「生涯学習」としてシニアが取り組みたい内容とその理由|シニアが習い事を決めるポイントとは?
シニア世代が新たな可能性を求めて生涯学習に取り組む姿が増えています。
退職後も精力的に活動し、自分らしい充実した生活を送るために、彼らはさまざまな習い事に挑戦しています。
シニア向けの習い事は、単なる趣味や時間の潰しに留まらず、生涯学習の一環としても捉えられます。
本記事では、シニアが取り組みたい生涯学習の内容とその理由をいくつか挙げ、シニア向けの習い事の人気ジャンルや選び方について紹介します。
今回の記事で、シニアが「生涯学習」として、習い事を選ぶポイントを掴み、習い事を通じて活力を得られるシニアが増えることに役立てれば幸いです。
目次
1. 生涯学習としてシニアが取り組みたい内容とその理由
まずはじめに、シニアが取り組みたい生涯学習の内容とその理由をいくつか挙げてみます。
健康・フィットネスプログラム
長く健康でアクティブな生活を送るために、シニアは健康管理に重点を置く傾向があります。ウォーキング、ストレッチ、体操などのフィットネスプログラムは、体力維持や筋力強化に役立ちます。健康であれば、他の習い事やアクティビティにも積極的に参加できます。
認知症予防トレーニング
脳トレーニングや認知症予防プログラムは、シニアにとって重要な生涯学習の一環です。認知症予防トレーニングは、認知機能を刺激し、記憶力や集中力を維持・向上させることに役立ちます。パズル、クロスワード、記憶力トレーニングなどの活動が含まれます。
文化・芸術活動
芸術や文化に触れることは、心の豊かさや生活の質を向上させる効果があります。絵画、書道、俳句、茶道などの文化系習い事は、創造性や表現力を高めるだけでなく、ストレス発散や心の安定にもつながります。
コミュニケーションスキル向上
シニアは孤独や孤立感を感じやすい傾向がありますが、コミュニケーションスキルを向上させることで、社会とのつながりを深めることができます。語学学習やコミュニティ活動、ボランティア活動などは、新しい人との出会いや交流を促進し、心の豊かさをもたらします。
テクノロジー教育
テクノロジーは日々進化し、シニアにとっても重要なツールとなっています。スマートフォンやタブレットの使い方を学ぶことで、情報にアクセスしたり、友人や家族とのコミュニケーションを取ったりすることができます。また、オンラインでのショッピングやビデオ通話など、テクノロジーを活用した生活の便利さを学ぶことも重要です。
これらの生涯学習の内容は、シニアの心身の健康を維持し、社会とのつながりを深めることに役立ちます。企業や教育機関がシニア向けの習い事を提供する際には、これらのニーズに応えるプログラムを開発することが重要です。
2. シニアに人気の習い事22選
続いて、シニアドが独自に調査したシニアに人気の習い事を22選お伝えします。シニアにおすすめの習い事は多く、主に次のジャンルにわけられます。
- 語学系(英語・中国語・韓国語)
- 音楽系(楽器、歌)
- スポーツ系(ヨガ、太極拳、水泳)
- 文化系(カメラ、囲碁、将棋、書道、絵画、編み物、俳句、茶道、華道、着付け)
- インターネット系(パソコン教室・スマホ教室・eスポーツ)
- 料理系
語学系
主な習い事:英語、中国語、韓国語
英語や中国語は、若者だけでなくシニアにもニーズがあります。とくに韓国語は、韓流ドラマやK-POPグループの影響により、興味を持つシニアも多いです。
「海外旅行で外国語を話したい」「ドラマや映画を吹替なしで見たい」などの思いがきっかけで、語学系の習いごとを始めるシニアが増えています。
語学系の習い事は揃える道具や機材も少なく、その中でもオンライン学習は外出しなくても会話できるとして人気です。大手英会話教室のECC外語学院も、シニアのための英会話コースを開設するなどして、シニア市場に参入してきています。
音楽系
主な習い事:歌、楽器
