成功例から紐解く! シニア向けビジネスで勝ち組になるポイント
日本に約800万人いるとされる「団塊の世代」が75歳以上となり、国民の約5人に1人が後期高齢者(75歳以上)、約3人に1人が65歳以上という時代がやってきました。超高齢化社会を迎え、雇用や医療、福祉などに深刻な影響を及ぼすことが危惧される一方で、この人口構成の変化を新たなマーケットと捉え、シニア向けビジネスへと参入する企業は年々増えています。
そこで本記事では、シニア向けビジネスで勝ち組になるためにはどのようなポイントを押さえておくべきなのか、具体的なビジネスモデルをもとに解説します。これからシニア向けビジネスに取り組もうとしている方、あるいは、すでにビジネスを始めているけれど思うように成果が出ないという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.実際のビジネスモデルから学ぶ!シニア向けビジネスの成功事例
すでに実績をあげているビジネスモデルを分析してみると、シニア向けビジネスで成功するための秘訣を数多く学ぶことができます。具体的な成功事例を参考に、シニア層に響く“肝”となるポイントを探究することが、ビジネスチャンスを掴むための第一歩といえるでしょう。ここでは数ある成功例の中から、3つをピックアップして紹介します。

ライザップ 動ける体作りにコミットする「シニアプログラム」
パーソナルトレーニングジムのライザップでは、60歳以上を対象とした「シニアプログラム」を展開しています。「人生100年時代のカラダづくり」をコンセプトに掲げるこのプログラムで目指すのは、体力年齢を若く保ち、健康寿命を伸ばすこと。これはまさに、シニアの誰もが望む歳の重ね方といっても過言ではないでしょう。
同プログラムでは、ひとり一人に合わせたトレーニングと食事指導に加え、体調や体力情報をデータ化して管理しています。パーソナルトレーニングジムとして培ってきたノウハウを活かし、運動経験がない人や体力に自信がない人でも無理なくできるようなプログラムを構成することにより、シニアの健康なカラダづくりをサポートします。
50~60代以上のライザップ会員のうち、80%以上が「続けたい」と答えているアンケート結果からも、満足度の高さが伺えます。
セコム 用途に合わせて選べる「高齢者向け見守りサービス」
警備サービス会社・セコムでは、多様な高齢者向け見守りサービスを提供しており、ユーザーは幅広い選択肢の中から自身の用途に合ったサービスを選ぶことができます。たとえば、「セコム・マイドクターウォッチ」は、リストバンド型の機器を装着することにより、急病や転倒といった万が一の際にセコムへ救急通報ができるというもの。そうした緊急時への備えだけでなく、日常の活動量を計測・表示する機能も搭載されているので、日々の健康管理にも役立てることができます。
また、離れて暮らす親のことが気がかりという方から支持されているのが「まごチャンネル」です。これは、生活音の有無、照度の変化をもとに、親の様子を家族のスマホアプリに通知するというもので、程よい距離感で見守れる点が好評価を得ています。
クラブツーリズム 身体にやさしい「大人のゆるり旅」
旅行会社・クラブツーリズムがお客様の声をもとに企画・展開しているのが、「大人のゆるり旅」というツアーです。大人数のツアーについていけるか不安な方のために、バス1台あたりの人数を一般的なツアーよりも少数に限定。また、添乗員のほかに、一定の介護資格を持つスタッフが同行し、必要に応じてサポートや声掛けをします。
そのほか、極力歩く距離の短い観光地を設定する、ゆったりとした行程を組む、レストランは椅子・テーブルの席を確約するといった細やかな配慮をしていることもポイント。シニアが抱えるであろうさまざまな不安を払拭することで、75歳以上のシニアでも安心して参加できるツアーを提供しています。
そうしたシニアをサポートするという視点だけにとどまらず、「まだまだ旅を楽しみたい!」というニーズにもしっかり応えていることも本商品の特徴です。たとえば、気軽に参加できるバスツアーから列車・飛行機を利用するツアーまであるのはもちろん、特急列車のプレミアムシート確約やクラシックホテルでの宿泊を組み入れたラグジュアリーなツアーも用意。また、ツアー内容も観光スポットを巡るだけでなく、桜を見に行く、祭りや花火を見に行くなどバリエーション豊かにすることで、多彩なニーズに応えています。
2.成功例から見えてくる3つのポイント
実際のビジネスモデルをみてみると、シニアのニーズやインサイトを深く追求し、そこにマッチする商品やサービスを提供していることがわかります。そのなかでもとくに重要な3つのポイントについて解説します。
ペルソナを具体的に設定する
シニア向けビジネスを展開する際に不可欠なのが、ペルソナを具体的に設定することです。ペルソナとは、自社が提供する商品やサービスを利用する典型的な顧客モデルのこと。年齢や性別、居住地、家族構成、趣味、ライフスタイルなどの属性を想定し、よりリアリティのあるユーザー像を設定するという、マーケティングにおける概念です。
シニア向けビジネスを考えるとき、絶対にタブーなのがシニアを一括りにすることです。ひと口にシニアといっても、60代と80代では趣味嗜好やライフスタイルは大きく異なります。また、同じ年代であっても健康状態は個人差が大きく、50~60代ですでに健康上の不安を抱えている人もいれば、70~80代でも自立し、アクティブに活動しているシニアもいます。
