ノスタルジー消費とは?マーケティングへの活用方法を解説
シニア世代の「ノスタルジー消費」という消費行動をご存じでしょうか?
若い時代を懐かしむことから生まれるこの消費行動を理解すれば、新たなヒット商品を生み出せるかも知れません。
この記事では、ノスタルジー消費とはなにか、各世代がどのようなものにノスタルジーを感じるのかをご紹介します。
シニア世代にどのような商品が求められているのか知りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. ノスタルジー消費とは?
「ノスタルジー消費」は、20歳頃までに体験した文化を懐かしむ気持ちから生まれる消費行動です。
ノスタルジーという単語はフランス語に由来し「郷愁」や「懐古」「追憶」といった、過去の経験や思い出を懐かしむ気持ちを意味します。
似た意味の言葉にレトロがありますが、レトロは世間一般にみて古いものを指し、自身の経験に基づく懐かしさを感じるノスタルジーとはわけて使用されることが多いようです。
ノスタルジーを感じる対象は、食生活・文学・音楽・映画・漫画・テレビ番組・ファッション・スポーツ・生活環境などさまざまです。
ノスタルジーを感じるモノを手に入れたり、体験したりすることで、シニア世代は若かった当時の「わくわく」「ドキドキ」といった刺激的な気持ちを追体験することを求めていると考えられます。
よって、ターゲット世代がノスタルジーを感じるモノや体験を再現することで、ノスタルジー消費を生み出すことができるでしょう。
復刻版CDやDVD、映画のリメイクなどはノスタルジー消費を狙った典型的な例といえます。
また、NHKの朝ドラは、戦前・戦後・高度成長期を時代設定とすることが多く、朝にテレビを観るシニア世代のノスタルジー消費を狙ってると考えられます。
2. ターゲット世代のノスタルジーを知る
ターゲットとする世代が20歳頃までにどのような文化を体験してきたかを知れば、何にノスタルジーを感じるかがわかります。
各世代が20歳頃までに流行したもの・経験した出来事の一部をご紹介しますので、商品開発やマーケティングの参考にしてみてください。
焼け跡世代
1935〜1946年生まれで、幼少期や少年期に第2次世界対戦を経験した世代です。
焼け跡世代の人々が20歳頃までに流行したもの・経験した出来事は下記のとおりです。
- 戦後初のヒット曲として「リンゴの唄」が流行
- 天才少女歌手と呼ばれた美空ひばりの曲「東京キッド」が流行
- 手塚治虫の漫画「鉄腕アトム」が連載
- 「太陽族」と呼ばれる若者の出現
- 洋裁ブームによる「洋服」の定着
この世代の都市部に住んでいた人々は、戦時中は防空壕と焼け跡の中で過ごし、戦争被害に苦しみました。
父親を戦死などで亡くし、母子家庭で育った人も少なくありません。
戦後は日本独自の文化も生まれ、海外の文化も徐々に取り入れられました。
団塊の世代
戦後のベビーブームによって誕生した、1947〜1949年生まれの世代です。
団塊の世代の人々が20歳頃までに流行したもの・経験した出来事は下記のとおりです。
- 「東京オリンピック」開催
- 東京・銀座のみゆき通りに集まる「みゆき族」と呼ばれる若者の出現
- 「アイビー・ルック」と呼ばれるファッションの流行
- 「ザ・ベンチャーズ」「ビートルズ」を中心としたバンドの流行
- 「エレキギター」の流行
- 「カラーテレビ」「クーラー」「自動車」が三種の神器として広まる
- 「学生運動」が盛んに行われる
団塊の世代は、戦争を知らない第一世代です。
欧米文化に憧れ「ビートルズ」などの洋楽を聞き「アイビー・ルック」などのファッションを取り入れました。
海外からやってきた新しい文化や最先端の流行に、大きな影響を受けた世代といえます。
団塊の世代について、詳しくは以下の記事をご参照ください。
しらけ世代
1950〜1960年代前半生まれで、団塊世代が執心した学生運動も鎮火しており、政治に無関心で冷めているといわれる世代です。
しらけ世代の人々が20歳頃までに流行したもの・経験した出来事は下記のとおりです。
- 東京オリンピックの流れによる「スポ根アニメ」の流行
- ファッション誌「an・an(アンアン)」「non-no(ノンノ)」の発刊
