シニアの再婚事情とは?オトナ再婚で起こるトラブル、困りごとを解説
ひとり暮らしをするシニアが増えています。しかしその中には「人生の最後を共に過ごせるパートナーがほしい」と感じているシニアは少なくありません。
しかし人生経験が長く自身の生活習慣をもつシニアにとって、新しい生活や出会い、さらに再婚はハードルが高い、と感じている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、オトナ再婚とも呼ばれるシニアの再婚にフォーカスし、シニアだからこそ起こりがちなトラブルや困りごと、そして今後どのようなアプローチが必要とされているのかを詳しく解説します。
シニアが実際に抱えている再婚の悩みや置かれている状況を把握し、適切なシニアマーケティングにお役立てください。
目次
1.シニアの再婚率の増加

内閣府男女共同参画局が出している「結婚と家族をめぐる基礎データ」から婚姻・離婚件数をみてみましょう。現在の日本では、全婚姻数に占める再婚件数の割合が年々増加傾向にあることがわかります。
また、資料によると、近年では全婚姻の25%、4組のうち1組は再婚というデータもあります。(参考:内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」より)
またその中でも特に注目すべき点がシニア女性(50歳以上)の再婚率上昇です。
人口統計資料集(2022) 表6-6 性,年齢(5歳階級)別再婚率:1930~2020年 (女性50歳以上) |
1990年 | 2000年 | 2010年 | 2020年 | |
50~54歳 | 0.72 | 1.10 | 1.15 | 1.31 |
55~59歳 | 0.36 | 0.69 | 0.69 | 0.81 |
60~64歳 | 0.17 | 0.38 | 0.43 | 0.45 |
65~69歳 | 0.08 | 0.18 | 0.25 | 0.27 |
70歳以上 | 0.02 | 0.04 | 0.07 | 0.09 |
※10年単位での比較
50代、60代だけでなく70歳以上でも女性の再婚率は年々上昇しています。
人生100年時代といわれる現代社会。そんな中での20代、30代の女性にとって結婚は妊娠、出産、働き方や生活も変化する一大事でした。しかし、年齢を重ねたシニア女性にとっておとな再婚はひとりの女性として、人として、自分自身の人生を謳歌するためのパートナーを探す色合いが濃くなっています。
平均寿命が伸びたことからも、人生をより充実させるために再婚という選択をするシニアが増えています。
またシニアの結婚は「オトナ婚」や「熟年結婚」、再婚はオトナ再婚もしくは熟年再婚というネーミングで呼ばれています。
そのひとつとして注目を集めているのが、シニア向け婚活市場の活況ぶりです。中でもマッチングアプリを利用しているシニアの8割以上が再婚を目的に利用しています。
参考:All About 恋愛コラム ゴールドオンライン 結婚相談所KMA
現代シニアの恋愛事情については、以下の記事で詳しく解説しておりますので参考にしてください。
男女によって異なるシニアの再婚理由


シニアが再婚をしたいと思ったきっかけやタイミングについてのアンケートでは、男女ともに「寂しくなったから」が第1位です。
ひとりで暮らすことに対して自由さを感じていながらも、年齢を重ねるごとに不安や寂しさを感じるシニアが増えています。
しかし、再婚理由の約4割が「寂しくなった」と答えている男性と異なり、女性の回答は2割にとどまっていることも興味深い結果です。
資料によると、女性は過去に離婚した理由として、家庭の家事負担や育児分担など現実的な理由を挙げています。
そのため再婚において、「寂しくなった」以外の「気になる相手が見つかった」「特に理由はない」「子どもを育てるパートナー」「経済的な理由」など多岐にわたって現実的な側面を重視しています。
参考:再婚したい理由はやはり寂しさ?離婚歴のある方に再婚に関するアンケート
そんな再婚理由が異なっているシニアの男女が再婚するメリット、また問題点はどこにあるのでしょうか。
シニア世代が感じているひとり暮らしの寂しさや不安については、下記の記事でも解説しておりますので参考にしてください。
2.シニアが再婚するメリット
再婚をすることで、シニアが得られる利点は大きく次の2点が挙げられます。
①経済的負担の軽減
再婚し生計を共にすることで、生活費の節約など経済的負担が軽くなります。
食費や光熱費はひとり暮らし時よりも額面は上がりますが、人数に比例して倍になることはありません。
また家賃などの住居費も負担が軽くなります。
加えて、再婚することで税金の優遇が受けられる場合もあるでしょう。
配偶者控除や扶養控除、健康保険料の減額といった制度を利用することができます。
その他にも法律的に再婚し家族になることで、公営団地の入居資格や、民間企業の家族割などの各種割引を受けられることもメリットのひとつです。
②精神的な支え
年齢をかさねたひとり暮らしでは、急な体調不良や事故、怪我はひとりで対応することが難しくなります。そしてそのことに不安を感じているシニアは多いです。
また急な体調変化だけでなく、近年増加している台風や地震といった災害への不安を感じているシニアもいます。
