シニアにとっての「生きがい」とは?豊かに充実した日々を送るために必要なものをご紹介!
多くの社会人が60歳〜65歳を節目として現役を引退し、次のステージ=いわゆる「セカンドライフ」へ進みます。
そうは言っても、引退したから「何も仕事がない」「特に趣味もないので何をしたらいいか分からない」となると、充実した暮らしとは言えません。
現役を引退し、シニア世代へと突入した人々にとって重要なのは、やはり「生きがい」なのです。
自分自身が「これだ!」と思える生きがいを持っていないと、生活にメリハリも生まれないのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では「シニアにとっての生きがい」について詳しく解説し、そこから今のシニアがどのようなニーズを持っているのかを見ていきます。
目次
1. 生きがいとは何か?
人が生きていくうえで「生きていて良かった」と感じる、生きる価値や生きる意味のあることを「生きがい」と呼びますが、もっと具体的に「生きがい」を理解するにはどのように考えていけば良いのでしょうか?
シニア世代の生きがいについて考える前に、まず「生きがい」の概念について詳しく解説します。
生きがいの概念
海外では近年「生きがい」という言葉が、そのまま「Ikigai」という単語で話題になりつつあります。
日本語の「生きがい」英語に訳そうと思っても、当てはまる適切な英訳がないため、そのままの言葉で広まっているのだそうです。
「生きがい」は「生き甲斐」とも書きますが、この「甲斐」の語源は「貝」から来ています。
その昔、貝殻は現在の貨幣と同じ価値のあるものでしたが、その意味から「生きる価値があるもの」という意味で「生き甲斐」と表すようになったのだとか。
日本は世界でも随一の高齢社会の国であり、長寿と生きがいには密接な関係があると考えた海外の研究者を中心に研究が進められています。
生きがいの4つの要素
そんな「生きがい」を学術的に掘り下げて概念を考えていくと、そこには4つの要素があるとされています。
「生きがい」を更に深く理解するための4つの要素とは、以下の4つになります。
この図について詳しく解説していきましょう。
職業
生きがいを感じるには、役割や働きがなければなりません。
人が得意とすることと、収入が得られることが重複するところは、職業です。
人々が必ずしも得意とすることを職業としているわけではありませんが、職業で役にたっていると感じることで「生きがい」を感じることができるのです。
情熱を注げるもの
好きなことと得意なことが重複する物事、人はそうした物事に対して「情熱を注げる」ことができます。
それは、趣味や余暇活動の中から見つかるかもしれませんし、ボランティア活動や地域活動の中で見つかるかもしれません。
「生きがい」とは、そのように自分自身が好きで得意だと感じていることの中にあるものです。
使命
「使命」とは与えられた重要な役目のことですが、これもまた「生きがい」を構成する重要な要素のひとつです。
使命は、好きなことと社会から必要とされることが重複することの中から見つけることができます。
使命を与えるのは、会社の上司などではなく、自分自身や周囲から「必要」とされる物事の中から与えられて「生きがい」となるのです。
天職
「天職」とは、自分の能力に適したやりがいと楽しみを感じられる職業のこと。
そういう意味のある仕事ですが、天職は社会から必要とされることと収入が得られることが重複するところから生まれます。
人は、自分が好きだと思うことだけでなく、社会から必要とされてこそ「生きがい」を感じることができるのです。
興味がある人は、ぜひ下記のリンクからご覧になってみてください。
「keiro」コミュニティブログ/海外でブーム「生きがい」について
2. シニア世代の生きがい
「生きがい」の概念について詳しく知ることができたところで、いよいよそのターゲットを「シニア世代」に向けていきます。
今のシニア世代は、昔に比べてとてもアクティブな人が増えてきていますが、生きがいを感じる物事に変化はあるのでしょうか?