歌や楽器などの音楽系の習い事もシニアに人気です。もともと音楽が好きだったシニアだけでなく、音楽に触れてみたいという興味から始めるシニアもいます。
音楽教室には歌ではコーラスやカラオケ、楽器では電子ピアノやフルートなどさまざまなジャンルがあります。シニア向けの音楽教室に通ったり、地域の音楽サークルに所属したりして音楽に打ち込むシニアが多いです。
ヤマハミュージックレッスンでは、シニアを対象としたウェルネスプログラムを実施。音楽と優しい運動を結びつけたプログラムで、シニアの体力の維持や増進を図ります。
スポーツ系
主な習い事:ヨガ、太極拳、水泳
アクティブシニアに人気な習い事が、ヨガや太極拳などのスポーツ系の習い事です。
激しく体を動かすよりも、ヨガや太極拳、水泳など自分のペースでゆっくり動くものが人気です。体を動かすだけでなく、仲間同士との交流があるのでコミュニケーションの機会を増やすのに最適といえます。
中にはRIZAPなどのように、シニアに特化したプログラムを提供するパーソナルジムも近年増加しています。専門家から筋トレなどの運動メニューのほかに、栄養摂取方法についてもアドバイスを受けられます。
文化系
主な習い事:カメラ、囲碁、将棋、書道、絵画、編み物、俳句、茶道、華道、着付け
文化系の習い事は、手軽に始められる習い事が多く、体力に自信がないシニアでも始めやすいのが特徴です。教室に通うだけでなく、展覧会などのイベントに出席したり、自分でコレクションを増やしたりと自分のペースで楽しめます。また手軽さから、俳句と茶道のように複数の習い事を掛け持つことも可能です。
また、NHKカルチャーのように、さまざまな習い事の中から自分に合った習い事を選ぶスクールも人気です。
インターネット系
主な習い事:パソコン教室・スマホ教室・eスポーツ
シニアのスマホ普及率は70代で70%を超えている一方で、スマホやパソコンなどに対して苦手意識を持つシニアも少なくありません。インターネットを使えるようになりたいシニアのニーズに応えて、シニア向けの教室が多く展開されています。
そして若者のイメージが強いeスポーツも、シニア層に注目されています。秋田県で高齢者プロチームが発足され、愛媛県でシニアと孫世代の交流を深めるeスポーツ体験会が開かれるなど、全国でブームの兆しを見せているのです。
eスポーツはシニアの認知症予防や注意力改善に効果があるとして、eスポーツ業界の参入を検討する企業が増えるかもしれません。
シニアのスマホ普及率やそれに伴う行動の変化については、下記のページで詳しく紹介しています。ぜひご覧になってみてください。
また、eスポーツがシニアに与える効果についても詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
料理系
シニアの中には「口にするのはいつも同じメニューばかり」「たまには違うのを作りたいけど気力がない」と、料理や食事メニューに関する悩みを抱える人も多いです。これらを解決するために、いつもの食事にメリハリをつけようと料理教室を始めるシニアもいます。
費用は会費のほかに食材費がかかるところがほとんどですが、器材は教室で用意されているので、エプロンやタオルなどを用意するだけでレッスンの受講が可能です。
シニア向けの料理教室を開催するところも多く、シニアでも食べやすい味や量、栄養バランスを考えたメニューを提供しています。またオーブンなどの調理家電の使い方は講師がわかりやすく教えてくれるほか、親子または孫と一緒に作るプログラムを開いているところもあります。
3. シニアが習い事を決めるときのポイント
主なシニアは、次の5つのポイントで習い事を決めることが多いです。決めるポイントは30代・40代と似ていますが、少ない体力でパフォーマンスを上げることを重視する傾向があります。
自宅から通いやすい
シニアが習い事を選ぶとき、自宅からの通いやすさは大変重要になります。若者と比べて体力が限られているシニアにとって、移動による疲労は習い事への参加を妨げる要因になるからです。