- 「ニュートラ」「ハマトラ」と呼ばれるファッションの流行
- 「バービー人形」「リカちゃん人形」の発売
- 「ウルトラマン」「仮面ライダー」の放送開始
- イギリスのファッションモデル「ツイッギー」来日による「ミニスカート」の流行
- アポロ11号の月面着陸
- 「フォークソング」の流行
- バラエティ番組「8時だョ!全員集合」の流行
しらけ世代の特徴の一つは「オタク第一世代」だということです。
1970年代半ばから1980年代前半にかけて、日本にはアニメブームが起きました。
このブームを青年期に担ったのが、しらけ世代です。
「ウルトラマン」や「仮面ライダー」を子どもの頃に観て育ち、「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」などに夢中になった人も多くいます。
しらけ世代について、詳しくは以下の記事をご参照ください。
バブル世代
1965〜1969年に生まれ、日本がバブルに沸いた昭和末期に社会人として働いた世代です。
バブル世代の人々が20歳頃までに流行したもの・経験した出来事は下記のとおりです。
- タカラトミーの玩具「トミカ」の発売
- 子供向け番組のオリジナル曲「およげ!たいやきくん」の流行
- 「ボウリング」の流行
- 書籍「ノストラダムスの大予言」が250万部超の大ベストセラーに
- ゲームセンタ-に設置された「スペースインベーダー」ゲームの流行
- 「スキー」の流行
- 暴走族風の身なりをした猫のキャラクター「なめ猫(なめねこ)」の流行
- ダイアナ妃が来日し「ダイアナ・フィーバー」が起こる
- 「竹の子族」と呼ばれる若者の出現
- 「DCブランド」の流行
- 松田聖子、キャンディーズ、ピンク・レディーなど「アイドル歌手」の流行
バブル世代は右肩上がりの消費を謳歌した世代です。
そのため消費意欲が旺盛で、他世代に比べて貯蓄より消費志向が強いという特徴があります。
バブル世代について、詳しくは以下の記事をご参照ください。
3. 若者にもレトロブームが到来
若者世代にレトロブームが到来しています。
雑誌「日経トレンディ」の「2021年ヒット商品ベスト30」には、4位に「昭和・平成レトロブーム」が選ばれました。(参照:2021年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30)
Z世代の若者は、親世代が着ていた服や聴いていた音楽に興味を持ち、自身のライフスタイルに取り入れる傾向があります。
2019年にヒットした映画「ボヘミアン・ラプソディ」は、1970〜80年代に活躍したバンド「クイーン」の伝記映画です。
流行した当時に若者だった、しらけ世代やバブル世代だけでなくZ世代の若者にも響き、興行収入130億円の大ヒットを記録しました。
「西武園ゆうえんち」は、2021年に園内をレトロにリニューアル。
1960年代の街並みを再現した「夕日の丘商店街」エリアを新設しました。
約60年前の下町を再現したテーマパークは、小さな子供のいるファミリー層からZ世代まで広い世代に反響がありました。
シニア世代のノスタルジー消費を狙った商品は、若い世代にはレトロと認識され、新鮮なものとして消費されることが期待できます。
4. まとめ
ノスタルジー消費をマーケティングに取り入れるためには、ターゲット世代が何にノスタルジーを感じるのかを理解することが必要です。
ノスタルジー消費を促す商品は、シニア世代〜若者世代まで幅広く受け入れられる可能性があります。
各世代について、どのような傾向を持つ消費者が多いのかを把握することで、より効果的なマーケティングを実施できるでしょう。
シニア世代の特徴の把握や、インサイトのリサーチ・サービスのプロモーションに役立つのがシニア向けコミュニティアプリ「おしるこ」です。
「おしるこ」は50歳以上のみが利用できるSNSで、アプリ内では記事広告や動画広告などさまざまな種類の広告配信が可能です。
ぜひシニア向けコミュニティアプリ「おしるこ」を、シニア向けマーケティングにお役立てください。
詳しい広告の詳細は以下よりダウンロードいただけますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。