マーケティングに必要なフレームワークの目的・種類を徹底解説 | シニアド

マーケティングに必要なフレームワークの目的・種類を徹底解説
WEB広告の基礎知識 投稿日: 更新日:

マーケティングに必要なフレームワークの目的・種類を徹底解説

マーケティングを行う際に「どうやったら人が集まるの?」「どうしたら売れるの?」と考えるのが最初の一歩ですが、結論、何にでも通用する答えはありません。

ただし、そのような課題について考える方法はいくつかあります。

代表的なものだと「3C分析」「STP分析」と呼ばれるマーケティング手法で、誰でもネクストアクションを起こせるよう定型化されたものです。

それを「フレームワーク(framework)」といいます。

今回の記事では、事業戦略などを担当するマーケティング担当の方向けに、おさえておきたい基本的なフレームワークの目的と種類について紹介していきます。

目次

  1. フレームワークとは何か?
  2. マーケティングフレームワーク5選
  3. まとめ

1. フレームワークとは何か?

的の上に集まる人々

ビジネスにおけるフレームワークとは

  • 共通して活用できる考え方
  • 意思決定
  • 分析
  • 問題解決
  • 戦略立案

のような枠組みのことを指します。

フレームワークのパターンは多岐にわたり、それぞれ目的が異なります。

フレームワークのメリット

マーケティングにおけるフレームワークとは、課題解決や戦略の意思決定のために使用される枠組みのことです。

マーケティングの次の打ち手を考える際や、施策において問題が生じた際などにフレームワークを活用することで、現状に必要な最適解を発見しやすくなります。

フレームワークを導入することで、マーケティングに関する考え方や目標が明確になり、

問題解決までのスピードがあがるというメリットがあります。

さらに、フレームワークはもれなくダブりなく網羅的に分析するための基準や方法が統一されているため、誰が用いても方向性がブレないという強みもあります。

この「もれなくダブりなく」はビジネス用語でMECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)とも呼ばれるので、覚えておきましょう。

2. マーケティングフレームワーク5選

マーケティングにおけるフレームワークは「事象をもれなく」「迅速に」「全体を把握するため」に使用される手法です。

ここから5つ、マーケティング戦略に役立つフレームワークを紹介していきます。

1. PEST分析

PEST分析

PEST分析とは企業を取り巻く外部環境が、将来的にどのような影響を与えるかを把握・予測するためのフレームワークのことです。

PEST分析は、

  • 政治(Politics)
  • 経済(Economy)
  • 社会(Society)
  • 技術(Technology)

という4つの外部環境を抽出し、分析対象とします。

主に経営戦略やマーケティング戦略などを策定する際に使用されるケースが多いです。

新たな市場機会を見つけるためには、まずは外部環境分析が必須です。

なぜなら、「競合他社の状況」や「景気」「政治・経済状況」などを把握することは、外部環境が自社に与える影響や課題の洗い出しに役立つからです。

この外部環境の分析には大きな視点からアプローチを行う「マクロ環境分析」と、より詳細な視点からアプローチを行う「ミクロ環境分析」の2種類が存在し、PEST分析は、マクロ環境分析に該当します。

2. 5Force分析

5force分析

5Force分析とは

  • 業界内の競合
  • 代替品の影響
  • 新規参入の脅威
  • 買い手の交渉力(顧客の要求等)
  • 売り手の交渉力(供給事業者の仕入れ単価等)

という5つの要素に分けて分析するフレームワークです。

5Force分析を行うことで、自社に対する脅威が何か把握でき、自社の優位性も発見することができます。

外部環境は自社の努力では変えることができませんが、5Force分析を用いて外部環境の分析をしていれば、迫りくる脅威に気づき、市場からの撤退を回避できる可能性があります。

また、現時点での課題や事業判断を行う判断材料にもつながるでしょう。

3. 3C分析

3C分析とは

  • Customer(市場・顧客)
  • Company(自社)
  • Competitor(競合)

という3つの「C」について分析する方法をさし、事業計画やマーケティング戦略を決定する際などに用いられるフレームワークです。

なお、本記事では「フレームワークの注意点」で例としてあげました。

3C分析の目的は、市場・顧客、自社、競合のそれぞれの分析からKSF(Key Success Factor=成功要因)の発見を導くこと。

KSFを導き出せば、事業の成功に向けて進むべき方向性が見えるようになります。

自社の状況と外的要因を照合することで、自社の強みや弱みが抽出でき、最も効率的なマーケティングに注力することか可能となりいます。

そのため、マーケティング戦略に生かすための知見や判断材料を得ることが目的な手法といえます。

4. SWOT分析

SWOT分析

SWOT分析は

  • Strength(強み)
  • Weakness(弱み)
  • Opportunity(機会)
  • Threat(脅威)

