バブル世代の特徴と消費行動の変化に見るマーケティング戦略

バブル世代の特徴と消費行動の変化に見るマーケティング戦略
シニアのインサイト 投稿日:

バブル世代の特徴と消費行動の変化に見るマーケティング戦略

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バブル経済を背景に豊かな消費体験を経験したバブル世代は、現在も高い購買力を持つ有力なマーケティングターゲットです。
しかし彼らの価値観や消費行動は、若年期のブランド志向やステータス消費からライフステージとともに大きく変化しています。
本記事では、バブル世代の消費行動とその変化に着目し、効果的な訴求軸とアプローチの考え方を、実際の成功事例を交えて解説します。バブル世代への適切なアプローチにお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. バブル世代とは
  2. バブル世代の消費行動
  3. バブル世代の消費行動の変化
  4. バブル世代へのマーケティング戦略と成功事例
  5. まとめ

1.バブル世代とは

一般的にバブル世代とは、1987年から1993年に新卒として社会に出た世代を指します。この世代は、いわゆる「バブル景気」と呼ばれる日本経済の絶頂期に社会人としてのキャリアをスタートさせました。経済的に非常に恵まれた時代背景のなかで働き始めたことが特徴です。

この世代は高度経済成長の恩恵を受け、モノが豊かに溢れる時代に育っています。そのため消費は単なる購買行動ではなく自己表現や社会的ステータスの象徴となっています。
特にバブル期には、高級車やブランド時計などの高価格帯商品が成功の証であり「高価なもの=価値がある」という価値観が浸透していました。
一方で、バブル世代の価値観は時代とともに大きく変化しています。かつての一点豪華主義から「本当に価値あるものを見極めて選ぶ」スタンスにシフトしつつあり、消費に対して冷静な目を持ち始めています。
参照:https://www.tourism.jp/tourism-database/survey/2014/01/bubble/

変わらない価値観と柔軟な変化を持つ現代のバブル世代。彼らが今、なにに惹かれ、どのような提案に価値を感じるかを見極めることが、マーケティング戦略を成功に導く鍵となります。

バブル世代の価値観や消費行動については、以下の記事でも詳しく紹介していますので参考にしてください。

2.バブル世代の特徴と消費行動

バブル世代の消費行動は、その背景にある経済環境や社会的価値観に大きな影響を受けています。本章では、バブル世代の消費行動の特徴を3つの観点からご紹介します。

1.ブランド志向と積極的消費

バブル世代は、高級ブランド品や高価格帯サービスの消費に積極的です。背景には、バブル経済期の好景気と高い初任給水準があり、若年期から「高額なものを所有する=価値ある人生」という価値観が根付いていました。
当時は高級車やブランド時計、海外旅行などが成功の象徴とされ、消費は単なる買い物ではなく、物質的な豊かさや自己表現の手段でした。こうした価値観は現在も影響を残し、バブル世代は「品質」「ブランド力」「限定性」というキーワードや要素に高い関心を示す傾向があります。
参照:https://seojapan.com/column/bubble-vs-imadoki-infographic/
バブル世代の消費行動の根底には、自己実現と社会的欲求を目的とした“意志ある消費”があるといえます。

2.社会的ステータスの重視

バブル世代にとって消費は社会的ステータスを示す手段です。
特に他者からの評価や周囲の目を意識し「自分がどう見られるか」を重視した商品やサービスを好む傾向があります。
高級車や時計、海外旅行といった体験も自己満足だけではなく「周囲にどう映るか」が選択基準でした。
ビジネスの場面でも高級消費が信頼性や品格を示す手段として長年活用されています。バブル世代の消費行動は、自分の価値や実力を見える形で伝える手段といえるでしょう。

