SNSマーケティングに成功した企業事例と注意点をご紹介
日本国内における SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用者(アクティブユーザー)は年々増加しており、2022 年末には 8,270 万人に達する見込みです。
(出典:株式会社 ICT総研|2022年度SNS利用動向に関する調査)
このSNS市場でマーケティングを成功させるためには、TwitterやFacebookといったSNSを活用した企業の成功事例を知ることが近道。
今回の記事では、SNSマーケティングの成功事例を紹介し、事例ごとに成功ポイントを解説していきます。
ぜひ参考にし、SNSマーケティングが成功するためのノウハウを学んでくださいね。
目次
1. SNSマーケティングとは
そもそもSNSマーケティングとは何かというと、TwitterやFacebookなどのSNSを活用したマーケティングで、企業が売り出したい商品やサービスをSNS上で紹介し、ユーザーに販売して売上を得たり、企業や商品のブランド認知を得たりすることです。。
SNSマーケティングが本格化してきたのは、インターネット広告が主流になった後の2010年以降といわれています。
SNSマーケティングは「ごく一部の若者が利用しているもの」という見方はなくなり、現在でも多くの企業がSNSマーケティングを実施し、成功をおさめています。
ここからはSNSマーケティングとSNS広告の違いやその重要性をお伝えしていきます。
SNS広告との違い
「SNSマーケティングって、つまりSNS広告を出すことでは?」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、SNSマーケティングは通常の投稿文面・画像だけで発信する手法です。
SNS広告の出稿とは、大きく以下の2点で異なります。
- 広告ではないので費用がかからない
- 企業がSNSの1ユーザーとなり、他のユーザーとコミュニケーションが直接取れる
なお、SNS広告について詳しく知りたい方は関連リンクをご参照ください。
SNSマーケティングの重要性
マーケティングは消費者が商品やサービスを購入するまでの心理的及び行動変化をモデル化した「購買行動モデル」に基づいて行われます。
ターゲットに適切なタイミングで商品のPRをするためには、購買行動モデルに基づいてマーケティング戦略を立てることが重要です。
テレビやチラシ、そしてインターネットといったメディアは時代により常に変化しているため、その変化に合わせて購買行動モデルも変わっています。
これまでの一般的な行動モデルであった「AIDMA」とは異なり、最近では「AISCEAS」「DECAX」など、検索→比較→拡散といったSNS利用がスタンダードになっています。
たとえば、バズっている商品が気になる、店頭で見た商品はまずSNSの口コミをチェックする、といった行動などがあげられます。
そのため、個人だけでなく企業もSNSでアカウントを作成し、発信することが重要になってきているのです。
※AIDMA(アイドマ)
Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)
※AISCEAS(アイシーズ・アイセアス)
Attention(注意)→Interest(興味・関心)→Search(検索)→Comparison(比較)→Examination(検討)→Action(行動)→Share(共有)
※DECAX(デキャックス)
Discovery(発見)→Engage(関係構築)→Check(確認)→Action(行動)→eXperience(体験)
2. SNSマーケティングの注意点
ここからは、SNSマーケティングで注意すべきポイントについて解説していきます。
大きく2つあるので、しっかりおさえておきましょう。
1.運用コストがかかる
SNS投稿による情報発信はお金はかかりませんが、ヒューマンリソースは必要です。
SNSを通じて発信する内容は、ユーザーにとって質の高い有意義な情報でなければ意味がありません。
「一度投稿したら終わり」ではなく、どんな投稿がユーザーの反応が良かったか?何時に投稿すると注目を集められるか?など試行錯誤する必要があり、長期的な運用が必要です。
また、社内にSNSを得意とする方がいなければ、外部に依頼しなければならず、費用がかかります。そのため、情報発信をするための運用コストもかかることを覚えておきましょう。
2.炎上リスクがある
SNSではいいねやシェアといった特性から、良い情報も悪い情報もすぐに拡散します。
「炎上」という言葉を耳にしたことがある方も多いと思いますが、予期せぬ理由で情報が拡散されたり、意図せず注目を浴びる可能性があります。
