新人類世代の特徴、「友達親子」の最新マーケティング戦略を徹底解説
日本は超高齢社会を迎えています。1955年から1967年頃に生まれた「新人類世代」も、50代後半から60代となり、シニア層の一員になりました。そんな中でも新人類世代は従来のシニア層と異なる価値観を持ち、新人類シニアとして注目を集めています。その特徴のひとつが親と子が友達のように接する「友達親子」という関係性です。
本記事では、新人類世代と「友達親子」の関係性を深く掘り下げ、親子マーケティングの成功事例を紹介します。新人類世代への効果的なアプローチに関心のある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.新人類世代とは?
新人類世代は、1955年から1967年頃に生まれ、バブル経済の影響を受けて成長した世代です。高度経済成長期に育った団塊の世代とは異なり、個性や自由を重視する価値観を持ち、消費意欲が旺盛な傾向があります。
新人類世代の代表的な特徴は以下の5点です。
- 個性や自由を重視し、従来の価値観にとらわれない
- バブル経済を経験し、積極的な消費行動をとる
- 新しい文化やスタイルを積極的に取り入れる
- 上下関係や年功序列よりも実力主義を重視する
- 友達親子のようなフラットな関係性を好む
新人類世代がシニア層になりつつある現在、従来のシニア向けマーケティング手法では十分な対応が難しくなっています。そのため、彼らの価値観やライフスタイルに合った新たなマーケティング戦略が求められています。
新人類世代の特徴や効果的なマーケティング戦略については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
2.友達親子の登場と親子関係の変化
新人類世代が親になり、「友達親子」という新たな関係性が生まれました。この関係性は、従来の厳格な親子関係とは異なり、親と子が対等な立場で接する点が特徴です。
友達親子の特徴
1. フラットで対等な関係性
親は子どもの意見を尊重し、互いにオープンでフラットな対話をおこなう関係性を築いています。
2. 子どもの自主性を尊重
厳しく管理するのではなく、子どもの自主性を重視します。
友達のように接することで、子どもは親に悩みを相談しやすくなり信頼関係が深まりやすい関係性です。
3. 共通の趣味やライフスタイルの共有
親子で一緒にゲームをしたり、音楽やファッションを楽しむ文化を楽しむ特徴があります。
親が子どもの流行に敏感で、積極的に関わることで親自身も若々しく生き生きとしたライフスタイルを維持しています。
このような親子関係の変化は、バブル経済期以降の経済的安定や個人主義の浸透に加え、ポップカルチャーの影響を大きく受けています。
1980年代から90年代の音楽や映像作品が今も愛され、ライブやリメイク作品を楽しむ親子が増えています。また、ファッションも当時の流行が再評価されることで世代を超えた共通のスタイルとして親子で親しまれています。こうした文化の共有が相まって、親世代と子世代の価値観のギャップを縮め、より対等な関係性、友達親子としての関係が生まれたのです。
親子関係の変化
また現代では、SNSを通じた親子の交流も一般的です。連絡手段としてもSNSが一般的に利用されており、特にシニア層においてもその活用が広がっています。
シニア層、特に60代ではLINEの利用率は86.3%と高く、その利用率はメールを上回っています。

出典:総務省 令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

参考:https://webtan.impress.co.jp/n/2023/09/01/45535
このことからも、SNSを活用したマーケティングの重要性が高まっています。
また、親子が共通の興味を持つことによって、企業が親子セットでの購買行動を促すマーケティング戦略も有効となってくるでしょう。
シニアに人気のSNSや情報発信に適したメディアについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
3.友達親子マーケティングのメリットと課題
次に、友達親子をターゲットにしたマーケティングのメリットと、抱える課題について解説します。
友達親子マーケティングのメリット
- 商品・サービスの認知度向上
友達親子は親子間でトレンドや流行を共有するため、世代を越えた商品やサービスの認知度向上を見込むことができます。企業は特定の世代だけでなく、親子双方の世代をターゲットにした広告戦略を展開することが有効です。また、友達親子はSNSで積極的に情報共有をする傾向があるため、SNS投稿や口コミでの拡散効果も期待できます。
- 購買層の拡大
友達親子は共通の趣味や関心を持つことが多く、購買層の拡大が見込めます。
特に、親子で楽しめるアウトドア用品、エンタメ、ファッションブランドなどは、世代を超えた消費を促進しやすいジャンルです。また、共通の趣味を通じて親子の会話内で商品やサービスの情報が共有されるため、ブランドのファン層を広げる効果もあります。
- LTV(顧客生涯価値)の向上
友達親子をターゲットにすることで、LTV(顧客生涯価値)の向上も期待できます。
友達親子は共通の体験や思い出を大切にしているため、親子セットでのサービスやペア向けのプロモーションが効果的です。
例えば、親子で通える習い事やサブスクリプションサービス、ペア割引のあるレジャー施設など、親子での利用を前提とした商品や割引プランを提供することで、長期的な顧客獲得につなげることが可能です。
友達親子マーケティングの課題
- 効果的なアプローチが難しい
企業側にとって親と子のどちらに訴求すべきかの判断は困難な場合があります。
友達親子は対等な関係性にあるため、購買決定権が親子間で曖昧になりがちです。そのため、企業側のマーケティング戦略はぶれるリスクがあります。
一般的に、親は品質や安全性を重視し、子はデザインやトレンドを重視する傾向にあるため、両者の関心をバランスよく取り入れることが重要です。また、親子で話し合って選ぶ楽しさを提供する工夫を加えることで、購入意欲を高めることも可能です。
