現代のシニア世代は家事負担の軽減に積極的|注目される家事代行サービスの動向も解説

現代のシニア世代は家事負担の軽減に積極的|注目される家事代行サービスの動向も解説
シニアのインサイト 投稿日: 更新日:

現代のシニア世代は家事負担の軽減に積極的|注目される家事代行サービスの動向も解説

心地よい生活のために欠かせない家事ですが、やることは多岐にわたります。

掃除・洗濯・調理などのイメージしやすいものだけでなく消耗品の補充・ごみの仕分け・植木の水やりなど、こまごまとしたものも含めるときりがありません。

しかし、昭和55年以降共働き世帯数は増え続け、どの世代も家事に割ける時間はどんどん少なくなっているのが現状です。

そんな中で、家事負担を減らすための便利な商品やサービスが続々と誕生しています。

若い世代だけでなく、シニア世代もこの商品やサービスを利用して、時間を効率的に使っているのでしょうか。

そこで本記事では、シニア世代の家事についての考えや、家事負担軽減のための商品・サービス利用の実態を解説していきます。

シニア世代への効果的なアプローチ方法についても解説しますので、家事負担軽減のための商品やサービスの広告出稿を検討している、という方は参考にしてみてください。

参照:男女共同参画白書(概要版)平成30年版(内閣府)

目次

  1. シニアは家事負担が大きいと感じている
  2. シニアが家事負担を減らすために利用しているサービスや商品
  3. 家事代行は新規客獲得のチャンスが広がっている
  4. 家事代行は快適なシニアライフのためのサービスであるとアピールしよう
  5. まとめ

1.シニアは家事負担が大きいと感じている

シニアは、子育てが一段落し、定年退職などで仕事を離れる人も多く、生活スタイルが大きく変わっていく年代です。しかし、今までと同じ家事をこなしていくのには、負担が大きいと感じているようです。

その理由を下記で詳しく解説します。

身体能力の低下による負担

内閣府が令和4年に65歳以上の男女に実施した調査では、現在の健康状態についての問いに24.6%の人が「良くない」と回答しました。

また、日常生活での活動状況については、自分で食事の用意をしているかの問いに35.4%の人が「していない・できない」と回答しています。

歳とともに動きづらくなる身体で、今までと同じ量の家事をこなすことが難しいと感じているようです。また、夫婦やパートナーで同居している場合は、定年退職を迎え一緒に過ごす時間が長くなります。

家事を分担しなければ、それまで家事をしていた側にそのまま家事の負担が残りますが、家事能力の差が出てしまうことも多く、家事負担を半分にするには時間がかかるかもしれません。

解決策として家事分担を考えることも必要ですが、家事そのものや家事負担を減らせないかの検討をする方が現実的でしょう。

参照:令和4年 高齢者の健康に関する調査結果(内閣府)2/1 令和4年 高齢者の健康に関する調査結果(内閣府)2/2

家事の時間を短縮して、生活を充実させたい

シニアは、生活の大部分を費やしていた仕事や子育てがひと段落し、自分のために使える時間やお金が増える世代です。

特に、活動意欲が高く金銭的余裕がある「アクティブシニア」は、ネットも積極的に活用し、趣味や旅行、コミュニティでの活動に参加するなどアクティブに動きます

自分のやりたいことを楽しむため、負担に感じる家事を手放す傾向が強いです。

また、明確な定義はありませんが、シニア期の前段階にあたる45歳〜50代全般は、一般的に「プレシニア期」と呼ばれています。

自分たちがシニア期をどう過ごすか、具体的な検討や準備を進めていく世代です。

家事の負担をどう減らすかを考えることは、セカンドライフを充実させる大切な準備の1つとなるでしょう。

シニアマーケティングにおいて重要な位置づけとなる、アクティブシニアやプレシニアの年齢や特徴については、下記の記事で解説しています。

より詳細を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

2.シニアが家事負担を減らすために利用しているサービスや商品

シニアは身体的能力の低下や、生活の充実のため、家事負担の軽減に対する意識が高い人が多いです。

家事負担軽減のために利用しているサービスや商品について、下記の内容で具体的に解説していきます。

  • 買い物や料理の負担を減らすネットスーパー・配食サービス
  • さまざまな家事の手間を減らす時短・便利家電
  • 家事からシニアサポートまでお任せできる家事代行

