シニアが急に立ち上がれない原因は?家族や介護者が日常生活で気を付けるポイントを紹介
足腰の弱さに悩むシニアにとって、急に立ち上がることは大きな負担です。介護用品市場には、杖や手すりなど、シニアの立ち上がり動作をサポートする介護商品が多く存在します。
しかし日常生活の中には、シニアが立ち上がりにくい状況は多く存在し、これらを完全にサポートする商品やサービスは十分に提供されているわけではありません。
シニアのニーズに応える商品サービスを提供するためには、急に立ち上がれない原因を把握するだけでなく、シニアのリアルな声を参考にすることが大切です。
本記事では、シニアが急に立ち上がれない原因と、家族や介護者が日常生活で気を付けるべきことをお伝えします。ぜひ貴社の商品サービスの開発の参考にしてみてください。
目次
- シニアが急に立ち上がれない原因5つ
- 家族や介護者が日常生活で気を付けるべきこと
- 大切なのは立ち上がれないことをストレスに感じさせないこと
- まとめ|シニア専用SNS「おしるこ」で立ち上がりが難しくなったシニアの声を参考に
1.シニアが急に立ち上がれない原因5つ
1. 足の筋力が低下しているから
加齢に伴い足腰の筋肉量が減少し、立ち上がろうとしたときに自分の体を支えにくくなってしまいます。国立長寿医療センター研究所の調査によると、80代の脚伸展パワー※と膝の伸展筋力は40代に比べてそれぞれ2/3から1/2まで減少しています。※脚伸展パワー:脚を伸ばしたり広げたりする力
引用:国立長寿医療センター研究所・老化に関する長期縦断疫学研究 第5次調査
このようにシニアの筋力が大きく減少することから、立ち上がるときは支えが必要となります。そのため、急に立ち上がろうとしても、体を支える必要があります。
2. 関節が固くなりやすいから
シニアは加齢により関節の柔軟性が低下し、とくに膝や腰などの関節が固くなりがちです。また足首の関節が硬くなると、脚を後ろに引いたときに足裏が床につきにくくなります。
関節が硬くなる主な原因は、関節の軟骨がすり減ったり、関節を取り巻く筋肉の柔軟性が失われたりすることによります。40代や50代に比べて運動量が減りがちなシニアは、同じ姿勢で長時間いることが多く、筋肉の柔軟性を失いやすいです。
また、シニアの中には立ち上がるときに膝に痛みを感じたり、動きにくさを感じたりする人もいます。
3. バランス力が低下しているから
加齢により体を支える筋力だけでなく、内耳の平衡感覚を司る機能や筋力の衰えがバランス力の低下を引き起こします。
たとえば、椅子から立ち上がるときに一瞬ふらつく感覚を経験するのは、このバランス力の低下が原因です。立ち上がる瞬間に必要な体の安定感が保てず、転倒のリスクを高めることにもなります。
また筋肉や関節の問題だけでなく、脳卒中やパーキンソン病などの疾患があるとバランス能力が低下しやすいです。このときは立ち上がる動作だけでなく、前かがみになったときにも体がふらつくことがあります。
4. 血圧や心拍数の上昇を避けたいから
加齢によって心臓や血管の機能が低下し、体位の急激な変化によって血圧や心拍数が急上昇すると、めまいやふらつきを感じやすくなります。シニアは血圧や心拍数の急激な上昇をおさえるために、体をゆっくり動かして立ち上がる必要があります。
とくにシニアが長く座った後に急に立ち上がると、一時的に血圧が下がる起立性低血圧を引き越しやすいです。起立性血圧低下が起きると、立ちくらみや貧血、吐き気や転倒の危険性が高くなるので、家族や介護者は注意が必要です。
5. 過去の不調などを恐怖に感じるから
加齢によって体力が低下したシニアにとって、過去に経験した転倒や立ちくらみなどの不調は強い恐怖となって記憶に残ります。そのため立ち上がるときに、同じような事態を再び引き起こすことへの恐怖感を抱きやすいです。
たとえば転倒して怪我をした経験があるシニアは、再び転倒することへの不安から、急に立ち上がる行動を躊躇しやすくなります。そして「怪我をすると周りに迷惑をかけてしまうのでは……」と不安を抱いてしまうことも珍しくありません。
このように、過去の経験からくる恐怖感が原因で、立ち上がる動作を困難に感じるシニアも多いです。
2.家族や介護者が日常生活で気を付けるべきこと
急な立ち上がりが心配なシニアを抱える家族や介護者は、普段はどのようなことに注意すべきなのでしょうか。
ここではシニアと共に日常生活を送るうえで気を付けるべきポイントを5つお伝えします。これらを意識してシニアと関わることで、シニアの安全と健康を守りながら、より快適な生活を送れるサポートができますよ。
1. 転倒のケガを無くすために整理整頓する
普段から家の中を整理整頓し、転倒の原因となる物を片付けておきましょう。シニアが転倒してしまったときに部屋が整理整頓されていない場合は、体が物にぶつかりさらなる怪我も起こり得る可能性があります。