- ブランドメッセージの調整
友達親子へのアプローチでは、従来の世代別マーケティング手法が効果的とは限りません。たとえ親子が友達のように仲が良かったとしても、世代による価値観の違いがあり、単に商品を宣伝するだけでは効果が薄い場合があるからです。
企業は世代ごとのニーズをしっかりと分析し、どちらの視点からも納得できるプロダクト設計や広告表現を行う必要があります。親世代には安心感や品質を訴求し、子世代にはトレンド感やデザイン性を打ち出すことで、双方に響くメッセージを作ることが必要になります。
- 継続的な利用につながりにくい
友達親子は流行に敏感で新しいものを積極的に試す傾向があるため、企業にとってはリピーターを獲得しにくく、LTV(顧客生涯価値)が伸びにくいという課題があります。
この課題に対しては、親子向けの長期的な特典を設けたり、継続利用を促すサブスクリプション型サービスを提供するといった工夫が必要です。例えば、親子で楽しめる定期イベントや、親子セットでの継続特典を提供することで、顧客のロイヤルティを高めることが可能になります。
参考:2024年度「国内Z世代意識・購買行動調査」「年齢が離れた人とのコミュニケーション意識」に関するアンケート調査
4.親子マーケティングの成功事例
以下で親子マーケティングの成功事例をご紹介します。
イオン「G.G.コレクション」
大手流通グループのイオンは、アクティブシニア層をターゲットにしたイベントを多数開催し、成功を収めています。
中でも注目を集めているのが、60代以上を対象とした「G.G.コレクション」です。
「G.G.」とは「グランド・ジェネレーション(Grand Generation)」の略称で、シニア層がアクティブで充実したライフスタイルを送るためのヒントや情報を提供するというコンセプトのもと展開されています。
このイベントでは、シニア層のライフスタイル向上を目的としたセミナーやワークショップが開催され、親子で楽しめる内容も取り入れられています。その結果、世代間の交流を促進し、親子マーケティングとしての効果も発揮しています。
参考:ウェブ電通報
パナソニックの「おうちリフォーム」プロジェクト
パナソニックの「おうちリフォーム」プロジェクトは、単なる住宅改修にとどまらず、家族のライフステージの変化を見据えた包括的な価値提供を実現しています。
- 世代別ニーズに合わせた住空間の設計
安全性、利便性を考慮し、二世帯住宅や介護を視野に入れたリフォームを提案。
- 家族の絆を深める体験の提供
リフォームを通じて親子が一緒に理想の住まいを考える機会を創出。
- 共感を呼ぶストーリー発信
実際のリフォーム事例を紹介し、顧客との長期的な関係を構築。
- スマートホーム化の推進
高齢者にも優しいスマート家電や自動制御システムを導入し、安心・快適な暮らしを実現。
このプロジェクトでパナソニックは、住宅改修にとどまらず親子三世代が共に快適に暮らせる住環境を提供し、世代間の交流を促進しています。
参考:パナソニックホームズ
新聞折込メディア『自遊世代』
新聞折込メディア「自遊世代」は、シニア層、特にアクティブシニアをターゲットにした情報誌です。健康、趣味、旅行、生活情報など、シニア層の関心が高いテーマを取り扱い、地域密着型の新聞折込という手法を活用することで、ターゲット層への高い到達率を実現しています。
- 親子間の情報共有を促進
シニア向けの旅行特集や健康記事が、親子の会話のきっかけを提供。
- 地域密着型の配信
新聞折込を活用し、地域イベント情報や店舗紹介を通じて親子での外出・レジャーの機会を創出。
- シニア層の関心と親子のコミュニケーションを両立
単なる情報提供にとどまらず、親子間のコミュニケーションツールとしても機能。
「自遊世代」は、シニア層に有益な情報を提供するだけでなく、親子間の自然なコミュニケーションを促進し、親子マーケティングの成功事例として評価されています。
5.まとめ
新人類世代のシニア層参入により、親子マーケティングは今後さらに重要性が増していきます。
このマーケティング手法を成功させる鍵は、変化し続けるシニア層とその親子関係の実態を深く理解し、潜在的なニーズを的確に把握することです。
シニア世代の価値観やライフスタイルは一様ではなく、時代とともに進化しています。そのため、親子マーケティングに取り組む企業は、柔軟かつ戦略的なアプローチが求められています。
「潜在ニーズを的確に捉えるにはどうすればいいのか?」
「友達親子に響く効果的な媒体はどこか?」
こうした課題を抱える企業やマーケターの方にぜひ活用していただきたいのが、シニア向けSNS『おしるこ』です。
シニア向けSNS『おしるこ』は、50歳以上のシニア専用コミュニティアプリで、2024年3月時点で8万人以上のユーザーが利用しています。
『おしるこ』ではアンケート機能があり、ユーザーの価値観を深く掘り下げた調査を実施することが可能です。企業はアンケート結果を通じて、シニア世代の本音やトレンドをより正確に把握し、マーケティング戦略に反映することができます。
また、利用者が実際にサービスを体験し、その感想をシェアできる仕組みも備わっているため、マーケティング施策の効果検証やシニア世代への自然な訴求を行うこともできます。
親子マーケティングを成功に導くためには、シニア世代とのリアルな接点を持ち、共感を生むコミュニケーションを意識することが重要です。
そのための有力なツールとして、『おしるこ』の活用をご検討ください。
「シニアのインサイトを知りたい」「シニアへのアプローチは難しい」と課題をお持ちの方へ、有効なシニア向けSNSがあります。詳しくは以下をダウンロードしてみてください。
「シニアド」へのご相談を1クリックで予約しませんか?
シニア市場への理解を深め、効果的なアプローチをサポートいたします。マーケティング戦略、ブランディング強化など、ご検討中の課題をぜひお聞かせください。 専門スタッフが丁寧に対応いたします。