シニアがスマホにしない理由とは?シニアのスマホ利用事情を教えます
近年は、コロナの影響や3Gサービスの終了などにより、シニアもスマホを使う人が増加していますが、一部のシニアはまだ利用していません。
特に70代以上は利用率が低く、令和3年においては5割に満たない状況でした。
なぜ、70代以上はスマホを利用しないのでしょう?
本記事では、シニアが「スマホにしない理由」を中心にシニアのスマホ利用事情についての意識調査やインサイト、利用しているサービスについて紹介します。
スマホを活用したシニア向けアプローチを行いたい方はぜひ参考としてください。
目次
1. なぜスマホにしない?調査データと4つの心理
ここでは、シニアがなぜスマホに変えないのか、その理由と背景について解説します。
調査データから見る理由
まずは、スマホに変えない理由について調査データから見ていきましょう。
総務省による「令和3年版 情報通信白書」によると、スマホを使わないと回答したシニアの多くは70代以上で、理由を次の通りまとめています。
「自分の生活には必要ないと思っているから」(52.3%)、「どのように使えばよいかわからないから」(42.4%)、「必要があれば家族に任せればよいと思っているから」(39.7%)の順になっています。
スマホの利用にためらいが見られたり、使うことに消極的な姿勢です。
背景はモバイルツールの早い変化
70代以上がスマホを利用しないのは、モバイルツールの変化の早さにあります。
そして、多くのシニアは携帯電話からスマホに変わったタイミングで使えなくなった人が多いようです。
スマホの普及前と後の背景について、以下に述べていきます。
参照:高齢者のスマホ事情
90年代後半~2005年:携帯電話普及時代
70代以上のシニアは、携帯電話が普及した90年代後半~2005年当時は50〜60代であり、現役もしくは活動がアクティブな人も多くいました。
そのため、変化の対応にも柔軟で、携帯電話も仕事や遊びの手軽な連絡手段として受け入れられていたのでしょう。
ネットやメールができるなど多機能化したとはいえ、気軽な電話やメール連絡はガラケー、ネットはパソコンで、と使い分けしていた人が多く、習慣化した向きがあります。
2006年~現在:スマートフォン普及
スマートフォンが普及するようになると、大方のシニアは70代に差し掛かり、変化への対応が厳しくなってしまいます。
形もタブレットタイプと様変わりしたため、使いこなすことが難しいと思うようになったのでしょう。
インターネットもパソコンを使うことが多いため、「持ち歩いてまでしたくない」などの心理が働いているのかもしれません。
スマホを持たないのは4つの心理が働くから
調査データでスマホを利用しない理由が挙げられていますが、その心理について紹介します。
主に挙げられるのは次の4つです。
- 使い方がわからない
画面のタッチ操作やたくさんのアプリ、ID・パスワードのログイン方法など、ガラケーでは行わなかった操作があるため、複雑に感じてしまう。
- 用語がわからない
ガラケーである程度の用語が分かっても、スマホはタップやスワイプ、OSやアカウントなどのカナカナやアルファベットが多いため、理解が追いつかない。
- 使わないから慣れない
使い方を覚えるのも一苦労に感じる上に、教わっても忘れてしまうことが多く、使うことからますます遠ざかってしまう。
- ウィルスを警戒
スマホのウィルス感染や個人情報の漏洩などを知ると、警戒心が高くなり、利用することにためらいを生じる。
参照:高齢者がスマホを使えない理由とは? 活用するための対策も紹介
このように、シニアにとって新しく覚えることが多くなるため、使うことにためらいを生じていると言えるでしょう。
2. シニアのスマホ利用率と乗り換えたきっかけは?
次に、シニアのスマホ利用率と乗り換えたきっかけについて解説します。
スマホを利用しないシニアがいる一方で、利用する人も多くいます。
社会情勢やコロナの影響で自粛を余儀なくされたことから、スマートフォンに切り替える人も多く出てきているようです。
シニアのスマホ所有・利用率は増加傾向
まず、シニアのスマホ利用率について解説・紹介します。
以下は、MMD研究所が2021年8月に発表した60~79歳シニアのスマートフォン・フィーチャーフォン保有率です。
グラフから見てわかる通り、シニアのモバイル端末の所有率は90%を超えており、そのうちスマホの所有率は85%近い数字です。
更に携帯電話所有者の推移も以下のグラフからもわかる通り、スマホの所有者がどんどん上がっているのが分かります。
シニアのスマホの普及率についての詳細は、次の記事で詳しく解説していますので、こちらを参考としてください。
スマホに乗り換えするきっかけは?
シニアがフィーチャーフォンからスマホへ乗り換えるきっかけはどのようなものか、MMD研究所が行った調査で寄せられた回答は以下の通りとなります。
20%以上の回答があったのは、次の3つです。
「3G回線が終了した、またはもうすぐ終了するから」
「地図、ナビゲーションを利用したかったから」
「災害などの際に持っていた方がいいと思ったから」
シニアがスマホを持つきっかけは、自身が興味を持ったというよりは外的要因によるものが大きいようです。
3. シニアのスマホの使い方「使う理由と利用するサービス」
最後に、スマホを使っているシニアがどのような目的で使うのか、併せて利用するサービスについて紹介します。
スマホを使う理由は通話とメール
スマホを利用しているシニアは、どのように活用しているのでしょうか。
以下は、ソニー生命が実施したインターネット調査の結果で、「日頃、スマートフォンで行っていること」の回答です。
シニアがスマホを利用する目的として、男女ともに75%もの回答が挙げられたのは「メール」と「通話」でした。
日常のコミュニケーションとして積極的に利用していることが見て取れます。
シニアの人気サービス ラインがトップ!情報収集も
スマホを所持するシニアが利用する主なサービスは、コミュニケーションではLINE、インターネット検索などの情報収集がメインです。
特にラインは、SNSとしては圧倒的な人気で、利用率が66%を誇っています。
手軽にメッセージのやり取りができる上に、ビデオ通話も簡単なので、多くのシニアスマホ利用者にとって魅力あるSNSなのでしょう。
また、情報収集ツールとして利用する人も多く、特に「ニュース・ニュース検索」は60%と高い数値を占めています。
他にも「天気」52.3%、「チラシ・ポイント」など、日常で興味あることについて積極的にスマホを活用しているようです。
4. まとめ|シニアがスマホにしない理由を理解しよう
ここまで、シニアのスマホ利用事情について、スマホにしない理由やスマホの利用率、活用の仕方などを紹介しました。
シニアがスマホにしない理由は、モバイル媒体の変化の速さについていけず、利用するのにハードルが高く感じるのでしょう。
しかし、3Gの終了やコロナによる自粛生活などの外的要因もあり、スマホ利用に興味をもつようになりました。
慣れるまでのサポートは必要ですが、シニアのスマホ利用者は今後ますます増えることでしょう。
現在はシニア向けのSNSも複数あり、たとえばシニア専用のコミュニティアプリ「おしるこ」は、50歳以上が利用できるSNSなので、スマホを利用し始めた人におすすめです。
シニアのリアルな声とインサイトを知るうえで大変役立つので、マーケティング担当者におすすめのSNSです。
サービス事例や広告展開などについては、以下のページで紹介していますので、是非ご覧ください。