高齢者にとって見やすい色とは?シニアマーケティングに生かせる色選び
高齢者向けの商品やサービスを展開していくうえで重要な広告戦略。ターゲットへより効果的に訴求できないか悩んでいる方も多いことでしょう。
・高齢者向け広告の成果が思うように出ない
・高齢者の目にとまりやすい広告を出すにはどうしたらいいのか
さまざまな要因はありますが、実は「色」も重要な要素を占めています。
色を識別する感覚「色覚」が、年齢を重ねるにつれ変化していくことはご存じでしょうか。若い世代の色覚と高齢者の色覚には大きな違いがあるのです。
高齢者の色覚を理解することは、ターゲットである高齢者の関心を引く色選びに非常に有効です。
高齢者の色覚の特徴を知り、効果的な色の戦略について解説します。
目次
1.高齢者にとっての見やすい色とは
若いころに見えていたように、高齢になっても同じ色として見えるとは限りません。
加齢とともに色覚も変化し、これまで見えていた色が見えにくくなったり、色の違いを認識できなくなったりするのです。
高齢者の色覚が変化する理由
高齢者の色覚が変化する理由の多くは、加齢によるものです。人は年齢を重ねると、目のレンズである水晶体が老化します。この老化や紫外線の影響により、水晶体が濁ることで、目が見えにくくなったり、色の識別が難しくなったりします。
高齢者の多くが罹患する白内障は、老化や紫外線が原因とされています。水晶体の老化は40代から始まり、80代になると程度の差こそあれ、ほとんどが白内障にかかっているといわれています。
高齢者の色の見え方
加齢によって目の機能が衰えると「階段の段差がわかりづらい」「ガスコンロの青い炎が見えにくい」「薬の色が見分けにくい」「黒や紺の靴下の見分けがつかない」など、色の見え方が変わってしまいます。
また、白内障で水晶体が茶色く濁ると、常に茶色のサングラスをかけた状態のような見え方になります。明るいところではうっすらと色がかかったように見え、暗いところでは色の変化がわかりづらくなるのです。
2.高齢者が見やすい色と見えにくい色
高齢者にとっての「見やすい色」「見えにくい色」とはどんなものがあるのでしょうか。
色には「色相」「明度」「彩度」からなる「色の三属性」があります。赤、青、緑などの色味を「色相」と呼び、色相の明るさの度合を表すのが「明度」であり、鮮やかさの度合を表すのが「彩度」です。特に色の明度や彩度は、色の見え方に大きく関わってきます。
高齢者が見やすい色
高齢者にとって見やすい色には「赤色」「オレンジ」「緑色」があげられます。これらの色は、水晶体の老化による影響を受けにくいとされ、ほとんどそのままの色として認識できます。特に赤色やオレンジなどの鮮やかな暖色系の色は、水晶体の黄変から、より濃く見えるとされます。また、ピンクや黄緑色のように明るくはっきりした色も、高齢者向けです。
高齢者が見えにくい色
水晶体が黄色く変色したことにより、青系の色は見えにくい傾向にあります。
ガスコンロの青い炎が見えづらいのもそのためです。同じく、信号機の青も識別が困難になることも。若いころには見えていた微妙な色の濃淡の違いも認識しづらくなります。
色の組み合わせには明度や彩度が関係しています。色のコントラストに差がない組み合わせは、高齢者にとっては同じ色に見えてしまうことも。色のコントラストとは、異なる色同士の色相、明度、彩度の対比から生じる差を意味します。明度や彩度が同じであると、異なった色でも色の違いを見分けることが難しくなるのです。
以下のような組み合わせは、高齢者が認識しにくい例です。
・グレーと黒色
・緑色と黒色
・青色と緑色
・青色と茶色
・茶色と黒色
・水色とベージュ
・水色とライトグレー
・白色と黄色
高齢者が見やすい色使い
色のコントラストに差がない色使いは、高齢者には見えにくいものでした。反対に、コントラストにはっきりとした差があれば見やすくなります。濃い色同士、薄い色同士の組み合わせは避けるべきでしょう。高齢者にとって、以下のような色の組み合わせは認識しやすいといえます。
