シニア世代に広がる読書の楽しみ方|電子書籍とオーディオブックの利用法
シニアの趣味として人気の高い「読書」。
セカンドライフを楽しむ中で、ゆったりと時間を費やして読書をすることで、知識を深めたり心を豊かにしてくれる大切な経験となっています。
しかし、シニア世代が抱える悩みによって、読書離れをしてしまう人も居るようです。
そんな中、電子書籍やオーディオブックがシニアの悩みについての解決策として注目されています。
本記事では、電子書籍やオーディオブックのシニアにとっての利便性と活用法などについて解説します。
目次
- シニアの読書をサポートする「電子書籍」「オーディオブック」が人気
- 「電子書籍」「オーディオブック」のシニアの悩みに対する具体的なアプローチとは
- 耳で聴く読書「オーディオブック」をシニアはどう利用する?
- まとめ|シニアへのアプローチを強化して、出版本の読者を増やそう
1.シニアの読書をサポートする「電子書籍」「オーディオブック」が人気
現代のシニア世代は、デジタル機器を使いこなす層も増えています。
総務省が実施した令和4年通信利用動向調査では、インターネット利用者の割合が50~59歳で95.4%、60~69歳で86.8%、70~79歳で65.5%、80歳以上で33.2%と、50代以上のいずれの年代も令和3年より利用者の割合が上昇しているという結果でした。
ネットを利用して気軽で便利に読書ができる「電子書籍」「オーディオブック」は、シニア層にも人気が広がっています。
その人気の動向を解説します。
また、デジタル機器を使いこなす「デジタルシニア」について下記の記事で詳しくご紹介しています。デジタルシニアの特徴や、効果的なアプローチ施策を知りたい方は、ぜひご覧ください。
「電子書籍」に関するシニアの利用実態
2024年に実施された、電子書籍の利用状況を調べた調査で、年代別の利用経験の問いに「現在利用している」「過去に利用したことがある」の回答を合わせると、50代は47.2%、60代は45.7%を占める結果となりました。
さらに、2013年に実施された、本好き読者への電子書籍利用に関する意識調査では、電子書籍のサイトを選んだ理由として「欲しい本があった」と50代の約56%、70代の約50%が回答し、「価格が安い」と70代の約57%が回答しています。
10年以上前の調査でも、シニア層が電子書籍に対して肯定的な意見を持っており、特に書籍の種類の充実や価格の安さが評価されていました。
これらのデータから、シニア世代がデジタル機器を使用した読書に違和感が無く、サービスへの対応力にも問題が無い人が多いことが伺えます。
電子書籍は、文字の大きさが変えられたり、バックライトやダークモードなどの表示が変えられたりするなど、デジタル機器を通して自分が読書をしやすい環境に整えることが可能です。
加齢による視力低下や老眼で「文字が読みづらい」といったシニアの悩みに応えることが可能な電子書籍は、今後もシニアの利用率を伸ばしていくと考えられます。
参考:Appliv TOPIC 電子書籍の現在利用している人は37.9% 全世代で利用率トップは「Kindle」
参考:株式会社BokLive “本好き読者”への電子書籍の利用に関する意識調査
「オーディオブック」に関するシニアの利用実態
書籍やテキストを音声で聴く形式のオーディオブックは、2023年の50歳以上を対象にした読書習慣調査で、「オーディオブックを使ってみたいか?」の問いに、「使っている」「使ってみたい」「やや使ってみたい」と回答した割合が約4割を占めています。
また、「audiobook.jp」を運営している株式会社オトバンクによると、55歳以上のユーザーは2023年7月時点で、前年同月比244%と大きく伸びたと発表しています。
目を使わずに耳で読書が楽しめるオーディオブックは、電子書籍と同様「本が読みづらくなった」というシニアの悩みに応え、人気が広がっています。
参考:audiobook.jp ミドル・シニア世代の読書習慣調査
2.「電子書籍」「オーディオブック」のシニアの悩みに対する具体的なアプローチとは
シニアの読書に対する大きな悩みとして、「視力の低下や老眼による、文字の見えづらさ」を挙げましたが、電子書籍やオーディオブックがシニアにも選ばれているポイントは、それだけではありません。
電子書籍、オーディオブックが読書に対するシニアの悩みをどう解決するのか、具体的に解説します。
視力の低下への対応
シニアが読書離れをしてしまう大きな原因は、先述している通り「本が読みづらくなった」という理由です。
2023年の50歳以上を対象にした読書習慣調査で、「若いころと比べて本が読みづらくなってきたと感じるか」の問いに、「思う」と応えた割合は74.8%で高い数値となりました。
「本が読みづらくなってきた理由」の詳細を問う質問では「老眼や視力の低下」と答えた割合が87%で1位です。
しかし、「読みづらいという悩みがなければ、もっと本を読みたいと思うか」の問いには「思う」の回答が70.6%となり、シニアの読書に対する意欲は高いことが伺えます。
電子書籍は、読みやすい設定に文字サイズなどを変更できるメリットがあり、オーディオブックではそもそも目を使わずに耳で本を楽しめるメリットがあります。
シニアの「読みづらさ」に対するサポートが可能なサービスだと言えるでしょう。
参考:株式会社BokLive “本好き読者”への電子書籍の利用に関する意識調査