という4つの視点をもとに、経営戦略や事業計画を行うフレームワークです。

SWOT分析の活用方法としては、事業戦略方針の決定後に練られるマーケティングプランの策定や組織目標・社員個人の目標の決定などがあります。

ほかにも、「将来、企業が抱えるであろう問題の分析」や「企業戦略」「目標施策の設定」などの理解を深める際にもその威力を発揮します。

さらに、SWOT分析では外部環境と内部環境に分類することができ、それぞれの関係性も読み解くことが可能です。

  • 内部環境
    • Strength=自社の強み
    • Weakness=自社の弱み
  • 外部環境
    • Opportunity=市場機会
    • Threat=脅威

それぞれが単独で存在しているわけではなく、それぞれの要素は企業活動や市場動向の変容とともに、お互いに関連性を持って存在しています。

たとえば、プロジェクトの規模や事業内容によっては、弱みと脅威が互いに影響しあった場合、大打撃を受ける可能性があります。

そのため、4つの視点すべてが影響しあうものであると理解し、議論を進めていくことが重要なのです。

5. STP

STP

STP分析とは

  • セグメンテーション(市場細分化)
  • ターゲティング(狙う市場の決定)
  • ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)

これら3つの要素をもとにしたフレームワークです。

STP分析では次の3つのステップで分析を進めていきます。

  1. セグメンテーションで市場の全体像を把握する
  2. ターゲティングでその中から狙うべき市場を決定する
  3. ポジショニングで競合他社との位置関係を決定する

ここで常に重要となってくるのがユーザー目線です。

自社商品やサービスを届けたいユーザーの行動を客観的に把握し、それに応じた事業展開を行うことが、STP分析をより有意義にするポイントといえます。

参考:STP(エスティーピー)分析とは?マーケティング初心者が押さえたいフレームワーク

フレームワークの注意点

フレームワークを用いることにはメリットも多いですが、注意しなければならないこともあります。

そこで、売上停滞に悩んでいるスーパーマーケットの店長の例でみていきましょう。

1. フレームワークを活用することが手段ではなく目的になっている

スーパーマーケットの店長がコンサルタントに相談したところ、とりあえず3C分析にあてはめた上で解決策を提案されました。

3C分析の結果、この地域の市場規模は安定していて、競合するのは駅前にできたドラッグストアだけです。比較するとスーパーマーケットの化粧品の種類・在庫数がドラッグストアに劣っていることが判明しました。そのため、化粧品の販売に注力することで売上改善につながります。

このように伝えたところで、スーパーマーケットの店長は「本当に自分のスーパーの売上が伸びないのはドラッグストアの化粧品の品数のせいなのか・・・?」と違和感を覚えるでしょう。「売上が上がらない」ことへの本質的な原因が不明瞭のまま、3C分析にあてはめられただけの解決策には説得力がありません

あくまでフレームワークは課題解決の手段の1つであり、目的やゴールではないということを肝に銘じておかなくてはなりません。

2. 適切な場面で使わなければ誤った見解にたどり着いてしまう

コンサルタントの回答には続きがあります。

〇〇株式会社さんはこの地域で化粧品を扱う個人店とつながりがあります。
このルートを使ってスーパーマーケットで多くの化粧品をお客さんに提供することで、スーパーマーケットの売上は伸びます。

この解決策に違和感を感じる理由は「売上が上がらない」という本質の原因を明らかにしてないことです。

仮説が正しいかどうかの検証前に解決策を打ち出しているので、フレームワークの活用は無意味になってしまいます

そのため、いくらフレームワークを覚えていても適切な場面で使わないと意味がない、最悪の場合クライアントから不信感を買ってしまう可能性があることを、肝に銘じておきましょう。

3. まとめ

今回の記事では、新たな商品の展開やサービスのローンチなどを検討する際、市場にリリースする前に使えるフレームワークをご紹介していきました。

特に紹介した5つのフレームワークは、マーケティング担当の方であれば、押さえておきたいものばかりです。

フレームワークは一度考えたら終わりではなく、トレンドの変化に応じて常にアップデートする必要があります。ぜひ、本記事の内容を参考に商品やサービスに当てはめることで、実際に分析を行ってみましょう。

現状把握だけでなく、新たな課題発見にもつながるかもしれません。

なお、シニアに特化したマーケティングを考えている人は以下のリンクもご参照ください。

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