・白色と黒色
・青色と黄色
・緑色と白色

【図1】無彩色同士の場合:白と黒の組み合わせは明度差が最も大きい。

【図2】有彩色同士の場合:それぞれ左側の方が明度差が大きいため、コントラストが強くなる。
出典:color-literacy.com|明度差による色のコントラスト -配色テクニック活用法-
これらの図のように、色のコントラストがはっきりしていれば、高齢者にとっても認識しやすくなるでしょう。
ぜひ、こちらの記事も参考にしてみてください。
3.高齢者が見やすい色と色彩心理学
高齢者が見やすい色、見えにくい色にも、実はさまざまな意味が隠されています。
色にはそれぞれ意味があり、その色を取り入れることで得られる効果について知ることは、色選びをするうえで役に立つでしょう。
色彩心理学とは
色彩心理学とは、色が人間の心や行動に与える影響を研究する学問です。
私たちの心と色には深い関係があり、色から多くの影響を受けています。
色彩心理学では、色が与える影響と効果を4つにわけています。
・心理的影響と効果
・生理的影響と効果
・感情的影響と効果
・文化的影響と効果
色は人の心理に作用して、さまざまな影響を与えています。色でなにかを覚えたり、色でものに惹かれたりすることなどが挙げられます。
色は人の神経にも影響を与えます。例えば、赤には交感神経を優位にさせ、気分を高揚させる効果があります。これが生理的影響と効果です。
色は人の感情にも影響を与えています。オレンジ色を見ると明るい気分になったり、緑色で気持ちが穏やかになったり、人の感情は色に動かされることもあるのです。
色には文化的な影響もあります。国や地域によって、色の捉え方は変わってきます。ある国ではポジティブなイメージの色が、別の国ではネガティブに捉えられることもあるのです。
「見やすいだけではない」色がもたらす影響と効果
色彩心理学では、それぞれの色に意味があるとされています。
代表的な色について解説します。
赤の持つ意味は、強さ、情熱、興奮です。交感神経を優位にさせ、気分を高揚させる効果があることから、やる気や元気を出したいときに取り入れたい色です。
青の意味は、誠実、冷静です。気持ちを落ち着かせたり、集中力を高めたりする効果があります。
黄色の持つ意味は、元気や明るさです。目立つ色でもある黄色は、危険を知らせるなど、人の注意を引きたいときに使われます。
オレンジ色は、明るさ、暖かさを意味します。人を元気にする効果があります。
緑の持つ意味は、落ち着き、やすらぎ、調和です。興奮した気持ちを落ち着かせ、リラックス効果や疲労回復効果があります。
高齢者にとって見やすい色である赤色やオレンジ、緑色は、それぞれの色の持つ意味からも高齢者にポジティブな影響を与えることができます。オレンジで明るい気分になったり、緑で気持ちを落ち着かせリラックスさせたり、さまざまな効果をプラスすることも可能です。色の持つ意味と効果を知って、戦略的に色を選んでみてはいかがですか。
4.高齢者が見やすい色を取り入れた広告戦略
高齢者にとって見やすい色や色使いを知ることは、シニア向けの広告戦略にとって有効といえるでしょう。高齢者の色覚の特徴を知らずに色選びをすれば、自社の商品やサービスをターゲットである高齢者に認識してもらえないかもしれません。
高齢者の色覚の特徴を知り、色が人の心理や感情に与える影響を考慮し、より効果のある広告戦略を立ててください。
5.まとめ
シニア向けの商品やサービスを展開するうえで欠かせない広告も、ターゲット層にピンポイントで届かなければ意味がありません。これまで述べてきた高齢者の色覚を生かした広告を、より確実に、狙ったターゲット層に届けてみませんか。
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