書籍の持ち運びしにくさへの対応
外出先でも読書を楽しみたいと考えている場合、本を持ち歩く必要があります。
しかし、紙の本は重たいものも多く、シニアが持ち歩くには負担になります。
電子書籍やオーディオブックであれば、デバイスの中に何百冊も本を保存することができ、持ち運びにかかる物理的な負担を大きく減らすことができます。
また、本を買うために書店へ出向く必要がありません。
そのため、気になる本があったらその場で購入し、すぐ読み始めることができる点も便利なポイントだと言えるでしょう。
読書中の疲労感への対応
目を使わないオーディオブックは、長時間の読書中に起こる目の疲労や集中力の低下を軽減します。
また、家事や移動中など他の活動と聴く読書を組み合わせる「ながら聞き」ができるため、長時間の読書による疲労感を感じづらくなるでしょう。
気になるコストへの対応
本を1冊1冊購入することを考えると、複数の本を楽しみたいがコストが気になってしまうというシニアも居るでしょう。
電子書籍やオーディオブックでは、多くのサービスで月額制の「読み放題」「聴き放題」プランを用意しています。
電子書籍は数百円〜1,500円程度、オーディオブックは数百円〜30,000円程度の月額料金設定があり、自分の読書量に応じてプランを選ぶことが可能です。
また無料体験ができるサービスもあり、電子書籍やオーディオブックをまず試したいというシニアにも便利です。
読書量が多い場合も、コストを抑えながら様々なジャンルの本を試すことができ、読書の幅を広げることができます。
デジタル機器操作への不安を軽減
シニア層の中には、デジタル機器やアプリが問題なく使用できるか不安を感じる人も居ます。
電子書籍やオーディオブックのサービスでは、誰でも使用しやすいよう工夫されており、シニアでも使用方法を覚えやすい構造です。
例えば、シンプルで直感的なインターフェースを提供し、ホーム画面からすぐに読みたい本や聴きたい本にアクセスできるようアイコンなどが配置されています。
音声アシスタントや音声ガイド機能を搭載しているサービスもあり、音声によるガイドを受けながら操作することも可能です。
サービス開始時の丁寧なチュートリアルや、分かりやすいヘルプガイドを利用できるサービスもあります。
デジタルに不慣れなシニアでも、快適に利用できる環境が整ってると言えるでしょう。
3.耳で聴く読書「オーディオブック」をシニアはどう利用する?
耳で聴く読書という新しい方法でシニアの読書に対する悩みを解消し、利用者が伸びていると説明したオーディオブックですが、実際にシニアはどのように利用しているのでしょうか。
まず、2023年の性別・年代別オーディオブック利用調査において「オーディオブックの利用動機は」との問いの回答は、60代以上で「読書が好き」(60%)が1位となりました。
また、「オーディオブックを利用するシーンは」の問いには、60代以上で「運動・散歩中」(50%)との回答が1位でした。
「オーディオブックでよく聴くジャンルは」の問いには、60代以上で「文芸」(55%)との回答が1位です。
仕事や教養のための読書をするシニアも居ますが、趣味や余暇として楽しむために読書をしているシニアが多いようです。
文字が読みにくくなったり、集中力が持続しにくくなったりと、読書に関する身体的な悩みが増えるシニア世代ですが、オーディオブックの利用によって、身体的な悩みを軽減しつつ読書を楽しむことができます。
また、他の作業や家事をしながら「ながら聞き」ができるオーディオブックは、隙間時間も読書に充てることが可能で、読書量の増加に繋がります。
読書が好きなシニアにとっては、読書を通して学びや癒しを得られ続けることは、人生の充足感を感じより幸せな生活を送るために欠かせません。
シニアが学び続ける意味については、下記の記事でも解説しています。
シニアの学びと幸福感についての関係性については下記の記事をご覧ください。
4.まとめ|シニアへのアプローチを強化して、出版本の読者を増やそう
シニア世代は、長く読書を習慣にしている人も多い世代です。
しかし、年齢を重ねる中で読書に対するハードルが上がってしまう人も多いという事実があります。
そこで、シニアの読書習慣を支えるために「電子書籍」や「オーディオブック」は、シニアにとって欠かせないツールとして需要が伸びていくと考えられます。
また、読書を趣味として楽しむシニアのニーズとして、趣味を通じたコミュニティ形成を視野にいれることも大切だと言えるでしょう。
そこでおすすめなのが、シニア専用SNS「おしるこ」です。
「おしるこ」は、利用者が50代以上に限定され、シニアが安心して利用できるコミュニティプラットフォームです。
約8万人の会員登録があり、同じ趣味をもつ会員同士が繋がる場となっています。
この「おしるこ」の広告サービスを通して、出版本の情報やプロモーションを発信することで、シニア層へ効果的にアピールすることが可能です。
読書に対する感想や情報を利用者同士で共有し合うことで、趣味としての読書がより充実したものとなっていき、出版本や出版社のファン作りの場としても活用できるでしょう。
シニア向け広告の詳細については、下記の記事でも解説しています。
シニアに効果的な広告についてオフライン、オンラインの両方を解説していますので、ご確認ください。
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