3.消費性向の高さ

バブル世代は消費性向の高さが特徴的です。
彼らは将来の備えよりも今を重視し、日常的に消費を通じた満足感を重視する傾向があります。実際にスルガ銀行の調査によると、1987年〜1989年における34歳以下の世帯主の消費性向は76.7%という非常に高い数値に達しており、現代の若年層と比較しても際立った水準です。
また、内閣府の2024年の経済レポートでは当時の積極的な消費姿勢が再確認されています。
参照:https://www.surugabank.co.jp/d-bank/special/sp532/https://www5.cao.go.jp/keizai3/2024/0212nk/n24_2_1.html
高い消費性向の背景には「ローンを組んででも価値あるものを手にいれる」という価値観があります。
バブル世代はその価値観と空気感を今も引き継いでおり、現代においても購買意欲が高いです。しかしながら、時代やライフステージの変化とともにバブル世代の消費行動は変化しています。どのような変化が具体的に起こっているのか、見ていきましょう。

3.バブル世代の消費行動の変化

バブル世代は「仕事優先・モノ消費」を支えてきましたが、人生の後半を迎えその消費行動に変化が起こっています。
定年や退職といったライフステージの変化に伴い、彼らが消費に求める価値の変化を見ていきましょう。

ステータス重視から人間関係重視へ

若年期のバブル世代は、高級ブランドや海外旅行などを通じて、社会的地位や成功を見える化することに価値を感じていました。
しかし現在では、その消費の意味付けが変化しています。
特に50代後半以降は、定年やセカンドキャリアを意識するタイミングと重なり「誰と過ごすか」「どんな時間を共有するか」といった関係性や内面的な充足に価値を見出す傾向が強まっているようです。
高級志向は残りつつも、“つながり”や“意味のある体験”を重視する消費スタイルへとシフトしています。

参照:https://www.nri.com/content/900034541.pdf

消費チャネルの多様化

バブル世代の消費スタイルは、リアルな買い物からデジタルチャネルを組み合わせた購買行動へと、大きく変化しています。現役時代からバブル世代は、コンビニエンスストアや大型ショッピングモールなどを積極的に活用し、手軽さと快適さを両立させた買い物スタイルを築いてきました。
近年ではリアルな店舗に加え、ECサイトやオンライン予約サービス、SNSによる情報収集などデジタルチャネルも日常的に活用されています。
参照:https://www.nri.com/content/900034541.pdf

特に旅行や共同購入、オンライン限定イベントなど「体験を共有する消費」への関心が高まっており、従来のモノ消費からコト消費への移行が一層進んでいます。
バブル世代の消費行動は利便性重視のリアル購買から、つながりと体験を重視したデジタル消費へとシフトしつつあります。マーケティング戦略ではリアルとデジタル、複数の接点を組み合わせたクロスチャネル型の提案設計が不可欠といえるでしょう。
参照:https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=81644?site=nli

可処分所得と消費性向の推移

バブル世代は若年期に高い消費性向を持ち、現在も価値ある消費には積極的な姿勢を見せています。
前述のとおり、1987〜1989年のバブル期には、34歳以下世帯主の消費性向が非常に高く、手元に残る収入の大半を消費に回すことが一般的でした。
参照:https://www.surugabank.co.jp/d-bank/special/sp532/

一方、バブル崩壊後の長期的な景気後退や雇用環境の悪化により、消費スタイルには大きな変化が生まれます。1997年には戦後初の個人消費マイナス成長が記録され、将来への不安が顕在化しはじめました。
参照:https://www5.cao.go.jp/keizai3/keizaiwp/wp-je98/wp-je98-00102.html

現在のバブル世代は、可処分所得に一定の余裕を持ちながらも価格の妥当性や商品の信頼性に重きを置きながら購入を判断する、より慎重で合理的な傾向があります。
こうした高い所得と慎重な消費という二面性を理解し、マーケティング施策では価格訴求に加えて、納得できる理由を伝えることが成功の鍵となります。

4.バブル世代へのマーケティング戦略と成功事例

ここから実際の成功事例をご紹介します。

高級感とノスタルジーの融合

バブル世代は物質的な豊かさを肯定的に捉え、上質さや特別感に価値を見出す傾向があります。青春時代を過ごした1980〜90年代のカルチャーやライフスタイルに今も強い愛着と誇りを抱いている人が多く、高級感とノスタルジーを組み合わせたアプローチは非常に効果的です。
1950年開園の老舗遊園地「西武園ゆうえんち」は、「心あたたまる幸福感に包まれる世界」というコンセプトのもと、2021年に昭和レトロな街並みと現代的な快適性を融合させてリニューアルされました。非日常的な演出や限定体験を通じて「懐かしくも新しい日本の良き時代」を体感できる仕掛けが施され、リニューアル後のチケット売上は最大13倍に伸長し、バブル世代からも高く評価されました。
懐かしさだけでなく、上質な空間としてのノスタルジー消費の面からも成功事例といえるでしょう。
参考:エッセオンライン

