スマートシニアとは?インサイトとアプローチ方法を紹介します
「スマートシニアって最近聞かれるけど、何を意味するの?」
「デジタルシニアと何が違うの?」
メディアによる「スマートシニア元年」やANAの「スマートシニア空割運賃」など、言葉として「スマートシニア」をよく耳にするようになりました。
しかし、言葉は知っていても「スマートシニア」がどんな人なのか今一つわからず、アプローチの仕方に悩むマーケティング担当者もいることでしょう。
そこで本記事では、スマートシニアについて、定義と意識調査のまとめ、インサイトなどを詳しく解説し、アプローチの仕方について教えます。
目次
1. スマートシニアとは?定義と増加した理由
ここでは、スマートシニアの定義やデジタルシニアとの違い、増加した背景について解説します。
スマートシニアの定義
まずは、スマートシニアの定義から見ていきましょう。
スマートシニアとは文字通り「賢いシニア」を意味しており、デジタルツールを活用しながら社会生活を知的で自分らしく過ごすシニア世代と定義しています。
「スマートシニア」の言葉そのものは、1999年から使われ、ネット先進国であるアメリカのシニア層の以下3つの特徴をあらわしていることから端を発しています。
① 日に一度、毎週十時間以上ネットを使う
② 若い世代よりネット通販に積極的である
③ 市場で自分の声を積極的に発信する
<出典:スマートシニアの提唱とアクティブシニア市場への注目を提言 村田アソシエイツ>
いわば、デジタルを活用して、やりたい事やほしいものを手に入れるなどよりよい生活を送ろうとするシニア世代のことを指しているのです。
デジタルシニアとの違いとは?
ここでは、スマートシニアとデジタルシニアとの違いについて、解説します。
どちらもデジタルツールを使うシニアであるため、同じように見られがちですが違いは次の通りです。
デジタルシニア
スマートフォンやPcなどのデジタルまたはIT機器を通じてネットを活用できているシニアのこと。デジタル機器を使いこなせることにフォーカスしています。
スマートシニア
デジタルツールを活用しながら生活をアクティブに行うシニアのこと。
デジタルを駆使するというよりは、助けを借りてよりよい生活を送ることを指しています。
デジタルシニアについての詳細は、次の記事で詳しく解説していますので、こちらを参考としてください。
スマートシニア増加の理由と背景
スマートシニアが日本で急激に増加した理由は、コロナ禍による影響であるのはほぼ間違いありません。
なぜなら、新型コロナウィルスが流行したことで、今までの生活スタイルが保たれなくなり、以下の不自由な事態に直面したからです。
- ワクチンの予約が電話では取れない
- 普段の買い物が出来ない
- 感染が怖くて外出できない
このように行動を制限されたことにより、利便性を求めてスマートフォン含めたデジタルツールを利用する機会が大幅に増えていくようになりました。
スマートフォンの活用が急激に伸びたことは、以下のグラフから見てもわかる通り2019年と2022年では20%以上の増加と大きく伸びています。
そして、その便利さを痛感したことで、より賢く使うことを意識するようになったのです。
以下は、総務省によるインターネットショッピング及びオークション・フリマの利用状況を年代別に数値化したものとなります。
全年代の利用率の平均は73.4%ですが、60歳以上はそれを上回る78%となっており、関心の高さが分かります。
2. スマートシニアの実態とは?意識調査とSNS利用率
ここでは、スマートシニアの実態がわかる意識調査やシニアのSNS利用率などについて解説します。
デジタルに対する意識
まず、スマートシニアのデジタルに対する意識の調査データなどを見ていきましょう。
2020年に流行した新型コロナウィルスの影響により、デジタルに対する意識が大きく変わりました。
例えば、60歳以上のインターネット利用率は2019年を境に大きく伸びています。
そして、インターネット機器利用率においても利用する機器は、以下の通りスマートフォンが群を抜いてトップとなりました。
メールや電話の連絡手段に加えて、情報収集も手元で出来るので、コロナ禍をきっかけに便利ツールとして認識されるようになったと言えるでしょう。
デジタル全般においても、個人情報の流出などの怖さはあるものの利便性が勝り、抵抗感が薄れてきているようです。
「スマートシニアは買い物上手」消費に対する意識調査
シニアの新しいものやトレンドに対する消費意識について、解説します。
スマートシニアの増加によりデジタルの利便性は理解されていますが、消費意識に関しては堅実志向にあるようです。
以下はシニア層の消費意識に関するアンケート回答をまとめたものです。
60%以上の解答があったのは、次の通りです。
「気に入った商品やサービスは長く買い続ける」(71.4%)
「物を買う時は、価格に見合う価値があるか吟味する」(65.2)
「ブランドにかかわらず、自分が気に入ったモノが最高」(62.7%)
またシニア層のスマートフォンの行動についての調査では、自分で買い物利用する場合、商品の情報を調べてから買うかどうか判断する傾向にあるようです。
上で示している通り、「クーポンを入手しお買い物をする」や「インターネットで買い物」などお得で便利なものを吟味して入手する特徴が強く出ています。
この特徴に注目し、ANAではお得に空旅ができる「スマートシニア空割」運賃を打ち出しました。
マーケティング活動では、この特徴を意識していくと良いでしょう。
シニアのSNS利用率は?LINEがトップ、YouTubeも人気!
スマートフォンを所持するシニアは、SNSサービスも積極的に活用しています。
特にLINEは、SNSでは圧倒的な人気をほこり、利用率は66%です。
手軽にメッセージや電話が出来るうえに、ビデオ通話も簡単なことから、シニアのスマホユーザーにとって、コミュニケーションに欠かせないSNSとなっています。
そして、最近人気が高くなっている注目のSNSがYouTubeです。
3. スマートシニア向けにはSNS広告のアプローチを
最後に、スマートシニアに向けた効果的なアプローチ施策について、紹介します。
スマートシニアにおすすめなのはインターネットを使った広告で、特に注目されているSNS広告が有効でしょう。
SNS広告のメリットは、バナーや動画を用いるので、視覚的にわかりやすくターゲットの訴求ができることです。
また、拡散性が高いうえに商品ニーズが明確化していない潜在層に向けて広くアプローチできる魅力があります。
現在はシニア向けSNSも複数あり、例えばシニア専用のコミュニティアプリ「おしるこ」は50歳以上が利用できるSNSなので、スマートシニアもユーザーとなっているでしょう。
スマートシニアへのアプローチ方法として検討してみてはいかがでしょうか。
4. スマートシニアを理解してマーケティングに活かそう
ここまで、スマートシニアの定義と意識調査のまとめ、アプローチ方法などについて紹介しました。
スマートシニアが増加したのは、コロナ禍をきっかけにデジタルツールの利便性を知ったことによります。
そして、今ではツールを使ってより賢くお得に生活を送ることにとても積極的です。
50代以上の方だけが利用できるコミュニティアプリ「おしるこ」も、きっと取り入れていることでしょう。
専門ライターによる記事作成や、オンラインサービス、PR動画などの広告について、スマートシニアの期待に応えられるサービスを多く取り揃えています。
スマートシニアへアプローチしてみたい、マーケティング担当者におすすめのSNSです。