親孝行したい子ども世代を対象にターゲティングを行う際に、1つ念頭においていただきたいことがあります。それは「海外の子ども世代もマーケティングの対象になりうる」ということです。

例えば、中国は日本以上に「親孝行の国」といわれています。そして三井物産戦略研究所の調査によると、海外へ観光旅行をした中国の高齢者の割合は(コロナ前のデータですが)増加傾向にあり、また、子ども世代が同伴するケースも増えているとのことです。親子同伴の中国人観光客の消費額は、同伴ではない観光客よりも2割増しといわれていて、子ども世代の「親孝行消費」が無視できないものであることを物語っています。

参考:拡⼤する中国・⾼齢者消費市場(三井物産戦略研究所)

日本へ観光旅行に来てもらうという方法はわかりやすいですが、それ以外にもさまざまな商品やサービスを、海外の親孝行したい子どもにPRすることが可能でしょう。世界の多くの大国で高齢化が進んでいる現在、親孝行ビジネスの裾野を広げていくチャンスは世界中にあるといえます。

5.「孝行のしたい時分に親はなし」親はいつまで元気でいるかわからない!

「孝行のしたい時分に親はなし」ということわざがあるように、シニア世代の親はいつまで元気でいられるかわかりません

例えば、父親は若い内に亡くなっていて、母親は遠方で生活費を稼ぐために仕事をしている、という人があるところにいるとします。きっとこの人は、父親には親孝行ができなかったから母親にはぜひ親孝行をしたい、と思っていることでしょう。しかし、世の中の子ども世代が皆、この人のように親がいつかいなくなるという実感を持って暮らしているわけではありません。「親がいつまでも元気でいられるかはわからない、だから早く行動を起こそう!」と子ども世代に訴えるのは、言葉の使い方がなかなか難しいですが、アプローチの一手としては有効だと思います。

6.中高年向けSNSの広告で効果的なPRを!

親孝行したい子ども世代へのマーケティングについて提案・解説してきました。

親孝行したい子ども世代や、なかなか親孝行できないといった悩みを抱えている人は大勢います。そしてきっと、親孝行できなかったことを後悔している人もまた大勢いることでしょう。

時間をかけて効果的なマーケティング手法を検討し、ぜひとも子ども世代にかけがえのない親孝行の経験を提供してください。

なお、高齢化が進んだ現在の社会では、親孝行がしたい子ども世代もまた中高年であることも珍しくありません。

弊社では50歳以上限定のSNS「おしるこ」を運営しており、おしるこに広告を掲載することで、50歳以上の世代に効果的なPRを行うことができます。

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