80代シニアの特徴とは?マーケティングで押さえるべきポイントや成功事例
2024年9月時点で、日本の80歳以上の人口は1,290万人となっており、総人口の10.4%が80歳以上です。
参照:総務省 統計局
そんな中、シニア世代をターゲットとしたマーケティングに力を入れる企業も増加しています。
しかし、シニア世代へのアプローチ方法の正解がわからないと、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、80代シニアの特徴やマーケティングのポイント、実際の成功事例を紹介しながら、効果的なシニア向けマーケティングの戦略について解説します。
目次
1.80代のシニア世代の特徴とは?
80代のシニア世代に効果的なマーケティング戦略立案のために、この世代の特徴をみていきましょう。
戦後日本の急速な変化と発展を経験した世代
80代のシニアは、日本の激動の時代を生き抜いてきた世代です。
幼少期に第二次世界大戦を経験し、戦後の混乱期と高度経済成長期を通じて、日本の復興と発展に貢献してきました。
物資不足や食糧難の中で育ったため、努力と忍耐の大切さを身をもって学んだ世代です。
バブル経済の崩壊やその後の長期不況も経験しており、「堅実さ」や「安定」を重視し、投資や消費に対して慎重な傾向があります。
消費傾向は「体力的な制約」が関係
日本では、65歳から74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と分類しています。
内閣府が公表している「高齢者の経済生活に関する調査」を見ると、前期高齢者と後期高齢者は、お金の使い道に違いがあることがわかります。
調査によると、80歳以上の後期高齢者が多くの費用を掛けているのは「食費」や「保険・医療費」です。
また、80歳以上の後期高齢者は、75歳未満の前期高齢者と比べ「趣味やレジャーの費用」が少ない傾向となっています。
この傾向は、体力の衰えにより行動に制約が生まれ、活動範囲が狭まることが要因と考えられます。
喜びを感じるのは「親しい人達との団らん」
株式会社日本総合研究所の「高齢者の生きがい等意識調査2024」によると、80歳以上の男女の「現在の楽しみ、喜びに感じていること」の1位は「家族や友人など、親しい人達との団らん」となっています。
男性は70代までは「国内旅行」が楽しみの上位にありますが、80代になると「親しい人達との団らん」が上位に来ています。

引用:株式会社日本総合研究所|高齢者の生きがい等意識調査2024
生きがいに関しても、前述の消費の傾向と同様、体力的な制約から活動範囲が狭まることが変化の要因かもしれません。
2.80代のシニア世代向けマーケティングのポイント
80代シニア向けのマーケティングを成功させるために重要なポイントを紹介します。
プロモーションにはターゲットの明確化と媒体選定が重要
シニア向けプロモーションを効果的に行うには、ターゲットの明確化と適切な媒体選定が欠かせません。
まずは、シニア世代を一括りに捉えるのではなく、ライフスタイルや興味関心に基づいて細分化し、それぞれに適したアプローチを取るのが大切です。
シニア向けマーケティングで現在主流なのが、シニアを以下の4つに分類して捉えマーケティングを実施することです。
- アクティブシニア:意欲的かつ活動的で金銭面に余裕がある高齢者層
- ディフェンシブシニア:健康に問題はないが消費活動に消極的な傾向のある高齢者層
- ギャップシニア:やりたいこととできることにギャップを感じるなど余生に不安を持つ高齢者層
- ケアシニア:介護を必要としており収入は年金のみであることが多い高齢者層
プロモーション戦略を立てる際には、それぞれの特徴に合わせた戦略を検討し媒体を選定しましょう。
シニア向けプロモーションの方法やおすすめのメディアについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方はぜひご参照ください。
シニア世代本人へのアプローチはアナログ媒体の活用も大切
80代のシニア世代は、テレビ・新聞といったアナログ媒体で情報収集を行っている人が依然として多く、アプローチする際はアナログ媒体の活用は外せないといえるでしょう。
NTTドコモ モバイル社会研究所の調査によると、80代の約6割がスマートフォンを利用しています。
しかし、以下の通りインターネット利用時間は「30分未満」「利用していない」という人が合わせて半数以上となっています。

引用:NTTドコモ モバイル社会研究所|インターネット利用時間[性年代別]
デジタル媒体でアプローチを行う際は、効果のある媒体を慎重に選定する必要があるでしょう。