ノスタルジー消費については、以下の記事もご参照ください。

リアルな体験価値の創出

バブル世代は「五感で感じるリアルな体験」が響く傾向があります。

バブル期に贅沢を経験してきた世代だからこそ、丁寧な接客や上質な空間演出、共感を生むリアルなイベントに高い価値を見出します。香りや音楽、空間などで感情や記憶に訴えかける体験は、ブランドへのロイヤルティや購買意欲を高める有効な手段にもなるでしょう。

2021年、清水寺で開催されたGucciの創業100周年記念エキシビジョンでは、能楽や現代舞踊を取り入れたパフォーマンスを通じ「歴史と革新」というブランド哲学を表現。参加者は五感を通じて世界観に没入し、ブランドとの関係性を深めるひとときを体感しました。かつての「飲みニケーション」や同窓会文化とも親和性が高く、心に残る“体験の記憶”として共有されました。

参考:https://www.k2-world.com/project/guccijapan-aria-kiyomizudera

「体験価値」「トキ消費」については下記の記事もご参照ください。

デジタルチャネルの最適化

バブル世代のデジタル活用が進む中で、デジタルチャネルの最適化はますます重要になっています。特に、LINEやYouTubeといった高い利用率を活かした施策は、顧客エンゲージメントの促進に直結します。

バブル世代のLINEの利用率は93%以上。LINEを活用した顧客管理や新商品通知、クーポン配信などは高い効果が期待でき、Youtubeとの連携で製品理解も深められています。

飲食・美容ブランドでは、LINE登録者向けにワイン試飲会や料理教室を案内し、デジタルとリアルを連携させたプロモーションでリピート購入を促進しています。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000126079.html

信頼性の構築手法

可処分所得の減少や価値観の変化を経たバブル世代にとって、購買の決め手となるのは価格ではなく納得感や信頼性に変化しています。
バブル世代へ向けた商品やサービスでは、「誰が言っているか」「共感できる体験があるか」といった点が重視されるでしょう。

参考:https://www.nri.com/content/900034541.pdfhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000208.000000884.htmlhttps://biz.halmek.co.jp/column/know-how/250313-bubblevsdankaijunior.html

たとえば専門家の推薦やメディアでの紹介は、製品の価値や信頼性を裏付ける有効な手段です。また信頼できる身近な友人の体験談や口コミも非常に効果が高いです。

50歳以上限定のシニア向けSNS「おしるこ」は、信頼できる専門家やライターによる情報発信を通じて、ユーザーから高い共感と信頼を得ています。実体験ベースの情報や、同世代との交流を通じた自然な口コミが広がり、プラットフォーム全体の信頼性を底上げする好循環が生まれています。

このように、リアルな体験に裏付けられた共感と継続的な関係性こそが、バブル世代に響く信頼構築の要といえるでしょう。

5.まとめ

バブル世代へのマーケティングにおいて鍵となるのは、共感と信頼性の構築です。

50歳以上限定のシニア向けSNS「おしるこ」は、バブル世代に特化した広告施策を行う上で非常に有効なプラットフォームです。日常的にLINEやFacebookなどのデジタルツールを使いこなすバブル世代にとって「おしるこ」のような世代や目的が一致した場は、情報への信頼度が高く、実際の購入行動にも繋がっています。

おしるこ」」は、アクティブなシニア層が多くユーザー同士が自然に交流し、体験をシェアしあう文化が根付いており、リアルな声が信頼の連鎖となって広がっています。

バブル世代と持続的な関係を築く手段として、シニア向けSNS「おしるこ」を今後のマーケティング施策にぜひご活用ください。

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