そのため、シニアは徒歩やバスなどの交通手段を使って、自宅から簡単に通える教室を好むことが多いです。さらに近隣の人々との交流の機会も増え、地域コミュニティにも貢献できるメリットもあります。
自分の体力に合わせやすい
シニアは、自身の体力に合わせやすい習い事を選ぶことが多いです。自分の体力に合わせた活動なら、健康を保ちながら続けられます。
たとえば、太極拳やゆったりとしたシニアヨガなどは、体力に合わせやすく、無理なく楽しめます。スポーツ系の習い事であれば、休憩時間が設けているものや自分のペースで続けられるものが人気です。
簡単に取り組みやすい
シニアにとっては、未経験でもブランクがあっても簡単に取り組みやすいことが重要です。簡単に始められるので楽しみをすぐに実感できるほかに、継続しやすいと感じやすいからです。
たとえば、初心者向けのガーデニング教室やスマホ教室などがあります。また初心者向けの習い事は、知り合いのシニアを誘いやすいメリットもあります。
楽しく通える雰囲気である
シニアが楽しく通える雰囲気のある場所も選ばれやすいです。シニアが安心して楽しめる環境であれば、モチベーションも維持しやすくなります。
たとえば、ダンス教室や音楽サークルなどは「この曲の振付を覚えたい!」などのように、同じ目標をもつ仲間が集まって楽しく学びやすいです。
経済的負担が少ない
多くのシニアは、年金や退職後の預貯金などから習い事にかけられる予算も制限されがちです。そのため、手ごろな料金で楽しめる習い事がシニアに好まれる傾向があります。
たとえば、地域の公共施設が提供するカルチャークラスやサークルは、経済的に手頃であることが多いのでシニアが利用しやすいです。
シニアが習い事を始められないときは「不安要素」を理解することが大切
新しい習い事を始めようとするシニアも多いですが、さまざまな理由で習い事を始められないシニアも少なくありません。
たとえば、次のような悩みが原因で、習い事を始められないシニアも多いです。
- 習い事をやる時間やお金が十分にない
- 周囲に習い事教室がない
- 知らない人がいる場所に行く勇気がない
- 自分がやりたいと思える習い事が見つからない
- 習い事を続ける自信がない
シニアは若者に比べて自由に使える時間やお金が多い傾向があります。しかし、長く人生経験を積んだシニアだからこそ、新しいことに挑戦するときは慎重になりがちです。
このような背景を踏まえて、習い事ではシニアの悩みを解決できるサービスを提供することが大切です。
4. まとめ
シニアの生涯学習は、彼らが健康で充実した人生を送るための重要な要素です。
習い事を通じて新たな知識や技術を身につけることはもちろん、地域のコミュニティでの交流や活動の場としても重要視されています。
シニアが自分らしい生活を送るためには、自分に合った習い事を見つけることが大切です。そして、シニア向けの習い事が成功するためには、彼らの悩みを解決し、安心して続けられるサービスを提供することがポイントとなります。
単にコンテンツの充実や料金を見直すだけでなく、シニアのニーズに合わせた工夫が求められます。シニアの習い事に対する悩みや願望を把握するためには、シニアに対してインタビューやアンケートなどで、彼らをターゲットにした広告を展開するのが効果的です。
8万人以上のシニアが集まるSNS「おしるこ」は、シニア同士が毎日の出来事や習い事の感想などを語り合う交流の場です。シニアマーケティングに最適な「おしるこ」を活用することで、シニア層のファンを増やし、彼らにアピールすることが可能です。
また、「おしるこ」では、シニア層が自らの興味や情熱を追求するための支援を提供する「I CAN バッジプログラム」を立ち上げました。下記のページで、開発元のインタビュー記事で詳しく紹介していますので、ぜひ、ご覧になってみてください。