こうした実情を踏まえ、多彩なニーズを想定して商品を展開しているのがクラブツーリズムの「大人のゆるり旅」です。「旅行はしたいけれど、自身の体力や現地での移動が心配」というシニアのためには、さまざまな不安を想定したきめ細やかなサポート体制を完備。その一方で、ツアー内容も価格帯も多彩に取りそろえることにより、アクティブシニアにも十分に楽しんでもらえるような旅の提案を実現しています。
なお、ペルソナ設定の詳細については以下のサイトでも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ペルソナって何?誰でもできるペルソナ設定の方法と具体例を紹介
期待を超える価値を提供する
シニア向けビジネスは日々拡大し、すでにレッドオーシャン化している市場も出てきているのが現状です。そうしたなかで勝ち組になるためには、期待を超える価値を提供し、他社との差別化を図ることが非常に重要です。
前述した成功事例をみても、通り一遍の商品やサービスを提供するのではなく、顧客がどんなことを考えているか、どうしたら満足度を高めることができるか、といったことを深掘りし、商品やサービスを構築していることがわかります。
たとえば、ライザップのシニアプログラムでは、加齢によって真っ先に衰えるとされる足腰の強化に重点を置き、自立した生活が送れるような体づくりをサポートしています。さらに、個々の体力差も考慮しながら、徹底したパーソナルアプローチができることも同社の強みといえるでしょう。
また、セコムの見守りサービスでは、健康に不安を抱えるシニアに対しては緊急通報できるサービスを、家族からの過度な干渉には抵抗を感じるシニアには適度な距離感で見守れるサービスをというように、アプローチの仕方に多様性を持たせています。比較的健康に自信があるシニアほどこうした見守りサービスの必要性を感じないものですが、子や孫にとって、離れて暮らす親や祖父母は気がかりなものです。そんなシニアには、適度な距離感で見守ってもらえる「まごチャンネル」であれば受け入れられる可能性が高いと考えられます。
このように、まさに「かゆいところに手が届く」ような価値こそがユーザーの心に刺さり、顧客の獲得へとつながります。
子や孫にアプローチする
シニア向けビジネスというと、シニアに対してどうアプローチするか、ということばかりに意識が向きがちです。しかし、商品やサービスの特性によっては、子や孫へのアプローチがビジネスチャンスにつながるケースも少なくありません。
多くのシニアは、消費行動を起こす際、慎重に検討したうえで決断する、という特徴があります。そのため、シニアが何かを決断するときには子や孫に相談するケースが多くみられます。その背景には、自分の判断だけで決めるのは不安があり、信頼できる子や孫の意見を聞いたうえで決断したい、という心理があります。それだけシニアにとって子や孫の意見というのは非常に影響力が大きいのです。
前述したセコムの見守りサービスのうち、万一の際に緊急通報できるサービスは、シニアにとって安心なだけでなく、子や孫にも大きな安心感を与えることができます。そうしたアプローチがしっかりできれば、子や孫から親や祖父母に対して見守りサービスを利用することを勧めるようになり、それをきっかけに導入へとつながる可能性が高くなります。
子や孫にアプローチする際には、その商品やサービスを導入することで、日常生活でどんな利便性が得られるのか、安全や安心が担保されるのか、といったことを多角的な視点で、より具体的に伝えることがポイントです。すると、子や孫が「これを取り入れれば、親(あるいは祖父母)が今よりも快適に過ごせるかも」「気がかりだった心配事が解消されて、私たちも安心できる」と感じ、親や祖父母にその商品やサービスの購入を勧めるにようになる、といったことが期待できるでしょう。
3.効果的にアプローチするならシニア向けSNS「おしるこ」がおすすめ
ペルソナを具体的に設定するには、シニアには実際、どのようなパーソナリティが存在するのかを知るための情報収集が必要となります。また、期待を超える価値を提供するためには、シニアのニーズやインサイトを探ることが重要です。
そこでおすすめしたいのが、50歳以上限定のシニア向けSNS「おしるこ」です。おしるこでは、シニア世代の会員が日常の出来事をシェアしたり、コミュニティを通して仲間との交流を楽しんだりしています。また、シニアに向けてアプローチできる広告サービスを多数用意しており、ユーザーに商品やサービスを実際に利用してもらう「体験型広告」では、リアルな感想を収集できます。また、おしるこユーザーを集めて開催している座談会では、シニアの貴重な生の声を聞くことができます。これらを通じてシニアのより具体的な人物像が明確となり、リアルなニーズやインサイトを知るヒントも得られることでしょう。
「シニアのインサイトを知りたい」「シニアへのアプローチは難しい」と課題をお持ちの方へ、有効なシニア向けSNSがあります。詳しくは以下をダウンロードしてみてください。
「シニアド」へのご相談を1クリックで予約しませんか?
シニア市場への理解を深め、効果的なアプローチをサポートいたします。マーケティング戦略、ブランディング強化など、ご検討中の課題をぜひお聞かせください。 専門スタッフが丁寧に対応いたします。