シニア世代にリカレント教育は必要か|必要性と学びの場について解説
社会人が新たなスキルを身につけるために受ける教育をリカレント教育といいます。
現在、新型コロナウイルス感染症や世界情勢の影響を受けて経済が不安定な中、「今後も安定した生活ができるだろうか」と不安に思う方は少なくないでしょう。
特に、これまで勤めてきた会社を退職したシニア世代にとっては、退職後の人生をどう生きていくか想像しにくいかもしれません。
今回は、退職後も理想の生活を送るために、シニア世代にとってリカレント教育がなぜ必要なのかについて紹介します。
目次
1. リカレント教育とは
リカレント教育とは、学校教育からいったん離れて社会に出た後も、それぞれの人の必要なタイミングで再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すことです。
引用:政府広報オンライン「「学び」に遅すぎはない!社会人の学び直し「リカレント教育」」
リカレント教育を受ける具体的なケースは以下の通りです。
・定年退職をして第二の人生を歩もうとしている ・長年、子育てをしながら専業主婦をしていたが、外で働きたいと思うようになった ・現在、非正規雇用として働きながら会社員を目指している ・キャリアチェンジを図りたい |
現在は、コロナ禍による経済の不安定、早期退職の募集、インターネット普及によるニーズの変化などにより、企業が従業員に対して終身雇用を保証することは困難になりつつあります。
もしもの事態に備えて、新たに資格取得やスキルアップすることで個人で社会を生き抜く力を身につけることが大切です。
なお、リカレント教育と生涯学習は混同されがちですが、学ぶ目的が異なります。
リカレント教育はビジネスにつながることを学習し、仕事に役立てる一方で、生涯学習はビジネスに限らず趣味や文化、芸術など人生を豊かにするための学習です。
2. リカレント教育の現状
日本におけるリカレント教育は活発に実施されていないことが現状です。
原因の一つとして、リカレント教育の支援制度が充実していないことが考えられます。
下記は、リカレント教育が国内でどれほど浸透しているかをOECDが6項目の評価で作成したグラフです。
グラフを見ると、OECD34ヵ国に遅れをとっており、日本はどの項目においてもリカレント教育の政策が十分であるとはいえないことが分かります。
リカレント教育を学ぶ一例として大学で学ぶ方法がありますが、上記の内閣府が報告したデータを見ると、実際に社会人が働きながら学べる環境を整備している企業はわずか1割にしかすぎせん。
引用:内閣府「リカレント教育の現状」
これらの結果から、スキルを磨くためやキャリアアップのために学びたいと思っても学ぶ時間を確保しづらい環境であることが予想されます。
3. リカレント教育がシニア世代に必要な理由
これまで社会で活躍してきたシニア世代においても、新たな学びが必要です。
リカレント教育があまり普及していない日本においても、社会の変化に対して柔軟に対応するため、個人のスキルを持つことが重要であることには海外と変わりないからです。
なぜシニア世代がリカレント教育を受けるべきなのか、リカレント教育の必要性について説明します。
年金の減額傾向や受給年齢の引き上げ
2000年の法律改正により、年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられることが決まりました。60歳から年金受給することは可能ですが、受給額は減額されます。
また、日本の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳であり、退職年齢から平均寿命まで数十年間、ほぼ社会人生活と変わらない期間を過ごしていかなければなりません。
参照:厚労省「令和3年簡易生命表の概況」
決して短いとはいえないシニアライフを過ごしていくため、退職後も就職しているシニアが少なくありません。
退職後もある程度の収入を得るために、今後の社会に役立つスキルを持つ必要があるでしょう。
さまざまな働き方が選べる
個人でスキルを持っていると、就職の選択肢が広がります。
これまでの社会人生活を卒業して第2の人生を歩み始めようとするとき、スキルを持っていないと条件を妥協して働かなければならない可能性があります。
また、せっかく就業先を見つけても、トラブルがあり会社を辞めなくてはならくなった、会社が倒産したなどさまざまな事情が生じることも否定できません。
自分にスキルがあれば、「ここを辞めたら生活できないかもしれない」と思わずに済むため、心に余裕を持って仕事ができるでしょう。
また、現代の働き方は自由です。必ずしも外に出て働かなければならないわけではありません。毎日出勤するのか、週に1回だけ出勤するのか、在宅で仕事をするのかを自由に選べます。
これまで社会で活躍してきたシニア世代が、その後も理想の人生を送るために、資格やスキルを持つことは大切です。
新たな出会いを作る
リカレント教育を受けることで、新たな出会いや交流の場が生まれます。
これまで社会で活躍してきたシニア世代には、退職後家族以外の人と会うことがなくなってしまう人もいるでしょう。
リカレント教育の場にシニア世代が集まれば、互いの状況に共感し、支え合える場となって人生がさらに豊かになります。
これまで出会わなかった経験をしてきた人と交流できることも魅力の一つです。
新たな出会いから、長年培ってきた互いのスキルをかけ合わせてビジネスにチャレンジするシニアもいるようです。
4. シニア世代はどのようにリカレント教育を受けられるか
シニア世代にとって理想の生活を送るために新たなスキルを身につけ、これまで出会わなかった人と交流できる場がリカレント教育です。
リカレント教育はどこで受けられるのか、学びの場を紹介します。
大学で学ぶ
全国にリカレント教育を推進している大学があります。
働きながらでも学べるように、通常の授業のほか、夜間や週末に限定して講座を開講しています。
期間は1~2年間で、学ぶ目的は、語学学習、ビジネスで活用可能な資格取得、起業するためなど、さまざまです。
シニア世代のリカレント教育に特化した講座を開講している大学もあり、学びの場だけではなく、出会いの場としても活躍しています。
資格取得講座を受講する
資格取得スクールや通信講座などで学ぶ方法です。
退職後の人生をどのように送るかを考えて簿記や宅建など必要な資格を取得し、新たなスキルを身につけることで理想の働き方や生活を実現しやすくなるでしょう。
パソコン教室を受講する
インターネットの普及により、パソコンのスキルがある程度なければ新たな仕事を探すときに苦労する可能性があります。
また、パソコンやiPadなどで使われるソフトやアプリは日々アップデートされているため、日常的にパソコンを使用する仕事をしていても、日々学び続けなければなりません。
パソコンのスキル習得やソフトやアプリをスムーズに活用するためにパソコン教室を受講することもおすすめです。
5. まとめ
人生100年時代といわれる現代を生き抜くためには、必要な時期に学び直してスキルを身につけることが重要です。
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