一部のユーザーにネガティブな印象を与える発信をしてしまうと、あっという間に広まって炎上するリスクを孕んでいるのです。
一度炎上してしまうと、企業イメージが損なわれ、売上の低下や信用を失うことにもつながりかねません。
そのため、炎上のリスクを最小限におさえるためにも、社内チェック体制やネットリテラシー教育などを徹底しておくことが必要です。
3. SNSマーケティングの企業事例3選
最後にSNSマーケティングで成功をおさめた企業事例を、メディア別に紹介していきます。
SNSマーケティングを検討しているマーケティング担当の方は、ぜひ参考にしてください。
Twitter|シャープTwitterの中の人
広告の流れがマスからWeb、そしてSNSへと移り変わる中で、シャープ株式会社は公式アカウントを2011年に作成しました。
その背景には、鮮度の高いタイムリーな言葉を、すぐ発信することが条件にあり、特徴としては「Twitterの中の人」による「シャープの一社員がユーザーと話している」というコミュニケーションの取り方です。
シャープのゴールは「ファン作り」
そのため、自由に発信しているだけではなく、消費者が「へぇ~」「なるほど」と思うようなトリビアを発信しつつ、企業側が訴求させたい商品もきちんとPRしています。
フォロワーも57万人(2019年9月時点)から82万人(2022年7月現在)と増加し、人気企業アカウントに成長しました。(参照:HUFFPOST|「上から目線」や「大きすぎる主語」では伝わらない。”シャープさん”がSNS発信で実は心がけていたこと)
Instagram|icotto「心みちる旅」の情報発信
icottoは「心みちる旅」をコンセプトに女性が癒されて、リフレッシュできる旅の情報を集めたアカウントです。
(出典:icotto(イコット) 〜旅行・一人旅・女子旅〜)
このアカウントには、訪れたユーザーの滞在時間を伸ばす4つの仕掛けがあります。
- スタイリッシュな雑誌風の編集
- アカウント外への流出を防ぐためにあえて場所のタグはつけない
- ページ下部に「Swipe→」という表記をつけて、まだ途中であることを伝える
- いきなり旅先の写真に遷移するのではなく、感情を言語化してユーザーを引きつける
ページでの滞在時間はそれだけユーザーが興味をもっている証拠なので、伸ばしておいて損はありません。
「Swipe→」という表記をつけることで、画像だけでなく文章も記載して、ユーザーに読ませる工夫がこのアカウントのポイントです。
icottoではこの他にも、コピーや感情に焦点を当てたハイライトなど、さまざまな点においてユーザーの心を惹きつける工夫が施されています。
YouTube|玩具の魅力が詰まったタカラトミー公式チャンネル
タカラトミー公式YouTubeチャンネルが提供しているコンテンツは、新商品の遊び方や紹介などがメインです。かつて、2週間で総再生回数1,000万回越えの動画「リアル人生ゲーム」でバズった実績もある人気チャンネル。
今では、2022年4月時点で登録者数141万人を誇り、なかには5000万再生以上を記録した動画も存在する人気チャンネルに成長しました。
気になるYouTubeの中身ですが、HERO動画と呼ばれる、多くの人に企業・サービスを知ってもらうための動画が多いです。
そのため、見込み客となりうる子どもが読みやすいよう、概要欄のファーストビューはひらがなで記載されています。
子どもをターゲットにした徹底的なマーケティング戦略をもとに、興味がわくようなコンテンツを提供しているのが分かりますよね。
動画では製品を紹介するだけではなく、製品に合わせたキャラクターも紹介し、子どもの心をしっかりと掴みます。
まさにHERO動画の王道の事例です。
(出典:Keywordmap ACADEMY|玩具の魅力が詰まった-タカラトミー公式)(参照:Markezine|タカラトミーの新組織×オプトの動画特化型組織によるバイラル動画)
まとめ
今回はSNSマーケティングの定義や企業事例を解説してきました。
本記事でふれていないLINEやFacebookも代表的なSNSですので、各SNSの特徴やユーザー層に応じた最適なサービスでマーケティングを行うようにしましょう。
また、冒頭でお伝えしたとおり、SNSはもはや若者だけのコミュニケーションツールではありません。
高齢者をターゲットにした商品やサービスにもSNSは有効です。
50歳以上限定SNSアプリ「おしるこ」では、ユーザーと企業を結びつける広告サービスを提供しています。
シニアへのアプローチを考えているマーケティング担当の方は、ぜひ「おしるこ」をご検討ください。