エシカル消費とは?具体例や企業の取り組み方をご紹介
近年、消費者が社会問題の解決につながることを意図して行う「エシカル消費」という消費行動が注目されています。
企業の社会的責任が問われる場面が多くなり、エシカル消費に貢献しているかどうかも重要なポイントとなっています。
この記事では「エシカル消費とはなにか」「エシカル消費の具体例や企業の取組事例」「企業がエシカル消費に取り組む方法」をご紹介します。
目次
1. エシカル消費とは?
エシカル消費とは、消費者が社会問題の解決につながることを意図して行う消費行動です。
エシカル消費は、2015年9月の国連サミットで採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」にも関わる取り組みのため、注目度が高まっています。
SDGsの12番目の目標には「つくる責任 つかう責任」が設定されています。
「つくる責任 つかう責任」は、生産と消費のパターンを変えることで、天然資源や有害資源などの利用や、廃棄物や汚染物質の排出を最小限に抑えることを目指すという内容です。
この目標を達成するために注目されているのがエシカル消費なのです。
2. エシカル消費の具体例
エシカル消費を行う際は、価格の安さや便利さなど自身の利益だけで商品やサービスを購入するのではなく、それらがどのように生産・流通しているのかなどに目を向けて購入します。
たとえば、下記のような商品を購入することがエシカル消費となります。
- フェアトレード認証商品
- リサイクル商品
- 化学肥料や農薬を使っていないオーガニック商品
- 障害者支援商品
また、消費を行う上で下記のような配慮をすることもエシカル消費です。
- レジ袋の代わりにマイバッグを使う
- マイボトルを利用する
- 食品ロスをなくす
日々の消費の仕方を少し工夫するだけでも、エシカル消費になります。
3. 企業によるエシカル消費の取り組み事例
近年、個人だけでなく企業もエシカル消費に貢献しているかが注目されています。
企業がエシカルな商品やサービスを提供することで、社会貢献になるのはもちろん、消費者やステークホルダーからのイメージアップにもつながります。
実際にエシカル消費に取り組んでいる企業の例をご紹介します。
スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社
スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社は、農産品のエシカルな調達を厳守しています。
具体的には、下記のような条件を満たす調達を行っています。
- 生産者に対価が適切に支払われている
- コーヒー生産に関わる人の権利が保護され、地域社会の支援がされている
- コーヒーの栽培環境が保全され、生物多様性が維持されている
このような条件に基づいて調達されたコーヒーには独自の「エシカルソーシングスタンプ」という証をパッケージに印字しています。
参考:人と環境を想うコーヒーの証「エシカルソーシングスタンプ」(スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社)
日本マクドナルド株式会社
日本マクドナルド株式会社は、食品廃棄の削減を目的とした新たな調理システムの導入や、廃食油(使用済みのフライオイル)のリサイクルを行っています。
また、過剰漁獲の抑制・生産者の人権保護・児童労働の禁止など、独自の調達基準に沿った持続可能な原材料の調達を行っています。
持続可能な原料調達、環境・社会などに配慮した製品であると認証を受けたことを示す「サステナブル・ラベル」の取得を積極的に行っており、消費者へエシカルな商品であることをわかりやすく発信しています。
セイコーエプソン株式会社
セイコーエプソン株式会社は、部品などの調達で「CSR(企業の社会的責任)調達」を行うことを掲げています。
CSR調達の取り組みとして、サプライヤー管理プログラムを実施しており、サプライヤーガイドライン遵守の要請・サプライヤーによる自己評価・改善支援などを行っています。
これらの取り組みが評価され、持続可能な調達を通じてSDGsの目標達成に寄与する取り組みを行う団体を表彰する「グリーン購入大賞」で、第24回大賞・経済産業大臣賞を受賞しています。
参考:「持続可能な調達」に取り組む生協とセイコーエプソン、杉本商店が第24回グリーン購入大賞を受賞
4. 企業がエシカル消費へ取り組む方法
これからエシカル消費に取り組みたい企業は、どのような取り組みを行えば良いのでしょうか。
エシカル消費への取り組み方法を、具体的にご紹介します。
環境に配慮した製造・販売を行う
企業が実施できるエシカル消費の一つとして、環境に配慮した製造の実施・販売や販促活動・流通経路の見直しなどがあります。
具体的には、製造過程に再生エネルギーを使用する、地産地消を推進したりすることがあげられます。
また、プラスチック製のレジ袋やストローなどを廃止することもエシカル消費につながります。
フェアトレードの原材料を活用する
フェアトレードの原材料を仕入れることも、企業ができるエシカル消費の一つです。
フェアトレードとは、開発途上国の原料や製品を適正価格で継続的に購入することで、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す貿易を行うことです。
フェアトレードの原材料を使用していることを消費者に公開することで、消費者がエシカル消費を行うことができます。
認証ラベルやマークを取得する
企業がエシカル消費を実践していることは、認定ラベルやマークの取得をすることで消費者に伝えることができます。
ラベルやマークには以下のような種類があります。
- エコマーク
エコマークは、生産から廃棄までの過程において環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる環境ラベルです。
- 有機JASマーク
有機JASマークは、農畜産業で化学合成肥料や農薬を使用しないなど、農林水産大臣の定めた品質基準や表示基準に合格した製品に付けられるマークです。
- 国際フェアトレード認証ラベル
国際フェアトレード認証ラベルは、生産から完成品になるまでの各工程で、国際フェアトレード基準が守られていることを証明するラベルです。
開発途上国の原料や製品が、公平な条件で取引されていることなどを認証しています。
これらの認定ラベルやマークを取得し商品に付与することで、消費者がエシカルな商品を選ぶことができます。
5. シニア世代はエシカル消費が活発
シニア世代はエシカル消費が活発な傾向があります。
消費者庁の調査によると、下図の通りエシカルな消費行動をとる人の割合は若い世代と比べ65歳以上の方が高くなっています。
しかし、同調査によるとシニア世代は「エシカル消費」という言葉は知らない人が多いということがわかります。
シニアにエシカルな商品・サービスを選んでもらうには「エシカル」という言葉ではなく、社会問題の解決につながることをわかりやすく伝える必要があるでしょう。
6. まとめ
企業がエシカル消費への取り組みを行っているかどうかは、消費者が商品・サービスを選ぶポイントになっています。
特にシニア世代は「エシカル消費」という言葉は知らないものの、若い世代よりもエシカルな消費行動を活発に行なっています。
「エシカル消費」という言葉を知らないシニア世代にエシカルな商品を購入してもらうには、社会課題の解決につながることをわかりやすく伝えるアプローチが必要です。
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