シニア割引は有効?心理学からみた効果や実施する企業の事例3選
シニア割引を実施している企業をよくみますが、実際に効果があるのか疑問に思いませんか?結論をいうと、シニア割引は購買につながるアプローチの一つです。
自社の商品・サービスを利用してもらうきっかけになるため、シニア割引について理解を深めておきましょう。
本記事では、シニア割引の心理学からみた効果や実施企業の事例などを紹介します。シニア割引に関する調査やおすすめの媒体も紹介するので、シニア層へ訴求したいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
- シニア割引は心理学的に有効
- シニア割引は実際に購買につながっている
- シニア割引を実施している企業
- シニア割引をするならWebやSNSがおすすめ
- シニア向けSNS「おしるこ」の生の声をシニア割引に活かそう
1.シニア割引は心理学的に有効
多くの企業が実施しているシニア割引ですが、なぜ行われているのか。それは、心理学的に有効だからです。割引されるとなぜ買いたくなるのか、以下3つの心理学の側面から解説します。
シニア割引への理解が深まるため、チェックしておきましょう。
現在性効果
現在性効果とは、遠い将来の大きな利益より、近い将来の小さな利益を優先する心理現象です。シニア割引に当てはめて考えると、「今日から利用可能」「アプリ登録後すぐ使える」など、即時性を強調すると、消費者は現在性効果によって購買意欲がそそられます。
たとえば、衣料品店で1ヶ月後に月1回の10%OFFデーがあったとしても、今日から使える5%割引クーポンがあれば、今日購入して5%OFFにしたいと思うのです。
現在性効果を使うやり方は、新規顧客を獲得するときに有効です。
損失回避バイアス
損失回避バイアスとは、利益よりも損失を恐れる心理現象です。シニア割引に当てはめて考えると、「〇日まで」「本日限定」とすることで、「今買ったら得」ではなく「今買わなきゃ損」という思考になり、商品を購入したいという気持ちが出てきます。
たとえば、スーパーで卵のセールをしており、本日限定でいつもの半額になっていたとします。すると、すでに自宅に卵があっても、「今日買わなきゃ損する」と思い、卵を購入したくなるのです。
損失回避バイアスを使うやり方は、特定の期間までに売りたいものがあるときにおすすめです。
アンカリング効果
アンカリング効果とは、最初に提示された情報によって、その後の情報に対する印象が変わる心理現象です。シニア割引に当てはめて考えると、割引前の価格とあわせて割引後の価格を提示することで、お得感を感じてもらえます。
たとえば、定価15万円のゴルフクラブセットが割引で10万円になっていたとします。本来、10万円で購入するつもりがなくても、割引前の価格と割引後の価格を見せられることで、「5万円もお得になっている」と感じ、購入意欲が出てくるのです。
アンカリング効果を使うやり方は、割引全般に使えます。
2.シニア割引は実際に購買につながっている
シニア割引は心理学的には効果があるとされていますが、実際に購買につながっているのでしょうか。
マイボイスコム株式会社の『クーポンの利用』に関するインターネット調査では、「店や商品の利用・購入前に、クーポンがあるかどうかを調べることが多い」「同じものなら、なるべくクーポンが使える店や商品を利用・購入する」という意見がそれぞれ約35%ありました。

引用:【クーポンの利用に関する調査】直近1年間に店頭でクーポンを利用した人は7割弱、女性で比率高い。店や商品の利用・購入前にクーポンがあるかを調べる人は35%、2020年より増加
また、約70%の人が、直近1年間でクーポンを利用したと回答しています。