ぜひ参考にしてみてください。

買い物や料理の負担を減らすネットスーパー・宅食

スマホを持つ笑顔の女性

ネットや電話などで注文した商品を配達するネットスーパー、調理済みの料理を容器に盛り付けたものを配達する配食サービスは、シニアの食事の負担を大きく軽減するサービスです。

1日3回の食事は調理や買い出しの手間がかかるうえ、食が細くなるシニアは栄養にも配慮した献立を検討しなければいけません。

2013年に実施された配食サービスを利用している65歳以上の人への調査では、配食サービスを利用する理由の1位が「栄養バランスのある食事をとれるから」2位は「調理が身体的に困難だから」という内容でした。

この結果から、栄養バランスに配慮した食事の用意が負担に感じていることが伺えます。

また、ネットスーパーの需要は、新型コロナウイルスの影響で人との接触を避けるため、2020年から大幅に上昇しています。

特に、2020年は70代のネットスーパーの利用件数が、前年同期比で200%を超えている期間があります。

ネットを使いこなすシニアが今後も増え続ける中で、ネットスーパーや配食サービスの利用へのハードルはどんどん低くなり、利用者は増えていくでしょう。

参照:高齢者向け食事・食品提供サービス等実態調査事業報告書(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)

参照:コロナ下で急拡大するネットスーパー(流通経済研究所)

さまざまな家事の手間を減らす時短・便利家電

掃除ロボット

自動で床掃除をするお掃除ロボットや、食材を入れてスイッチを押せば調理をする自動調理鍋など、家事の一部をサポートしてくれる時短・便利家電が数多く販売されています。

また、シニア向けのデザインでシンプルな操作性や持ち運びしやすい重量の家電なども豊富です。

家事は運動量が多く、しゃがむ・立ち上がる・高い場所の作業・重いものを運ぶなど、身体に負担がかかる動作が多くあります。

そのような時に、床掃除をロボット掃除機で、洗濯から乾燥までドラム式洗濯機で、というように家電を利用すれば、身体的な負担は軽減され時間の節約にもなります。

現代では、時短・便利家電を使用している家庭が多く、例えば自動食洗器は内閣府の消費動向調査で、2人以上の世帯の普及率が37.3%に上ると出ています。

時短・便利家電が生活に根付いたシニア層が増えることで、ますます時短・便利家電の種類も増えていくでしょう。

シニアの時短・便利家電の利用率は今後も伸びていくと考えられます。

参照:消費者動向調査令和6年3月実施調査結果(内閣府)

家事からシニアサポートまでお任せできる家事代行

スタッフが依頼者の自宅を訪問し、掃除や洗濯、調理などさまざまな家事を代行する家事代行サービス。

近年では、シニア向けのサービスとして、外出時の付き添いや生活の介助などのサポートも行っている業者もあります。

サービス利用時は代行スタッフとのコミュニケーションが欠かせないため、スタッフとの会話・訪問により孤立を防ぐことにも繋がります

特に独居のシニアには、自身の安心だけでなく、家族にとっても安否確認になる便利なサービスだと言えるでしょう。

2018年の調査で、家事代行を利用したことがあるかという問いに、「利用している・利用したことがある」と答えた人は、45歳以上の単身世代で5%、配偶者が居る45歳以上の女性で7.6%となりました。

利用者の比率は多くありませんが、サービスを知っている人は45歳以上の単身・配偶者ありのどちらも8割を超えています

家事代行を利用しない理由の1位は、「家族内で家事を行いサービスの必要性を感じない」で19.8%でした。

2位〜4位の理由は「他人が家の中に入ることへの抵抗感(17.5%)」や「価格が高い(15.1%)」「他人に家事を任せることへの抵抗感(12.1%)」といった内容になっています。

馴染みのないサービスを使用することへの心理的ハードルの高さから、認知度の高さと利用率の低さのギャップがあるようです。

参考:平成29年度商取引適正化・製品安全に係る事業(家事支援サービス業を取り巻く諸課題に係る調査研究)(株式会社 野村総合研究所)

3.家事代行は新規客獲得のチャンスが広がっている

家事代行は、認知度の高さと利用率の低さにギャップが見られますが、一方で2018年の調査で利用者の8割以上が「サービスに満足している」と回答しています。

また、「家事負担が軽減された(72.9%)」「継続して利用したいと思う(83.9%)」という評価もあり、1度でも家事代行を利用した人は、サービスへ高い満足感を感じるようです。

家事支援サービス業の市場規模は今後大きな拡大が予想され、2025年に25歳〜64歳の単身世代で2,810億円、45歳以上の配偶者のいる女性の世帯で3,537億円まで上昇する見込みです。

