化粧品のSNS広告の成功事例!多様化する化粧品ユーザーに訴求するには?
年代や性別といったターゲットごとに、新しい商品が続々と登場する化粧品やヘアケア用品。定番の若い女性向けの商品だけなく、昨今では男性向け化粧品やシニア向け化粧品が話題になっています。化粧品業界は、多くのベンチャー企業が参入していますが、中には自社の化粧品の売り出し方やSNSの活用方法に悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
今回は、化粧品のSNS広告の具体的な成功事例をご紹介しながら、化粧品がSNSを使ったマーケティングに適している理由をお伝えします。
目次
1. 化粧品がSNS広告に向いている理由
私たちの暮らしにすっかりなじんだSNS。さまざまなお役立ち情報が日々更新されているので、つい覗いてしまいますよね。そこで、注目されているのがSNS広告です。
多くの企業がSNS広告に出稿していますが、以下の理由から、特に化粧品はSNS広告に向いているといわれています。
- タイムラインやストーリーズなどに表示される口コミが、商品購入の決め手になる場合が多い。
- SNS広告は拡散性があるため、膨大な広告費を投下せずともヒット商品を作ることができる。特に国内化粧品市場のメーカーシェアは、約半数を大手企業が占めているが、残りは2990社もの中小企業がひしめき合う状態であるため、広告費用を有効に活用することが可能に。中小企業の商品でも、拡散性があるSNSを使えば、大手企業のように膨大な広告費を使わずに、ヒット商品を作ることができる。
SNSは、ハッシュタグや個人情報で精度が高いターゲティングができるもの、匿名の投稿から潜在的ニーズを探れるもの、拡散性があるもの、など各々に異なる強みがあり、それらをどう活かすかが成功の鍵になります。まず、どのようなSNSにどんな特長があるのか見ていきましょう。
インスタグラム
写真の投稿がメインで、美しいビジュアルでイメージを訴求できます。ストーリーやリールなどの機能を使って動画を作成すれば、よりインパクトのあるビジュアルになります。また、ハッシュタグを使って検索をすると、特定の商品に興味がある顧客を簡単に見つけることができ、ターゲティングがしやすいのが特徴です。
アカウントが実名で生年月日や性別などの個人情報が含まれているため、他のSNSと比べターゲティング精度が高いといわれています。文章量に制限がなく、イベントやキャンペーンの告知、新商品の機能などの長い説明もできます。また、外部サイトへのリンクやシェアも可能です。
1人で複数のアカウントを持つことができ、匿名で投稿できるので隠れた需要を探ることができます。また、最新の情報が広く瞬時に拡散される特性により、短期間でたくさんの人に商品を訴求できます。文章量には140文字の制限があります。
LINE
チャンネル登録をしたグループ内の個人に対して情報を発信できます。閲覧率が高く、リピーターの獲得に適しています。幅広い年代に浸透しています。
TikTok
若い世代で人気となっている動画を投稿するSNSです。動画と音楽で訴えるため、記憶に残りやすいという利点があります。
広告の成果を上げるには、最初にSNSの特徴をよく理解しておきましょう。
参考:令和3年4月化粧品産業ビジョン検討会「化粧品産業ビジョン」 PANDA MEDIA LAB
SNS広告の基本について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
2. ターゲット別!化粧品のSNS広告の成功事例
次に、年代や性別ごとにターゲティングされた化粧品のSNS広告の成功事例をご紹介します。
男性向け化粧品のSNS広告
化粧品と言えば、女性用を思い浮かべる人が多いと思いますが、最近は男性の肌質に合わせたスキンケア用品や、臭いのケアができるボディケア用品などさまざまな男性向け化粧品が登場しています。ヘアケアやメイクを目的とした商品も誕生し、美しさを競う男性タレントの活躍も珍しいことではなくなってきました。では、男性向け化粧品は、どのようなSNS広告を行っているのでしょう?
BULK HOMME
「メンズスキンケアの、ベーシックであり続ける。」をコンセプトに、メンズスキンケアのベーシックとは何かを追い求めているBULK HOMME。BULK HOMMEは、各SNS媒体の特徴を活かして複数のSNS広告に出稿しています。インスタグラムでは、デザイン性の高いパッケージを美しく撮影したイメージ戦略を行っています。Facebookではショップと連動させ、twitterでは最新情報や男性の美容に関するTips(秘訣)を発信し、LINEでは初回定期購入限定コースなどで新規顧客の囲い込みをしています。SNS広告の画像をUGC(インターネット上でユーザーが作ったコンテンツ)に変更したことで親和性が高まり、CTR(広告が表示された回数のうち何回クリックされたか)は165%、CVR(webサイトを訪れた人のうち何人申し込みなどに結び付いたか)は407%改善、CPA(顧客獲得単価)を約1/3に削減する成果を上げました。
参考:バルクオムの事例で解説!Instagram広告成功のための3つのキホン
クワトロボタニコ ボタニカル
植物から抽出するエキスを使ったシリーズ。「肌のメンテナンス」を通し、大人の「枯れない男」を応援しています。SNSはインスタグラムとFacebookを活用。若々しいライフスタイルシーンのイメージの画像で、「枯れない男の肌メンテ」を表現しています。化粧品を選ぶ際にインスタ映えするパッケージデザインも基準になるといわれている、男性の志向を考えた広告戦略となっています。
参考:クワトロボタニコ
学生・若者向け化粧品のSNS広告
おしゃれに目覚める学生には、顔だちをより美しく見せてくれるカラーコスメが人気です。でも、身だしなみが気になる社会人になると、スキンケア用品が気になる人も増えてきます。学生・若者向け化粧人では、どのようなSNSがヒット商品を生んだのでしょうか?