そんな時にひとりではなく、不安を分かち合い助け合えるパートナーが一緒にいることで精神的に大きな安心感を得ることができます。
ともに理解しあえるひとと暮らすことは、シニアの精神的な支えとなることから大きな利点といえます。
シニアの孤独については下記の記事でも解説しておりますので、参考にしてください。
3.シニアの再婚におけるトラブル
再婚をすることでシニアに起こる問題やトラブルとはどのようなものがあるのでしょうか。大きく次の3つが挙げられます。
①過去の相手と比較
年齢を重ねての再婚であることから、過去の生活やパートナーと無意識に比較してしまうことがトラブルにつながっています。
たとえば、洗濯物の干し方や収納場所といった些細なこと。そんな日常のできごとの相違に「過去の相手だったらわかってくれたのに」と、どうしても過去の日々を思いかえしてストレスを感じるシニアも多くいます。そのことから、再婚したことを後悔するシニアもいます。
人生経験が長いシニアの再婚は、生活変化への対応が課題のひとつです。
第2の人生として、シニア自身の考え方をリセットする柔軟性が必要となります。
②子どもや家族との関係性
シニアの再婚では子どもの年齢や自立度、程よい距離感など、子どもや家族との関係性は非常に重要です。
トラブルや問題を回避するために、
・子どもが自立、独立後に再婚
・ふたりで生活拠点を都会から地方へ移住して再婚
という選択をするシニアもいます。
子どもの独立後や移住をしての再婚であっても、タイミングや生活環境、距離感など家族の関係性は人によって異なるため、非常に難しい問題です。
子どもや家族との関係性や心の距離感、意思疎通は再婚することでより重要な課題となるでしょう。
③相続問題
シニアの再婚は若いころの再婚と異なり、相続や金銭問題のトラブルが起こりやすいです。
再婚することで相続者が増えるため、残る金銭や資産について家族や親戚も交えて事前に話し合い、明確にしておくことが重要です。
特にシニア世代での再婚は、相続や資産を目的にした再婚だと誤解を受けることも少なくありません。
そのためにも金銭面や相続について、シニアが自分自身の意志を明確に示す必要があります。
シニアの再婚が今後さらに増えていく中で、シニアの財産に対しての意志表明の手段や方法、誤解を受けることのない関係性の構築など解決すべき課題はまだ多くあるでしょう。
4.オトナ婚におけるマーケティングの成功事例
実際にオトナ婚におけるマーケティング成功事例を紹介します。
リヒト
リヒトはシニア専門のウエディングプロデュース会社です。
オトナ婚やオトナ再婚をするシニアの多くが結婚式をしたい、写真を撮りたい、せっかくならウエディングドレスを、という気持ちがありながらも年齢や周囲の目を気にし叶えられていません。
そんなシニアの気持ちに寄り添う、オトナ婚ウエディングプロデュースを行っています。
参考:Licht(リヒト)
株式会社チェリッシュ
チェリッシュは運営するネットショップにて、シニア婚専用結婚指輪 Eternal Cross(エターナルクロス)を販売しています。
シニア婚専用結婚指輪のデザインは、実際シニアからの公募を募り商品化しました。
ジュエリーショップで結婚指輪を選ぶことに躊躇するシニアは多いです。
特にシニア女性は水仕事をしている方も多く、人前で手を出すことに躊躇、抵抗がある方もいます。
そんな中で、エターナルクロスはシニアでもつけやすく親しみやすいデザイン。シニアの生の声を生かしつくられた商品です。
参考:エターナルクロス
フォトウエディング
オトナ再婚やオトナ婚専用のフォトウェディング事業も盛り上がりを見せています。
記念や記録、思い出を残すのにフォトウエディングを選択するシニアも多いです。
フォトウエディングであれば、リーズナブルに短時間で実施でき打ち合わせもオンラインで済むのも利点です。個室での撮影であれば、他者の目を気にする必要なく、シニアが好きな衣装を身にまとい自由なポーズで人目を気にせず撮影することができることが人気の理由となっています。
5.まとめ
人生100年時代をより充実、楽しむために、共に生きるパートナーはシニアにとって大切な存在です。また再婚を選択するシニアは、今まで以上に増加することは確実です。
しかし多くのシニアは再婚やオトナ婚、それに付随したお金や相続、再婚後の生活に関する問題は身近な人には話しにくい、と感じています。そして安心して話せる相談先を求めています。そんなシニアが安心して話せる相談先として認知されるためには、シニア向けにターゲティングした情報発信が重要です。
そこでシニア向けSNS「おしるこ」の活用はいかがでしょうか。
50歳以上限定のSNS「おしるこ」では、オンラインという特性を生かし直接身近な人には話にくい話題や相談も、コミュニティを通じて情報交換がおこなわれています。
このコミュニティの動きを利用し、シニアの資産管理や相続、人生設計など悩みに合った情報発信や広告掲載を行ったり、体験型のサービスを提供し口コミを集めることが可能です。
シニアの再婚によって起こりうる、資産管理や相続、人生設計に対するトラブルや困りごとなど、データ上だけでは知り得ないシニアの想いやリアルな声を知り、今後のシニアマーケティングにお役立てください。