2022年の調査では、今後の家事代行の利用意向について、60代以上の男女では「利用したい」の回答が10%以下ですが、50代・40代の女性は20%弱まで上昇します。

家事代行は利用者がまだ少ないサービスですが、認知度が高く、利用意向が前向きな人も一定数居るため、新規顧客獲得のチャンスが広がっていると言えます。

チャンスを逃さないためには、シニア層の家事代行サービスの利用に対する心理的ハードルを取り除き、生活を便利にしてくれるサービスであると確実に伝えるアプローチが必須です。

参照:平成29年度商取引適正化・製品安全に係る事業(家事支援サービス業を取り巻く諸課題に係る調査研究)(株式会社 野村総合研究所) 市場調査データ 家事代行(2022年版)(独立行政法人中小企業基盤整備機構)

4.家事代行は快適なシニアライフのためのサービスであるとアピールしよう

家事負担を減らすサービス「ネットスーパー」や「家事代行」は、シニアの利用を伸ばすためにメリットをしっかりとアピールし、魅力を感じてもらうことが必要です。

そのアピールの場として、web広告の利用がおすすめだと言えます。

ネットスーパーは、先にも解説した通り、新型コロナウィルスの影響を受けて2020年ごろから需要が大幅に伸びました。ネットスーパーを利用していない人や、リピート利用しなかった人が積極的に利用するようになった様子が伺えます。

総務省統計局がネットショッピング利用世帯の割合の推移を調査した結果、65歳以上も2020年4月ごろからネットショッピングを利用する世帯の割合が伸びているということが分かりました。

家事代行サービスは、先述した2018年の調査で、「家事支援サービスの利用開始にあたり、誰から(どこから)の情報を参考にしたか」の問いに、「サービス事業者のホームページ(22.4%)」「サービスサイト・情報サイト(サービス比較サイト含む)(9.1%)」「SNS・個人のブログ(4.2%)」との結果が出ています。

シニアが利用する情報源についての2023年の調査でも、「情報収集に何を利用しているか」の問いに「インターネット」と答えた60代は61.8%、80代以上でも55.0%となり、半数以上がネットを利用しているという結果でした。

参照:平成29年度商取引適正化・製品安全に係る事業(家事支援サービス業を取り巻く諸課題に係る調査研究)(株式会社 野村総合研究所) シニアの接触メディアについて‐2023年3月調査(シニアライフ総研)

ショッピングや情報収集でネットを利用するシニアが多い現代で、web広告の活用は相性が良いと言えるでしょう。

特に家事代行は、年代や家族構成などによって家事に関する悩みや負担が違うため、訴求ポイントも変わります。

ターゲットを絞ってアプローチするweb広告は、シニア層へ向けて情報を発信することが可能です。

「身体的な不安へのサポート」「独居世帯を孤立させないサービス」など、シニアライフを快適にしてくれるサービスであることの訴求ポイントを、的確に届けることができるでしょう。

シニア向け広告に関して幅広く知りたい方は、オンラインからオフラインの広告まで解説している下記の記事をご覧ください。

5.まとめ

現代では、家事の負担は物やサービスに頼ってもいいという認識が広がっています。

シニア世代も夫婦共働きや定年後の再就職、趣味、ボランティア活動など忙しく活動している人が多いです。

また、自身の健康や介護の問題など、生活面での新たなサポートが必要になるケースもあります。

今の生活スタイルに合った物やサービスをアプローチし、消費を促すチャンスだと言えるでしょう。

シニアへは、Web広告が好相性だとお伝えしましたが、特におすすめなのが50歳以上限定のSNSプラットフォーム「おしるこ」です。

「おしるこ」では、利用者を50歳以上と限定しているため、シニア向けの情報を的確にシニア層へ届けることができます。

おしるこ内では、日記などを通して利用者がサービスの体験談を発信しており、口コミによるサービス情報の拡散も期待できます。

サービスに対する利用者の反応も確認することができるため、広告やサービス内容の検討にも役立てることができるでしょう。

家事負担を減らした快適なシニアライフのため、商品やサービスの的確なアプローチ、シニアのリアルなニーズ確認の場として、ぜひ「おしるこ」をご活用ください。

「シニアのインサイトを知りたい」「シニアへのアプローチは難しい」と課題をお持ちの方へ、有効なシニア向けSNSがあります。詳しくは以下をダウンロードしてみてください。

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