kate リップモンスター
マスクをしていても落ちにくい、カネボウ化粧品の口紅「ケイトリップモンスター」。TikTokで、クリエイターのモデルがマスクを外し、音楽に合わせてリップの色が変化する動画をに投稿しました。この15秒の動画は、若年層をメインにバズり、YouTubeやブランドサイトの訪問者の増加につながりました。ブランド担当者が意識したのは「いかにユーザーをワクワクさせるか」だったといいます。その結果、発売から約10カ月で累計出荷本数240万本を突破しました。
参考:TikTok広告成功の3ステップ「ケイト リップモンスター」爆売れ
オルビス ユー オフクリーム
20代後半~30代の方を主なターゲットとした、初期のエイジングケア用スキンケア商品です。SNSは、Facebookやインスタグラムを活用。この1年で最も獲得効率が上がってきたのはインスタグラムだと言います。ストーリーズ広告からの獲得も多くなっているそう。また、コロナ禍で視聴者が増えたというYouTube広告に取り組むようになりました。UGCコンテンツを表示する箇所も工夫したことで、信頼性が増しCVRも向上しました。
参考:オルビスが語る!マーケティング現場の裏バナシ。新規顧客獲得広告&LPのリアル
30代・40代向け化粧品のSNS広告
子育てで自分の時間がなくなったり、責任のある仕事を任されたりして、ストレスがたまりがちな30代は、若い頃と違って肌の荒れが気になり出す年代です。40代はいっそう肌トラブルが増え、シミやしわが目立ち始め、皮膚のたるみも気になってきます。そんな状態になると、いわゆるエイジングケアが必要に。基礎化粧品選びに気を配る人が多くなっていきます。
では、30代、40代向け化粧品はどんなSNSを活用したのでしょうか?
ファンケル エンリッチプラス
35歳頃から増えるエイジングの悩みに応えた、シワ改善が期待できるエイジングケア化粧品。リニューアルした商品の動画、口コミの収集のために、インスタグラムでアンバサダーを募集しました。募集期間中に、65投稿、264,976リーチ(広告を見たユーザー数)を獲得。#無添加化粧品 #敏感肌スキンケアのハッシュタグで検索をすると、トップ投稿にアンバサダーの投稿が表示され、多くの人の目に触れることができました。
アテニア ドレスリフト
「一流ブランドの品質を、1/3価格で提供することに挑戦し続けます」がブランドコンセプト。ドレスリフトは、肌に高密度のハリを与えるスキンケア用品です。ターゲットは高価格帯の商品を購入する40代以上の女性ユーザーです。同社は店舗がないため、インスタグラムを活用して、商品の使用感を発信し、認知度やブランドイメージを上げました。
シニア向け化粧品
しわやシミだけだなく、肌荒れ、たるみ、くすみなどあらゆる肌トラブルに見舞われる50代。2017年に、しわ改善を効果効能とした医薬部外品がポーラから発売されると、他社からも新商品が相次ぎ、シニア層を想定したアンチエイジング化粧品に対する消費者の関心が高まりました。
では、50代以降のシニア層をターゲットとした化粧品で、SNS広告を活用している商品をご紹介しましょう。
資生堂 プリオール
50歳以上の女性をターゲットとしたプリオール。「大人の七難 すんなり解決 プリオール」のキャッチコピーの元発売。オールインワンのゲル、薬用高保湿の化粧水や乳液などのスキンケアを始め、ベースメイク、ポイントメイク、ヘアケア、ボディケアまでの幅広いラインアップを揃えています。SNSは、各年代に偏りがほぼないLINEを主に活用することで、ブランドイメージを確立しました。
アルマード チェルラー ブリリオ
卵殻膜美容液化粧品で、顧客層は40~60代の女性が多く、メインは50代。元はテレビショッピングなどをメインの販売チャネルとしていましたが、ここ数年でEC事業にも力を入れるようになりました。2020年8月からユーザーの年齢層が幅広いLINE広告の運用も開始し、商品を購入した人と似ている類似ユーザーに配信。LINE Tagで購入に至るまでの広告ごとの経過を探って、ターゲット層にアプローチしました。
3. まとめ
ターゲット別化粧品のSNS広告の成功事例はいかがでしたでしょうか?
どんな年代をターゲットとした化粧品でも、売り出す商品に適したSNSを選択できるのかがポイントです。バズり投稿を生み出せば、スピーディにヒット商品を生み出せるはずです。
50代以上限定のSNS「おしるこ」では、難しいといわれるシニアをターゲットとしたプロモーションが可能です。
SNS会員の日記や趣味のグループで深い交流ができることが特徴で、日記投稿やログインでポイントが貯まるので、お得に商品を体験でき、その商品の感想も投稿してくれます。そのため、商品の認知を広げやすいという点も大きな特徴となっています。