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高齢者のリスキリングはミドルシニア世代がリード
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高齢者のリスキリングはミドルシニア世代がリード

2022年流行語大賞のノミネートにより、世の中に広く知れ渡った「リスキリング」。定年延長や再雇用などの高年齢者雇用安定法の改正と重なり、高齢者のリスキリングに関心が高まっています。しかし、実際の現場はどの様な状況なのでしょうか?本記事では、高齢者のリスキリングへの意識や現状について解説します。

目次

  1. リスキリングとは?関心が高まる高齢者の雇用制度にも注目
    • リスキリングとは?
    • リスキリングと高年齢者雇用制度は近年のトレンドワード
    • 人生100年時代の高齢者の働き方
  2. 高齢者の意識を調査!リスキリングや働き方の傾向
    • 高齢者(ミドルシニア層)のリスキリングへの意識
    • 高齢者(アクティブシニア層)の働きがい
    • 高齢者のリスキリングは50代が牽引
  3. まとめ

1. リスキリングとは?関心が高まる高齢者雇用制度にも注目

シニア働き方

近年、「リスキリング」「学び直し」「リカレント」など社会人の学びに関する言葉を耳にするようになりました。その背景には、国の政策や健康寿命の延伸が関わっています。今、なぜリスキリングが注目されているのか、その経緯を追っていきましょう。

リスキリングとは?

「リスキリング」とは、企業が人材の再教育や新たな学びの機会を与えること。2018年の世界経済フォーラム「ダボス会議」で提唱され、世界各国に浸透しました。

よく似た言葉に「リカレント教育」というものがありますが、こちらは個人的な「学び直し」。社会に出た後に教育機関や社会人向けの講座を受講し、自ら学び直すことを指します。

企業が主導となる「リスキリング」は、従業員のスキルアップや成長分野への就労移行を目的としていることが特徴です。

欧米諸国と比較すると、日本は元々「リスキリング」への意欲が低い国でした。多くの企業が年功序列で昇進する為、働き手のスキルアップの意識が低かった事が一因です。また、企業側にとって「リスキリング」は、研修費用がかかる上に人材流出のリスクも高まります。

それが何故、今注目が集まっているのでしょうか?

リスキリングと高年齢者雇用制度は近年のトレンドワード

「リスキリング」という言葉が日本で脚光を浴びたのは、2022年。岸田内閣の所信表明演説と、流行語大賞のノミネートがきっかけでした。

2022年10月3日の所信表明演説で、岸田総理は「リスキリング支援として5年間で1兆円を投じる」ことを表明。リスキリングにより成長分野に労働者を促し、労働生産性の向上や持続的な賃上げに繋げるのが狙いです。それに連動し、デジタル分野を中心とした人材開発支援助成金制度が拡充しました。厚生労働省の補助金制度のサポートにより、企業のリスキリングへの関心が高まっています。

参考:厚生労働省 人材開発支援助成金PR動画

また、労務関連の近年のトピックとして「高年齢者雇用制度の改正」があります。

少子高齢化が進む中、労働者の確保と高齢者が活躍できる環境の整備を目的として「改正高年齢者雇用安定法」が令和3年4月1日より施行。65歳までの雇用確保に加えて、「70歳への定年の引き上げ」「定年廃止」「70歳までの継続雇用制度」などの5項目から、いずれかの対応が努力義務となりました。

人生100年時代の高齢者の働き方

人生100年時代を目前に、高齢者の働き方や貯蓄への意識も変化しています。厚生労働省の2022年7月の報告によると、日本人の平均寿命は、男性81歳・女性87歳。自立した生活が可能である健康寿命は、男性72歳・女性75歳と、元気な高齢者が増えています。

寿命が伸びるのは喜ばしいことですが、その分必要なお金も増えるのが高齢社会の課題。

日本公庫総研の調査によると、「経済的事情により働く必要がある」と感じている高齢者は、60〜64歳で75%。65〜70歳で44%と、老後の貯蓄への不安も大きくなっています

日本公庫総研調査
参考:日本公庫総研レポート

また、高齢化が進む一方で労働人口全体は年々減少。不足する労働力を補う為、高齢者の現役延長を望む声が高まっています。特に中小企業では高齢者の構成比が高く、高齢者のスキルを生かした運営・マネージメントは、今後の経営のポイントです。高齢者の経験・知識を生かした組織づくりは、企業の課題であり発展のチャンスとなっています。

高年齢者雇用状況等報告
参考:厚生労働省令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果

人生100年時代におけるシニアに関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。

2. 高齢者の意識を調査!リスキリングや働き方の傾向

リスキリング中高年

少子高齢社会が進む中で、リスキリングや高齢者の労働力を重視する声が高まってきました。しかし、高齢者自身の意識はどうでしょうか?現役世代のミドルシニア層と、定年前後のアクティブシニア層への調査を元に解説します。

