60代独身女性が求める地方移住とは?移住検討の際のポイントや人気の都道府県も紹介

60代独身女性が求める地方移住とは?移住検討の際のポイントや人気の都道府県も紹介
シニアのインサイト 投稿日:

60代独身女性が求める地方移住とは?移住検討の際のポイントや人気の都道府県も紹介

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近年、都市部に住むシニア世代が地方への移住を検討する動きが増えています。

特に60代の独身女性は、「老後をのんびり過ごしたい」「趣味を楽しみたい」といった理由から、地方移住を検討するケースがあるようです。

60代独身女性をターゲットとして、地方移住をサポートするサービスを検討している方や、地域活性化に取り組む方の中には、60代独身女性が「移住を考える上で何を重視しているか」「移住に何を求めているのか」を知りたいと考えている方もいるかもしれません。

本記事では、60代独身女性が地方移住を検討する理由や移住先を選ぶ際のポイント、そして人気の移住先について詳しく解説します。

目次

  1. 首都圏から地方圏への移住希望者は309万人との推計
  2. 都心部に住む60代女性の移住検討理由
  3. 60代独身女性の地方移住を後押しする要因
  4. 都心部に住む60代女性が移住を検討する上でのポイント
  5. 老後に住みたい移住先ランキング
  6. シニア移住にやさしい街の事例
  7. 60代独身女性のインサイトを理解して地方移住ニーズを捉えよう

1.首都圏から地方圏への移住希望者は309万人との推計

認定NPO法人ふるさと回帰センターの調査によると、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)で生活している人の中で、「転居・移住に関心がある」または「現在の生活圏での生活を続けることに違和感を持つことがある」と回答した人は約610万人(推計)に上ります。

また、その半数以上にあたる309万人(推計)が移住先として地方を希望していることがわかりました。

ふるさと回帰支援センターへの移住相談件数は、年々増加しているとのことです。

都市部の生活に疲れを感じたり、より豊かな自然環境の中で暮らしたいと考えたりする人が増えているのでしょう。

全国の自治体では移住・定住促進策が実施されており、移住者獲得に向けた取り組みが活発化しています。

参考:認定NPO法人ふるさと回帰センター|首都圏の地方移住希望者は推計309万人

2.都心部に住む60代女性の移住検討理由

首都圏から地方圏への移住を検討する人が多いということですが、60代女性は、どのような理由で移住を検討するのでしょうか。

内閣府が行った「東京都在住者の今後の暮らしに関する意向調査」によると、60代女性が東京都以外への移住を検討した理由について、回答が多いものから5つは以下の通りとなっています。

  • 出身地であるから 34.6%
  • 家族・親戚・知人など親しい人がいるから 30.8%
  • スローライフを実現したいから 23.1%
  • 趣味を楽しみたいから 19.2%
  • 自分に合った生活スタイルを送りたいから 19.2%