また、床の上に散らかった物を片付けることで、それにつまずいたことによる転倒のリスクも減らせます。立ち上がるときの体の支えとなる机やイス、手すりなどは残しながら、シニアが安全に過ごせる環境を整えましょう。
2. イスやベッドの高さを調整する
シニアが使うイスやベッドの高さをシニアに合わせて調整することで、立ち上がる動作をラクにさせることができます。高さを調整するときは、シニアの身長や脚と腕の長さを考慮しながら選びましょう。
また、実際に家具を選ぶときはシニア自身が使い心地を体験するのがおすすめです。クッションの硬さや持ち手の太さによって、立ち上がるときに使う力の入り具合が違ってきます。
シニアによって体に合うイスやベッドは違うので、商品を選ぶのに時間がかかるかもしれませんが、シニアが快適に過ごせる物を選ぶようにしましょう。
3. 筋力を保つトレーニングを習慣にする
シニアが急に立ち上がれなくなる原因の1つは、筋力の衰えです。しかし、軽いストレッチやウォーキングなど、日常的にできるトレーニングを習慣にすることで、筋力低下を防ぎます。
足腰の筋力に自信がないシニアにとって、いきなり筋トレをするのはハードルが高く感じられます。シニアのモチベーションを上げるためにも、最初は家のまわりを散歩するなど始めやすい段階からスタートさせましょう。
また、下記の記事ではシニアが安全に取り組める筋トレメニューを紹介しています。シニアに筋トレをおすすめしたい人はぜひ参考にしてください。
シニアに安全で効果的な筋トレのコツとメニュー
4. 栄養バランスの取れた食事を提供する
栄養バランスの取れた食事は、シニアの健康を支えるうえで重要な役割があります。とくに、カルシウムやビタミンDなど、骨密度の維持に役立つ栄養素を意識した食事がおすすめです。また、良質なたんぱく質を摂取することは筋肉量の低下を防ぐ効果もあります。
しかし、栄養バランスを考えて献立を毎日作るのは体力的にもツラいこともあります。最近ではシニア向けサプリ業界の市場規模が拡大しているほか、シニアをターゲットにした食材や食事の宅配サービスもあります。
シニアの食事市場に関する記事を詳しくご覧になりたい人は、下記の記事も参考にしてみてください。
5. 「シニア目線」を意識したコミュニケーションをとる
足腰が弱くなっているのを最も実感しているのは、シニア本人です。自分の体の変化にイライラしたり不安に感じたりすることも少なくありません。
そのため、立ち上がり動作が困難になったシニアと接するときは、自分目線でなくシニアの目線になりましょう。無理に急がせることはないように時間にゆとりを持つなど、シニアのペースに合わせた行動を心がけることが大切です。
このように、シニアを思いやるコミュニケーションを取ることで、シニアは家族や介護者との信頼関係をより深められるでしょう。
3.大切なのは立ち上がれないことをストレスに感じさせないこと
急に立ち上がるのが困難なシニアと接するときに最も大切なことは、シニアをストレスに感じさせないことです。
加齢による体の衰えを感じているのはシニア自身であり、言葉で「若いころに比べるとできないことが増えてきた」と何気なく言っていても、内心は心細かったり不安でたまらなかったりすることもあります。
そのストレスをさらに強調させると、シニアに精神的な負担を増やしてしまい、生きづらさを与えてしまう可能性も十分あります。
立ち上がるのに時間がかかるシニアに対して、イライラする様子を見せず、むしろ「ゆっくりで大丈夫ですよ」と声をかけることで、シニアはプレッシャーを感じにくくなります。また、シニアを手すりが近い席に自然に誘導させるのもよいでしょう。
シニアにストレスを感じさせない行動を心がけることで、シニアは普段の生活をさらに快適に過ごせるでしょう。
4.まとめ|シニア専用SNS「おしるこ」で立ち上がりが難しくなったシニアの声を参考に
加齢による体力の衰えなどの理由で、急に立ち上がるのが難しくなったシニアは多いです。
市場にはシニアの日常生活を支援する介護商品やサービスが豊富にありますが、心身両方を総合的にサポートするサービスはまだ充分ではありません。そのため、サポートできていないニーズを見つけ出すためには、シニアの本音を聞いて悩みを深く理解することが重要です。
シニアの本音を知るためには、会員数8万人以上のシニア専用SNS「おしるこ」の活用がおすすめです。「おしるこ」を通じてシニア層にアピールし、より多くのファンを獲得することが可能です。
立ち上がり動作が困難なシニアを対象にサービスの展開を検討している方は、「おしるこ」でのSNSマーケティングに関する詳細情報を下記リンクからダウンロードして、ぜひ活用してみてください。