(高齢者)ミドルシニア層のリスキリングへの意識

エン・ジャパンの2022年の調査によると、現役世代であるミドルシニア層で、リスキリングに取り組んでいる人の割合は31%。リスキリングを始めた動機としては、「仕事上必要に感じて自発的に始めた」という方が多く、82%でした。

必要だと感じるスキルは、「語学」に次いで「ITリテラシー」や「データサイエンス」が続きます。国の強化カテゴリーに沿った学習傾向から、補助金制度を生かしたリスキリングが今後も実践されることが予想されます。

課題としてあげられたのは、「学習時間の確保の難しさ。」実際リスキリングに取り組んだ方も、リスキリングに取り組んでいない方の理由としても、上位に上がっています。現役世代のリスキリングを促進する為には、仕事中の研修時間だけでなく生活の中での学習時間にも配慮していくことが大切です。

リスキリング実態調査
参考:エン・ジャパン ミドル1700人に聞く「リスキリング」実態調査

また、50代・60代の女性をメインとしたアンケートでは、35.9%が既にリスキリングに取り組んでいると回答(2022年11月ストアカ調べ)。女性のミドルシニア層においても、セカンドキャリアに向けての意識の高さが伺えました。

リスキリングしたいスキルランキングでは、コミュニケーションスキル(1位20%)・語学(2位13%)・趣味関連(3位10%)。男女が求めるスキルの違いは、注目したいポイントです。

また、課題であげられたのは、お金がかかる(1位51%)・どんなスキルを身につけるべきかわからない(2位36%)が上位でした。子育てや仕事が一段落した中で、今後どう働いていくのか?模索している傾向が見られます

(高齢者)アクティブシニア層の働きがい

定年前後のアクティブシニア層(65歳〜75歳)の意識は、ミドルシニア世代とは異なります。また、企業側から求められる役割も変わります。

2017年日本公庫総研レポートによると、高齢者自身の働きがいは、定年前後で「昇給・評価」から「能力発揮・納得できる仕事」に変化していきます。新しいスキルを身につけるより、「自分の培った能力を生かせる職につきたい」と考える高齢者が多い傾向です。Indeed「シニア世代の就業」に関する意識調査でも、同様の流れが伺えます。

「シニア世代の就業」に関する意識調査
参考:Indeed「シニア世代の就業」に関する意識調査

また、企業が求める高齢者の役割としても、技術や継承や知識を生かした仕事があげられています。(2017年日本公庫総研レポートより)

欧州委員会の民主主義・人口動向担当副委員長であるドゥブラフカ・シュイカ氏は、「高齢者にとって、職場での新しいキャリアは課題となるケースも多い。高齢者は後輩の同僚を指導することで専門性と知識を引き継ぎ、自信も新たな役割を担うことができる」と高齢者の働き方について提言。

高齢者・企業・専門者の見解から、アクティブシニア層はリスキリングより「今持っている経験・知識を生かした働き方」に行きついていると言えるでしょう。

シニア積極活用例
参考:2017年日本公庫総研レポート

高齢者のリスキリングは50代が牽引

以上の調査から、高齢者のリスキリングはミドルシニア世代が中心となっていることが分かります。
更に年代別に分析してみましょう。2022年9月のIndeed調査によると「シニア期の働き方について検討・行動し始めた年齢」は、50代が過半数を占めています。50代は、老後の生活が現実味を帯びてくる時期。70歳に向けてのセカンドキャリアを考える上で、ターニングポイントになってきます。

シニア期の働き方について検討・行動し始めた年齢
参考:Indeed「シニア世代の就業」に関する意識調査

また、「シニア期に働く意欲・必要性」の調査でも、必要性を強く感じているのは50代です。

このことから、現状50代が高齢者のリスキリングをリードしているといえます。しかし、定年70歳時代の働き方を模索していく上で、50代のリスキリング意識の高さは、今後他のシニア世代にも影響を与えていくでしょう。

シニア期に働く意欲・必要性
参考:Indeed「シニア世代の就業」に関する意識調査

3. まとめ

高齢者のリスキリングは、ミドルシニア層である50代を中心に高まりをみせています。また、企業では助成金制度の支援に沿った教育・研修の機会が増えることが予想されます。

70歳定年時代に向けて、50代はターニングポイントとなる年代です。しかし、少子高齢化社会が進行する中で、60代・70代の高齢者への国のアプローチも変わるでしょう。アクティブシニア層への社会制度や環境の変化も、引き続き注目しましょう。

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