エイジングケアは化粧品広告でうたえるワード?表記ルールとNG/OKの定義を解説
「いつまでも若々しくありたい」と願う気持ちは、いつの時代も変わりません。
さらに、シワ改善の有効成分に国の認可が下りるなど、今後の成長や活発な消費が期待されるのがエイジングケア関連の商品。
「エイジングケア」「アンチエイジング」は、消費が活発なシニアを引き付けるワードですが、化粧品広告で用いる際は注意が必要です。
言葉づかいによっては法律違反となるケースもあるため、信用問題にもなりかねません。
そこで、この記事では、法律上NGになるワードの定義や広告のガイドラインに沿ったOK表現の例など、表記ルールを詳しく解説。
さらに、エイジングケアに関心が高い層の取り込みなど、広告戦略についてもお伝えします。
目次
- エイジングケア」は広告表現OKワード
- エイジングケア商品における広告表現の注意点
- 国の認可が下りた成分をエイジングケア化粧品の広告でうたうのはOK?
- エイジングケア化粧品の広告はルールとターゲットを抑えたワード選びがカギ
- まとめ
1. 「エイジングケア」は広告表現OKワード
「エイジングケア」と「アンチエイジング」、よく似たワードですが、化粧品広告のルールでは違った意味をもちます。
「エイジングケア」の意味を正しく理解し、ルールを守った表記を心がければ、化粧品の広告でうたってもOKです。
エイジングケアはOK・アンチエイジングはNG
「エイジングケア」は、認められた表記であれば化粧品の広告でうたえますが、「アンチエイジング」はNG。
若返りやシミ・シワの解消をイメージさせるため、化粧品広告でうたえる範囲を超えた効果ともいえます。
年齢肌をイメージした化粧品の広告は、エイジングケアとアンチエイジングの意味と違いをふまえた言葉選びが大切です。
エイジングケアとアンチエイジングの意味と違い
2. エイジングケア化粧品における広告表現の注意点
「エイジングケア」のワード自体は広告内で使用してもOKですが、表現方法には注意が必要です。あくまで化粧品の効果とされる範囲を超えない表記に限られます。
例えば以下のように、使用感や見た目を示すワードや効果をぼかした表記であれば、広告で訴求することができます。
- 抑える
- ととのえる
- 保つ
- 補う
さらに、アイテムごとに広告でうたってもOKな表記をまとめました。
ヘアケア製品
- 頭皮や髪を清浄にする
- 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える
- フケ、カユミがとれる
- フケ、カユミを抑える
- 頭皮、髪をすこやかに保つ
- 髪にハリ・コシを与える
- 頭皮、髪にうるおいを与える
- 頭皮、髪のうるおいを保つ
- 髪をなやかにする
- クシ通りをよくする
- 髪のツヤを保つ
- 髪にツヤを与える
- 髪の水分、油分を補い保つ
- 枝毛・切れ毛を防ぐ
スキンケア・ボディケア製品
- (汚れを落として)肌を清浄にする
- 肌を整える
- 肌のキメを整える
- 肌をすこやかに保つ
- 肌荒れを防ぐ
- 肌をひきしめる
- 肌にうるおいを与える
- 肌の水分、油分を補う・与える
- 肌をやわらかく保つ・やわらげる
- 皮膚の乾燥を防ぐ
- 皮膚を保護する
- 肌にハリを与える
- 肌にツヤを与える
- 肌をなめらかにする
- 日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ
- 乾燥による小ジわを目立たなくする
これらの表現から外れない表現であれば、全く同じワードでなくてもかまいません。
「肌」「皮膚」や「うるおい」に関する表記の「保つ」「補う」は、どちらを使ってもOKです。また、日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ化粧品については、薬用化粧品として認可を受けるなど、一定の条件を満たせば「メラニンの生成を抑え、シミそばかすを防ぐ」という表記も認められます。
取り扱い注意の「エイジングケア」。NGとなる広告の例
エイジングケア化粧品の広告で特に注意すべきワードは、次の3例。
シワやUVケア、メイクアップ化粧品の広告では、表記次第で法律に抵触するケースもあります。
シワに関する表記
- NG:小じわを目立たなくする
- OK:乾燥による小じわを目立たなくする
UVケアに関する表記
- NG:シミ、そばかすを防ぐ
- OK:日焼けによるシミ、そばかすを防ぐ
メイクアップ化粧品に関する表記
- NG:シミ、そばかすが目立たない
- OK:メイクアップ効果でシミ、そばかすを目立たなくする
これら3つに当てはまる表記ルールのポイントは、肌の悩みが目立たなくなる理由の具体的な説明です。
化粧品広告で「治る」ワードを使うと法律違反に!
化粧品は、医薬品や医療行為ではないため、効能や効果を保証できるわけではありません。
エイジングケアに適した商品でも、うるおいや肌のハリなどの感じ方は人それぞれ。
若返り、〇〇解消、〇〇防止
など、回復や治療を思わせる化粧品の広告は、法律違反にあたります。
参考:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について 厚生労働省
ビフォー・アフターの表記も化粧品広告ではNG
化粧品は効果の現れ方に個人差があるため、ビフォー・アフターをうたう広告もNGです。
エイジングケアをうたう化粧品を使ってキレイになった人がいたとしても、全ての人に同じ効果があるとは限りません。
実際に使った人の写真を使ったとしても、化粧品広告に載せるのはルール違反です。
参考:化粧品等の適正広告ガイドライン2020年版 日本化粧品工業会 広告について 日本抗加齢医学会
3. 国の認可が下りた成分をエイジングケア化粧品の広告でうたうのはOK?