これらの結果から、60代女性にとって、馴染みのある土地や人間関係が移住先を選ぶ上で重要な要素となっていることがわかります。

また「スローライフを実現したいから」「趣味を楽しみたいから」「自分に合った生活スタイルを送りたいから」といった自己実現に関連する理由も上位に挙がっています。

特に独身女性の場合は、家族の事情に縛られることなく自分の希望に沿った移住先を選べることから、人生を自分らしく充実させるための移住を考える人が多いのでしょう。

参考:東京都在住者の今後の暮らしに関する意向調査|内閣府

3.60代独身女性の地方移住を後押しする要因

60代独身女性の地方移住を後押しする要因としては、雇用環境の整備、自治体による手厚い支援制度、そして家族の事情に左右されない身軽さが挙げられます。

寮付きの求人を出す企業がある

地方では人手不足解消のために、寮付きの求人を出す企業があります。

特に観光地の宿泊施設では、ホテルや旅館のスタッフとして働きながら施設内に住むことができる求人が多く見られます。

また、工場の作業員や寮の管理人など、シニア女性の経験や丁寧さを評価する求人も増えているようです。

これらの寮付き求人は、移住に際して最も心配される「住居」と「収入」の問題を一度に解決できるメリットがあります。

特に都会から地方へ移り住み、セカンドライフを始める60代独身女性が増えている背景には、このような就労環境の整備も関係しているのです。

移住希望者の支援を行う自治体が増加している

近年、人口減少に悩む地方自治体では、移住希望者を積極的に受け入れるための支援制度が充実。

空き家バンクの整備や家賃補助、移住奨励金の支給など、地域によってさまざまな支援策が用意されており、経済的な負担を少なく移住を行うことが可能になっています。

また、移住相談窓口の設置や移住体験ツアーの実施、地域住民との交流機会の提供など、移住前の不安を解消するためのサポート体制を整える自治体もあります。

このような自治体側の受け入れ態勢の整備が、都市部に住む60代女性の背中を押す大きな要因となっているのです。

独身のため身軽に移動できる

60代独身女性の大きな強みの一つは、その「身軽さ」です。

家族との調整や配偶者の意向を考慮する必要がなく、自分の意思だけで移住を決断できる自由があります。

さらに、単身者向けの小規模な住居を選択できるため、住居費を抑えることも可能です。

このような身軽さが、「今からでも新しい土地で新しい生活を始めよう」という前向きな決断を後押ししているのでしょう。

4.都心部に住む60代女性が移住を検討する上でのポイント

60代独身女性は、移住先を選ぶ際どのような点を重視しているのでしょうか。

内閣府が行った「東京都在住者の今後の暮らしに関する意向調査」から、60代女性が東京都以外への移住を検討する上で重視するポイント1位から4位を紹介します。

参考:東京都在住者の今後の暮らしに関する意向調査|内閣府

1位 買い物の利便性

60代女性が移住先を選ぶ際に最も重視するポイントは「買い物の利便性」(42.3%)です。

長年都市部での生活に慣れた女性にとって、日常的な買い物の環境は生活の質を大きく左右するのでしょう。

特に高齢になるにつれて車の運転も難しくなることを考えると、徒歩や公共交通機関でアクセスできる商業施設の存在が重要だと考えられます。

2位 医療、福祉施設の充実

移住先選びで2番目に重視されるのは「医療、福祉施設の充実」(38.5%)です。

年齢を重ねるにつれて健康への不安は大きくなるため、質の高い医療サービスを受けられる環境は欠かせないと考える人が多いのでしょう。

地方都市では医師不足が問題となっている地域もありますが、医療体制が充実している自治体はそれを武器に、シニア世代の移住希望者を募っているケースもあります。

3位 人間関係

移住先での「人間関係」は、60代女性の34.6%が重視すると回答しています。

馴染みのない土地での新しい人間関係の構築に、不安を感じる人も多いのでしょう。

地方では濃密な人間関係が形成されている場合も多く、外部から来た移住者がどのように地域に溶け込んでいけるかが課題となることも。

しかし近年は、移住者を温かく迎える体制が整っている自治体も増えています。

移住者同士の交流会や地域住民との触れ合いイベントを定期的に開催している地域も多く、新たな人間関係構築のチャンスが提供されています。

4位 生活コスト(物価、光熱費、住居費など)

移住先での「生活コスト」は60代女性の30.8%が重視するポイントです。

実際、地方移住の大きなメリットの一つに生活費の削減が挙げられます。

都市部と比較して地方では家賃や土地価格が安いケースが多く、住居費の削減が可能です。また、空き家バンク制度を活用すれば、さらに低コストで住まいを確保できることも。

自治体によっては移住者向けの住宅補助制度を設けており、住宅購入や改修の費用を一部助成してくれるところもあります。

60代一人暮らしにはどの程度の生活費がかかるのか、生活にゆとりはあるのかなどについては、以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はご参照ください。

5.老後に住みたい移住先ランキング

不動産会社の株式会社AlbaLinkが全国の男女500人を対象に行った「老後に住みたい移住先に関する意識調査」によると、老後に住みたい移住先のランキングは以下の通りです。