シニア世代の生きがいランキング
今のシニア世代がどのようなことに「生きがい」を感じているのかを内閣府の資料を元にランキングにして上位4つをご紹介していきます。
内閣府発行・令和3年版「高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果」
「どんな時に生きがいや喜びを感じるか」という質問に複数回答をしてもらった結果、以下のような内容の回答が得られています。
孫など家族との団らん
シニア世代にとって「孫」の存在は本当に特別です。
孫がいるシニアにとって、孫と過ごす時間はまさに「プライスレス」であり、孫のためなら何でもしてしまいそうですね。
ソニー生命保険が行っている生活意識調査によると、孫のためにシニア世代は約10万円を出費しているという結果もあります。
ソニー生命保険「シニアの生活意識調査2023」この一年間で孫に使った金額
おいしいものを食べる
意外ですが、おいしいものを食べている時が2位という結果になっています。
今のシニアは、スマホやタブレットを使いこなし、ネットショップもよく使っています。
おいしいものをお取り寄せしたり、ネットショッピングを利用している世帯も増加しています。
総務省発行・令和3年版情報通信白書「図2-1-3-1ネットショッピング利用世帯の割合」」
趣味やスポーツに熱中
趣味やスポーツといった余暇活動に熱中することで喜びや楽しみを感じるシニアは年々増加しています。
ウォーキングやジム、ガーデニングなどを趣味としているシニアも多いですが、読書や映画鑑賞を改めて楽しむシニアも増えています。
また、インターネットを活用して趣味を楽しむシニアも増えており、令和3年の通信利用動向調査を見ると、インターネットの利用目的としてSNSはトップですが、次いで「動画投稿」などの動画に関する利用の割合が増加しています。
趣味とインターネットは、切っても切れない関係になっているのです。
令和3年版・通信利用動向調査「図2-1インターネットの利用目的・用途」
友人や知人と雑談
更に、上記のトップ3に次いでポイントが高かったのは「友人や知人との雑談」の時に喜びや楽しみを見出していることが分かりました。
3位の「趣味やスポーツに熱中」の項目にもあるように、インターネットをシニアが上手に活用するのは当然の状況となっています。
直接会うことができない時も、SNSを活用することで友人や知人とつながることができるため、そこに生きがいを感じるシニアは少なくありません。
シニア世代にとっての生きがいの重要性
このように、シニア世代は色々なことに対して興味を持ち、生きがいを見出すことで健康的でアクティブな充実の日々を過ごすことができます。
しかし、豊かで充実したシニアライフを送っている人々がいる一方で、孤独死を遂げてしまうような悲惨な状況に置かれるシニアの存在もあります。
この差は、やはり「生きがい」があるかないかによると考えられており、生きがいを感じられるシニアライフには、以下のような重要性があるのです。
フレイルの予防
「フレイル」とは、もともと「か弱さ」などを表現する言葉であり、フレイル高齢者という言葉は、健康寿命を失いやすい高齢者を指します。
フレイル高齢者に陥ってしまう主な原因は、身体機能の低下などだけではなく「貧困」「独居・閉じこもり」などといった社会的要因も大きく、厚生労働省では、フレイル予防の3本の柱として「栄養摂取」「身体活動(運動)」「社会参加」を掲げています。
生きがいを持つと、趣味や余暇活動、またボランティア活動といった社会参加活動により身体をよく動かし、人との関わりが持てるため、フレイル予防に最適であるとされています。
孤独感の解消
上記の「フレイルの原因」としても挙げられている「独居=孤独」もまた、見過ごせない現象のひとつです。
生きがいもなく誰とも関わらずに生活を送ると、最終的には心身が衰弱して「死」を招くこともあり得ます。
生きがいがあると、その「生きがい」のために外出する機会も、人と会う機会も増えるため、孤独感の解消につながり健康で長生きなシニアライフが送れるのです。
3. 新たな生きがいを求めて
「生きがい」の概念を知り、シニア世代にとっての具体的な生きがいやその重要性を理解しましたが、日本はまだまだこれからも少子高齢化が進み、シニア世代にとっての状況も変化していきます。
そんな日本で暮らすシニア世代にとっての「生きがい」を模索するには、どのようなことを大切にしていくべきなのでしょうか。
人生100年時代だからこそ大切にすべきこと
今の日本に暮らす人々は「人生100年時代」を見据えるべきであるという考え方があります。
この「人生100年時代」という考え方は、イギリスのリンダ・グラットン教授がその著書である「LIFE SHIFT」の中で提唱したもので、日本では政府主導で「人生100年時代構想会議」というものがスタートし、教育や雇用の見直しなどさまざまな角度からの改革が行われています。
人生100年時代に向けて大切にすべきこととして「健康」「学習」そして「つながり」という3つのことが挙げられます。
厚生労働省の資料によると、幼児教育から社会人の学び直しに至るまでの「教育=学習」と、高齢者が安心して暮らせるための環境と社会づくりが重要であるとされています。
心身の健康はもちろん重要ですし、その健康維持の方法も「学習」したいという意欲がなければ学べません。
そういった意味で、最も重要となるのは社会における「つながり」だと考えます。
社会参加を促して周囲とのつながりを持つ働きを進めることも重要ですが、SNSといった便利なツールを活用すれば、シニア同士の「つながり」を広げていくこともできます。
これからの新しい「人生100年時代」を豊かで充実したシニアとして過ごすには、SNSを活用したつながり作りを模索する必要があるのです。
こうした「人生100年時代」に関する更に詳しい解説は、下記のページにありますので、ぜひ一度ご覧ください。
4. まとめ
シニアにとって「生きがい」とは、本当に大切なものです。
特に「人生100年時代」と呼ばれる昨今においては、現役を引退してからの人生設計の方が重要視されるのかもしれません。
生き生きとしたシニアライフを手に入れるには「生きがい」が重要ですし、その生きがいを持って人生を楽しむには、やはり人と人とのつながりが大切です。
直接会うことももちろん大切ですが、どこにいても誰かとつながれるSNSを活用していくこともおすすめです。
特に、シニア向けコミュニティアプリ「おしるこ」は、登録者が50歳以上限定とされているため、今のシニア世代のニーズを掴みやすいツールであるといえます。
「シニアのインサイトを知りたい」「シニアへのアプローチは難しい」と課題をお持ちの方へ、有効なシニア向けSNSがあります。詳しくは以下をダウンロードしてみてください。