年齢とともに現れる小ジワは、多くの大人を悩ませてきました。
ただ、最近になって、シワ改善の効果があると国が認めた成分が登場。
国のお墨付きの成分を配合した「エイジングケア」をうたう商品も続々とリリースされています。
そこでここからは、承認が下りた有効成分と化粧品広告の表記ルールについても解説したいと思います。
国がシワ改善の効果を認めた3種類の成分
厚生労働省が認めたシワ改善の有効成分は、次の3種類。
- レチノール
- ナイアシンアミド
- ニールワン
レチノールはビタミンA、ナイアシンアミドはビタミンBの一種で、コラーゲンの生成を助ける働きがある成分です。
ニールワンはシワの原因となるコラーゲンの分解を抑えるアミノ酸の一種で、POLAが特許を取得。
一方、ナイアシンアミドとレチノールは、幅広いメーカーで「エイジングケア」をうたう商品に使われています。
参考:パルミチン酸レチノール ニコチン酸アミド(ナイアシンアミド) 三フッ化メチルバリルプロリルバリルテレフタロイルグリシンナトリウム(ニールワン) 化粧品成分オンライン
いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて 厚生労働省
リンクルショットメディカルセラム POLA
医薬部外品の化粧品なら条件付きで広告OK
国の承認が下りた有効成分をうたえるのは、次の条件を満たした化粧品の広告。
- 個別で承認を受けた医薬部外品
- 厚生労働省が効果を認めた成分を一定の濃度で配合
医薬部外品の化粧品は、一般的な化粧品と医薬品の中間的な立ち位置の商品です。
効果を認められた成分が配合されていても薬ではないため、シワが完全に消えるわけではありません。
シワ解消や若返りなどのNGワードを避ければ、「エイジングケア」として広告でうたえます。
4. エイジングケア化粧品の広告はルールとターゲットを抑えたワード選びがカギ
化粧品広告では、ルールを守りつつささるワードを見つけることが成功のカギ。
加えて、表記ルール上NGかOKかの基準は、数字のように明確でないため、化粧品の広告出稿には専門知識が必要です。
「エイジングケア」攻めすぎた広告は後でトラブルに発展するケースも
過去に、美白をうたう化粧品で白斑によるトラブルから訴訟に発展した事例がありました。
広告で実態以上の効果をうたうのは、後々自社の首を絞める結果になりかねません。
一時的に売上が増えても、それに見合う品質でなければ消費者は離れていきます。
悪い口コミを書き込まれる可能性もあるため、表記ルールを守ることがリスク回避につながります。
化粧品広告は「ささるワード」と「表記ルール」の両立がカギ
トラブルを未然に防ぐには、ルールを守った表記が何よりですが、ともするとインパクトに欠ける広告になってしまいます。
表記ルールを守りながら印象に残るキーワードを探すことが、化粧品広告の難しさとも言えるでしょう。
完全攻略が難しい化粧品広告の出稿はサポートを活用するのも手
煩雑な化粧品広告の理解と印象に残るキーワードの選定は、骨の折れる作業です。
化粧品の広告表記は、どこまでがOKでどこからがNGか、線引きが分かりづらい点も多々あります。
複雑なルールの理解と印象に残るワード選びは専門知識がなければ難しいため、第三者のサポートが必要です。
また、エイジングケア商品の広告制作は、シニア層へのアプローチに強いメディアが向いています。
エイジングケア製品の広告表現3つのポイント
エイジングケアに関心がある人達のなかには、細かい文字が見えにくいなど視力の衰えを感じる人も一定数います。
そこで、広告制作では以下の点に留意しましょう。
- コントラストを意識した配色
- うたいたい表記を強調した文字デザイン
- 過不足のない情報量
シニアが見て分かりやすい表記は、多くの人に商品の魅力が伝わる広告になるはずです。
エイジングケアに関心が高いシニアに向けた広告戦略については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご一読ください。
シニア向けのエイジングケア化粧品もSNS広告は外せない
SNSを活用した広告戦略は、若者向けの化粧品に限った話ではありません。
シニア層のSNS利用が増えつつあるため、エイジングケア化粧品の広告媒体として有望です。
ターゲットに向けたSNS広告の手法については、以下を記事で詳しく解説しています。
アクティブシニアが集う「おしるこ」は、エイジングケア化粧品のプロモーションの場としても使えるSNS。会員登録の際に本人確認の書類提出を義務付けているため、コミュニティとしての安全性も保たれています。さらに、薬機法などに精通した専門のライターがいるため、表現の判断が難しい化粧品広告の出稿についても、お気軽にご相談ください。
5. まとめ
化粧品の広告で、若返りや回復をイメージさせるワードの使用はNG。
あくまで年齢に合わせたお手入れとして、エイジングケアをうたうことは可能です。
「誠実でなければ人を動かすことはできない」という、イギリスの元首相チャーチルの言葉は、化粧品の広告にも当てはまります。
実態以上の効果をうたうことは、法に触れるだけでなく、後々トラブルにもなりかねません。
ただ、表記ルールにしばられた広告は、ともするとインパクトに欠ける印象になりがちです。
表記ルールと印象に残る表現の両立は難しいため、専門家の力を借りるのもよいでしょう。
また、アクティブシニアが集うSNSの活用も、エイジングケア化粧品の広告媒体として効果が見込めます。限られた予算で狙ったターゲットに届けられる点は、テレビCMにはない強みではないでしょうか。
アクティブシニアが集うSNS「おしるこ」への広告出稿に関する詳しい資料は、下記のリンクよりダンロードいただけます。ぜひ、ご一読ください。