また、シニア世代の家族をターゲットとする場合は、インターネット利用率が高いため、デジタル媒体の利用が有効です。
広告媒体の種類や効果、ターゲットごとの選び方については以下の記事でも詳しく紹介しています。
家族など介護者を通じたアプローチも重要
80代シニア向けの商品やサービスを提供する際は、シニア本人だけでなく、家族を中心とした介護者もターゲットと考えるのが大切です。
商品・サービスを利用するのはシニア世代であっても、以下のような理由から購入決定権を持つのは家族の場合もあるからです。
- シニア世代は健康状態の変化や認知機能の低下により、自立した意思決定が困難になっている
- 年金だけでは生活が厳しくなり、子どもなどの家族から経済的支援を受ける必要が出ている
特に介護商品は、介護を受けるのはシニアでも、利用するのは介護者となります。
そのため、シニア世代のニーズだけでなく、周囲の家族や介護者のニーズも考慮したマーケティング戦略を考えるのが大切です。
3.シニア向けマーケティングの成功事例
シニア向けマーケティングで成功を収めている企業の事例を紹介します。これらの事例から、効果的なアプローチ方法のヒントを得られるでしょう。
ワタミの宅食 ワタミ株式会社
外食事業で有名なワタミ株式会社が運営するシニア向けサービスが、家庭に冷蔵や冷凍の弁当を届ける宅配弁当事業「ワタミの宅食」です。
利用者の平均年齢は75歳で、中心年齢は80歳強となっており、65歳以上の利用者が8割を占めます。
ワタミの宅食では、以下のようなシニア世代のニーズを考慮したサービスを提供しています。
- 自宅へ配達することで、外出が困難なシニア世代でも手軽に利用可能
- 宅配弁当・惣菜はすべて、専任の管理栄養士が献立を設計し栄養バランスの偏りを避けられる
- 日替わりメニューや季節の食材を使ったメニューなど、飽きずに食事を楽しめるよう、豊富なラインナップを用意
- シニア世代が食べやすいよう、とろみを出したりやわらかく調理したりしたメニューを提供
- 「まごころスタッフ」と呼ばれる女性配達員が商品を配達し、体調や生活の状況を確認するみまもりサービスを提供
また、離脱防止策としてワタミの宅食が活用しているのが、シニア世代の利用も多いSNSのLINEです。
LINE公式アカウントでは、お得な情報や健康コラムの配信を実施。
さらに、LINEを通じて注文や問い合わせができるようにすることで、顧客の利便性を高め、サービス継続のハードルを下げています。
ターゲットのニーズに合ったサービス戦略立案の重要性がわかる事例です。
トップバリュ やわらか イオン株式会社
イオン株式会社は高齢者サポート食「トップバリュ やわらか」シリーズを販売しています。トップバリュ やわらかの商品は、介護者が利用しやすいよう以下のような工夫がされています。
- 食器への移し替えが必要ない、そのままレンジで温め可能なパッケージ
- 日常的に利用できるような価格設定
- 一度ですべて食べきれる容量
実際に介護をしているユーザーからは「そのままレンジアップできるので便利」「価格も手ごろなので必要な時に気兼ねせず使える」と好評です。
商品を食べるシニア世代だけでなく、商品を購入・使用する介護者の視点に立った商品開発を行った成功事例です。
4.シニア世代のインサイト把握ならシニア向けSNS「おしるこ」の活用がおすすめ
80代のシニア世代に効果的なマーケティング戦略を立案するには、シニア世代のインサイト把握と適切な媒体選定が欠かせません。
80代のシニアにアプローチする場合は、その子ども世代へアプローチするのも大切です。
しかし、子ども世代もすでに50代~60代となっており、どのような媒体でアプローチすればよいか悩む方も多いでしょう。
シニア世代のインサイト把握や、商品・サービスのPRに役立つのが、50歳以上限定のシニア向けSNS「おしるこ」です。
一般的なSNSは利用者の中心が若年層ですが、おしるこは会員が50歳以上のため、効率的にシニア世代のターゲットにアプローチが可能です。
おしるこを活用すれば、シニア世代の生の声や日常の関心事を直接知ることができます。
おしるこでは、以下のような広告メニューをご用意しています。
- アプリ起動時に表示され多くの会員にアプローチできる「ポップアップバナー広告」
- 生活に役立つ情報として認知してもらえる「記事広告」
- 商品を体験してもらい口コミによる自然な拡散を狙う「商品体験広告」
詳しい広告の詳細は以下よりダウンロードいただけますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
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