引用:【クーポンの利用に関する調査】直近1年間に店頭でクーポンを利用した人は7割弱、女性で比率高い。店や商品の利用・購入前にクーポンがあるかを調べる人は35%、2020年より増加
この調査の対象は、約半数が5,60代の方なので、シニア割引には効果があるといえるでしょう。シニア割引は心理学的にはもちろん、実際に効果的なマーケティング手法です。
3.シニア割引を実施している企業
ここでは、シニア割引を実施している以下3つの企業を紹介します。
- すかいらーくグループ
- 株式会社イトーヨーカ堂
- ジャンカラ
それぞれどのような施策で、どの心理効果が働いているのかを見ていきましょう。
すかいらーくグループ|60歳以上対象のプラチナパスポート
ガストやバーミヤンなどを経営するすかいらーくグループは、60歳以上を対象に、会計が5%割引になるプラチナパスポートを発行しています。
プラチナパスポートは店内飲食でも持ち帰りでも使用可能で、すかいらーくグループの10ブランド以上、2,100店以上で利用可能です。
店内飲食の場合は同伴者6名まで同様の割引を受けられるため、プラチナパスポートをきっかけに友人や家族との来店が期待できるでしょう。
また、すかいらーくアプリでは、60歳以上だとプラチナパスポートが自動表示されます。紙のパスポートは持ち歩く必要がないため、スマホを使いこなすシニア層への配慮もできています。
プラチナパスポートの利用方法はホームページで丁寧に書かれており、「よくわからないからやらない」という気持ちを生ませない作りにしているのも注目です。
さらに、ホームページには「今日から、いつでも、何回でもご利用いただけます」「その日のお会計から5%割引!」という文言があり、現在性効果が働いていると思われます。
参考:【60歳からのご優待】プラチナパスポート|すかいらーくグループ
株式会社イトーヨーカ堂|シニアナナコ
スーパーを展開する株式会社イトーヨーカ堂は、60歳以上を対象にした電子マネー「シニアナナコ」を発行しています。
nanacoカードで買い物するとnanacoポイントが貯まりますが、シニアナナコはそれに加えて毎月特定の日には、ほとんどの商品が5%OFFになります。
発行手順は難しくないため、買い物ついでに気軽に作成可能です。スーパーはシニアになっても訪れる場所ですが、行くのが億劫になるときもあります。
そこで、特定の日にサービスデーを設けることで、スーパーに足を運んでもらうきっかけになっているのです。
毎月特定の日に5%OFFデーがあることにより、「この日に買わなきゃ損する」と、損失回避バイアスが働いていると思われます。
ジャンカラ|シニア会員割引
カラオケ店を展開するジャンカラは、60歳以上を対象にしたシニア会員割引を実施しています。毎月第3・第4火曜日はルーム料金が半額になり、毎月配信される限定クーポンも届きます。
スマホアプリでは、来店するたびに貯まるポイントや、利用するほどお得になるランクサービスなどの特典があり、非常に魅力的です。
また、スマホを持っていないシニアの方も利用できるようにカードの発行もしており、免許証や保険証を持っていればすぐに申し込めます。
毎月第3・第4火曜日をルーム料金半額デーにしていることにより、損失回避バイアスが働いているほか、その日からすぐ会員になれるため、現在性効果も働いていると思われます。
4.シニア割引をするならWebやSNSがおすすめ
今からシニア割引をするなら、WebやSNSがおすすめです。なぜなら、シニアのSNS利用率は年々上がってきているからです。

総務省の「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、シニア層である5,60代のSNS利用率は年々上がっており、LINEは60代でも90%以上、YouTubeは60代で約70%以上が利用しているという結果になりました。
近年は、このようなデジタルツールを活用しながら生活をアクティブに行う「スマートシニア」が増えており、マーケティング的には見逃せません。
今からシニアへ割引情報や割引クーポンを届けたい場合は、WebやSNSを検討するのがおすすめです。
スマートシニアについては、以下の記事で解説しているのでぜひご覧ください。
5.シニア向けSNS「おしるこ」の生の声をシニア割引に活かそう
シニア割引は自社の商品・サービスを知ってもらったり興味を持ってもらったりするきっかけになるため、本記事を参考に検討してみてください。
ただ、「今のシニアは何に興味がある?」「シニアへ向けてアプローチしたいけど最適な媒体はどこ?」とお悩みの方も多いでしょう。そんな方におすすめしたいのが、シニア向けSNS「おしるこ」です。
おしるこは、50歳以上限定SNS、シニアに向けて自社の商品・サービスを届けられるため、シニアマーケティングを進めたい場合にぴったりの場所です。
また、おしるこではユーザー同士が活発に情報交換しているほか、座談会も開催できます。そのため、シニアの生の声が聞ける貴重な場所になっているのです。
「シニアのインサイトを知りたい」「シニアへのアプローチは難しい」と課題をお持ちの方へ、有効なシニア向けSNSがあります。詳しくは以下をダウンロードしてみてください。
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