引用:PR TIMES|老後に住みたい移住先に関する意識調査 株式会社AlbaLink

注目すべきは、2位の「東京都」、4位の「神奈川県」、5位の「福岡県」など、日本の主要都市が含まれていることです。

これは、買い物や医療などの利便性を重視する人にとって、都市部の充実したインフラが魅力的に映っているためでしょう。

60代女性が重視する「買い物の利便性」や「医療・福祉施設の充実」という観点からも理解できる結果といえます。

一方、1位の「沖縄県」は「暖かくてのんびりできそう」「海がキレイ」というコメントが多く、3位の「北海道」は「自然の中でのんびり暮らせそう」「食べ物がおいしい」「涼しいところに住みたい」といった声が寄せられています。

これらの地域は豊かな自然環境と独自の文化が魅力となっており、退職後にゆったりとした時間を過ごしたいという願望を反映した結果といえるでしょう。

6.シニア移住にやさしい街の事例

シニア移住を積極的に支援している自治体や、地域の特色からシニアに人気となっている自治体の事例を紹介します。

大分県豊後高田市

大分県豊後高田市は、宝島社が実施する「2025年版第13回住みたい田舎ベストランキング」の「人口1万人以上3万人未満のまち」カテゴリーで、シニア世代が住みたいまち部門「第1位」に選ばれています。

豊後高田市が人気を集める要因の一つは、豊富な空き家バンク物件の提供です。

移住希望者にとって住居の確保は最大の課題ですが、同市ではさまざまな条件の空き家情報を提供しています。

また、市内には六箇所の温泉が点在し、温泉好きのシニア層にとって魅力的な環境となっています。

参考:豊後高田市IJU(いじゅう)支援サイト

長野県佐久市

長野県佐久市は、標高約700メートルの佐久平駅を中心に市街地が発達した、人口10万人弱の地方都市です。

晴天率の高さと涼しい気候で夏でも過ごしやすく、シニア層から人気を集めています。

佐久市の最大の特徴は、医療環境が整っていること。

人口10万人あたりの医師数は全国平均が276.6人なのに対し、佐久市は393.9人と大幅に上回っています。

さらに、東京駅まで新幹線で最短約70分という交通アクセスの良さも大きな魅力。

都会とのつながりを維持しながら自然豊かな環境で暮らせることから、都会からの完全な決別を望まない移住者にとって理想的な移住先となっています。

参考:佐久市移住・空き家・空き店舗情報サイト

東京都奥多摩市

東京都奥多摩市は、都心からのアクセスが良好でありながら、豊かな自然環境を持つ移住先として注目されています。

山や川などの豊かな自然に恵まれており、ハイキングや温泉、釣りなどのアウトドア活動を楽しむことができます。

また、年間の犯罪件数が少なく、安全・安心な生活環境も大きな魅力。

東京都内にあるため、必要に応じて都心部の医療機関や商業施設を利用することも可能です。

完全な田舎暮らしではなく、都市部とのつながりを保ちながら自然環境を満喫できる「ほどよい田舎」を求めるシニア世代にとって、奥多摩町は魅力的な移住先といえるでしょう。

参考:移住定住(支援・助成)|奥多摩町

7.60代独身女性のインサイトを理解して地方移住ニーズを捉えよう

60代独身女性の移住ニーズは多様であり、それぞれの価値観やライフスタイルに合わせた提案が重要です。

「のんびり過ごしたい」「医療が充実している場所がいい」「コミュニティに入りやすい環境を求めている」など、さまざまなニーズを理解することで、より効果的な地域活性化策や移住支援サービスを展開できるでしょう。

こうしたインサイトを効率的に把握するには、実際に60代独身女性が多く集まるサービスで実際のリアルな声を聞くことが効果的です。

そこで役立つのが、50歳以上限定のSNS「おしるこ」。

おしるこのユーザーは、女性約半数、60代が4割、未婚が4割と、ターゲットとなる60代独身女性の声を直接集められる貴重なプラットフォームとなっています。おしるこでは、ユーザーに商品・サービスを利用してもらい感想をシェアしてもらったり、ユーザーを集めた座談会を開催したりすることで、60代独身女性の生の声を直接聞くことができます。

さらに、おしるこ内に広告を掲載することで、マーケティング戦略の効果検証やターゲット世代への効率的なアプローチも可能。

「シニアのインサイトを知りたい」「シニアへのアプローチは難しい」と課題をお持ちの方へ、有効なシニア向けSNSがあります。詳しくは以下をダウンロードしてみてください。

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